↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村づくりは、麦を数えるところから――ハルヴェ村のミラ  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
56/192

受け取るだけではない

隣村グレサから、今度は女が二人来た。獣除けの柵がうまく作れず、途中で門が傾いたという。ギルは木の切り方を聞き、使った材を見て顔をしかめた。湿った枝木をそのまま柱にしたらしい。図だけ渡しても、木の癖までは伝わらない。ミラは村へ招いて現物を見てもらうことにした。


二人は半日かけて柱を削る作業を見学し、帰り際にハルヴェの水路について質問した。向こうの村では石を敷かず、柳の枝を使って土を守るという。オスカーはその話に興味を示した。教えるだけではなく、知らない工夫を教わる機会にもなったのだ。


二人の女は柵の柱を見ながら、グレサでは古い柳を使っていると話した。乾きにくい木だが、曲がる性質を生かせる場所もあるという。ギルはすぐ試すとは言わず、実際の柱を見てみたいと答えた。自分の得意な木で何でも作ろうとする癖を、少し恥ずかしく思ったようだった。


昼食の席では、共同鍋へ食材を持ち寄る仕組みに質問が集中した。サラは最初に喧嘩したことも隠さず話し、エダが帳面を見せた。女たちは真剣に聞いたが、そのまま真似しようとは言わなかった。自分たちの村の家数や薪の事情を思い浮かべていたのだろう。ミラは帰る二人へ、困ったらまた相談しようとだけ声を掛けた。


村長は二人を昼食へ誘い、共同鍋から汁を分けた。女たちは大鍋に驚きつつ、自分たちの村でも似た試みをしたが、薪の集め方でもめたと話した。ミラはうなずいた。「うちも最初は、そうだった」。成功した部分だけを見せれば、誰でも簡単に真似できるように見える。失敗したところまで話して初めて、互いの暮らしは少し近づいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。