針の間隔
レアの仕事場では、リネが古い麻袋の縫い目をほどいていた。布を無駄にしないため、針を入れる間隔まで揃えている。レアはその正確さに驚いたが、少女は褒められると失敗を疑われたように固まった。ミラは仕事ができるかより、どのくらい続けると手が痛くなるかを先に尋ねた。
リネは長い針仕事なら慣れていると言った。それでも指先には古い傷が幾つもある。レアは午後の仕事を半分にし、残りを自分で縫った。仕事の量を減らすと、リネは自分が役立たずだと思われたのかと不安がった。レアは商品ごとの縫い方を変える作業があり、今日は覚える日だと説明した。
ティアは共同鍋の食器を洗い、サラに何度も余計な水を使わないよう注意された。山の宿では水を惜しんでいたが、この村では井戸の周辺を清潔に保つため、汚れを落とす順序を決めている。何もかも違うので、二人は疲れ果てた顔をしていた。
昼休み、ミラはリネと村外の仕事について話した。少女は峠で作った袋が誰へ売られたのか知らないと言った。レアは自分の袋を指し、「この袋ならフェルンが値段を教えてくれる」と答えた。商品を渡す先と値段が分かることに、リネは目を丸くした。
昼食のあと、レアは縫い直しのために何度も同じ袋をほどいた。リネは時間の無駄だと驚いたが、売った後に紐が切れれば買い手が困る。レアは布を拡げて力の掛かる箇所を見せた。少女は初めて、早く縫うこと以外の良い仕事の測り方を教わった。
夜、リネは初めて自分の取り分を尋ねた。まだ練習の日だから賃金はない、とレアが言いかけ、考え直した。商いに使える袋を縫った分は仕事である。二人は出来上がった袋を数え、銅貨を一緒に計算した。少女は支払いを受け取るまで何度も数を確かめていた。




