橋板の使い道
壊れた橋から外れかけた板を、ギルが数枚取り外した。全部の橋板を剥がすのではなく、落ちて川を塞ぎそうな部分だけだ。セランは板を並べ、まだ使える厚みを測った。表は乾いているようでも、芯が黒く腐ったものがある。ミラは本数より、使える場所を聞いた。
バルドは石工の仕事の合間に板を見て、井戸の蓋には使わないよう言った。水気の多い場所へ戻せば、またすぐ傷む。ギルは仮設の通路に使いたがったが、橋の近くへ人が集まる口実になるので断られた。代わりに倉庫の棚板を補うことにした。
倉庫では種麦と食料の袋が床へ積まれ、湿気を吸っていた。板を使って袋の下へ空間を作ると、乾かす風が通りやすくなった。しかし棚が高くなれば、袋を持ち上げる人の腰へ負担がかかる。ロイは怪我をした足で運ぶ仕事を避け、低い棚の整理を引き受けた。
橋から回収した木材には、使った場所が分かるよう印を付けた。後から腐りが見つかった時、どの棚を点検するべきか知るためだ。エダは表へ修理した日を記し、ギルは自分がいなくても板の外し方が分かるよう釘の位置を教えた。
棚板を試す時、エダは軽い空袋から載せるよう頼んだ。大きな麦袋をいきなり積むと、支えの強さを確かめる間もなく崩れる。ギルは重い石を少しずつ増やして揺れを見た。棚を作る仕事には、木を切る時間と同じくらい、使い始める前の確かめが必要だった。
夕暮れ、川沿いへ戻ったミラは橋の向こうを眺めた。橋そのものはまだ直らない。けれど落ちる危険を一つ減らし、取り外した板は食料を守る棚になった。全てを元通りにすることだけが、壊れたものへの答えではなかった。




