虫のいる葉
葉物が伸び始めた畑で、穴だらけの葉が見つかった。小さな虫が裏側に集まっている。農夫たちは葉を全て抜こうとしたが、マルタは慌てて止めた。「食べてる虫と、そうでない虫がいる」。彼女は旅の途中で畑を手伝ってきた経験から、何匹かを布の上に分けて見せた。
ミラは被害のある畝だけを調べ、何枚の葉に穴があるか数えた。虫を手で取る方法は時間がかかる。水で流すと隣の畝へ移る可能性もある。そこで小さな区画を三つ選び、手で除く場所、網を掛ける場所、何も変えない場所を比べることにした。急いで全部に手を入れず、毎日少しずつ確かめた。
畑に網を掛けると、子どもたちは虫が網の外を歩いているのを見つけた。ルークは全部捕まえようとしたが、マルタは見分けもせずに潰さないよう諭した。食べるものが違う虫もいる。ミラは葉が減った数と網の傷を別々に書き、虫の数だけで良し悪しを判断しないことにした。
ハロルドは被害の大きな葉を一枚取り、家の前で乾かして見本にした。翌日には色が変わり、穴が広がって見えた。ミラはそれをそのまま記録へ使わず、畑で見た時の様子も添えた。時間が経てば証拠の姿も変わる。マルタは失われた葉を惜しみながら、新しい芽が無事に伸びるか確かめる日を増やした。
数日後、網を掛けた畝では虫が減ったが、風が強い日に網が葉を擦って傷を付けた。ミラは網の支柱を高くし、別の畝でも様子を見た。食べられた葉は戻らない。けれど虫を恐れるあまり、畑を空にしては本末転倒だった。マルタはルークへ虫の名前を教え、少年は少し離れた草むらで同じ虫を見つけた。畑の外にも、小さな暮らしがあった。




