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村づくりは、麦を数えるところから――ハルヴェ村のミラ  作者: 竜太郎


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畑の下の水

日が続けて照り、畑の上土が固くなった。ハロルドは鍬を入れながら、下の土はまだ湿っていると教えた。それでも村人は不安になり、井戸の水を畑へ運ぼうとした。ミラは飲み水を減らす前に、どこが本当に乾いているのか調べたいと頼んだ。畑の端では豆の葉が丸まり、別の畝では青々と伸びていた。


オスカーは坂の上と下で土を掘り、掌に置いて握った。下の土は塊になるが、上の土は砕ける。昨年まで同じ畑として扱っていた場所でも、水の残り方は違う。ハロルドは水の多い区画から細い溝を掘る案を出したが、隣の畑まで流れれば揉め事になる。


持ち主の二軒を呼んで話すと、片方は水を分けることに賛成し、もう片方は畑の縁を削られることを嫌がった。ミラは同意を急がせず、まず雨水が溜まる道端の窪みを測った。そこから畑へ水を引けるかどうかは、まだ分からない。


サラは畑の話に集中する人たちへ、井戸の水を先に家へ運ぶよう声を掛けた。暑い日は煮炊きと洗濯の量も変わる。飲むための水を削って畑を潤せば、秋の収穫前に人が倒れてしまう。ミラは水甕の前で、家ごとの必要量を聞き直した。


藁を敷く試験に使った畝は、日陰の時間も少し長かった。オスカーはそれを見落としていたと認め、翌朝から陽の当たり方も記録に加えた。都合のよい結果が出ても、それが藁だけの効果とは限らない。ハロルドは翌年のため、同じ高さの場所にも小さな試験区画を残した。


夕暮れ、ハロルドが豆の根元へ藁を薄く敷いた。土から水が逃げるのを少し抑えられるか、手近な畝で試すという。村人は奇跡のような成果を期待しなかった。畑の乾き方を知る人が増えれば、慌てて飲み水を空にすることは減る。それがこの日の収穫だった。

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