↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村づくりは、麦を数えるところから――ハルヴェ村のミラ  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
89/216

郡都の封書

役所から新しい封書が届き、税の猶予申請には郡都での審査が必要だと分かった。ベルクは自分が行くつもりだったが、足を痛めて長い道を歩けない。ミラが同行を申し出ると、エダも記録係として加わった。村を留守にする間、誰が相談を受けるかを決める必要があった。


ベルクはサラとギルへ連絡を頼み、農地の問題はハロルドに任せた。全ての決定を一人へ集中させないため、村長の印が必要な用件は帰るまで待つ。ただし井戸で事故が起きた時は、ダレンの判断で使用を止められると確認した。


旅の準備をするミラは、初めて村の外へ出る不安を感じた。市へは行ったが、役所で話すのは別のことだ。エダは受領印のある申請書を布へ包み、同じ数字を書いた控えを村に残した。紙を一枚失うだけで説明ができなくなる危険があった。


出発の前夜、ティアが自分のいた峠の領主について手紙を持ってきた。役所へ行くなら、妹の契約のことも聞いてほしいという。ミラは税の書類とは別に、事実だけを記した紙を受け取り、本人の許可なく誰かへ見せないと伝えた。


旅に使う靴を探すと、ミラの靴底には小さな穴が開いていた。レアが急ぎで縫い直し、雨が降った時のための布を付けた。村の仕事を片付けたいと出掛ける本人が、道で倒れては意味がない。サラは携帯食を渡し、宿代とは別に温かい食事の分も持つよう勧めた。


村を出る朝、広場にはいつもと同じ鍋の煙が立っていた。ギルは井戸へ、ハロルドは畑へ向かい、子どもは水甕を運んでいる。ミラがいなくても仕事が止まらない光景に、少し安心した。彼女が守りたいのは、自分の目が届く範囲だけではなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。