煙の通り道
ルークの家の煙突を直す相談に、ギルは慎重だった。古い梁へ穴を広げると、屋根が弱るかもしれない。ミラは煙を出す工事が別の危険を生まないよう、セランと一緒に天井を確かめた。煤で黒くなった板の上には、冬に積もった乾いた藁が残っていた。
火の危険を知ったサラは、共同鍋のかまども点検してほしいと言った。次々に頼みが増えてギルは顔を曇らせた。「俺は三人いない」。ミラは予定の順番を勝手に入れ替えず、急ぐ理由を家ごとに聞き直した。火の回りが早い場所を先に、見た目だけの不便は後へ回す。
ギルは煙突の外側に細い管を追加する案を出したが、陶器が必要だった。近くの焼き物師は高い値を付ける。セランが使わなくなった土管を調べると、小さなひびが見つかった。安くても熱で割れるなら使えない。結局、村にある石材を組み直す方法が選ばれた。
作業の日、ルークは自分も屋根へ上がろうとした。ギルは断り、下から道具を渡す係を頼んだ。子どもを締め出すためではない。落ちた時に誰も受け止められない場所へ、役目という名目で上げないためだった。ルークは不満そうにしながらも道具の名を覚えた。
煤を払うと床へ黒い粉が落ち、ルークはそれを指で伸ばそうとした。ニーナは手を洗わせ、古い布で包んで外へ運んだ。工事の汚れで病人の部屋をまた苦しくしてはいけない。家族は修理の間、オル婆の部屋で待たせてもらい、窓から職人の手元を眺めていた。
夕方、煙は前より真っ直ぐ外へ出た。まだ風向きによって戻る日があるだろうとセランは言った。ミラは工事が終わった印を付けず、寒い日にも確かめる欄を残した。家の中で息をすることは毎日のことだった。見えない煙を減らす仕事も、村の暮らしの一部になった。




