大きすぎる注文
商人フェルンが戻り、干し蕪の代金を届けた。額は小さいが、約束どおりだった。さらに彼は、来月までに十倍の量を用意できるかと尋ねた。隣町で保存食が不足しているらしい。サラは喜び、ニーナは顔を曇らせた。「村の分を売って、私たちは何を食べるの」。
ミラはすぐには答えなかった。倉庫の帳面を開き、春の食料と種の残りを確かめた。余剰は多くない。来月の収穫が失敗すれば、売った分を取り戻せない。フェルンには今までの二倍なら検討できると伝え、追加分は畑の様子を見てからにした。商人はがっかりしたが、約束を破られるよりよいと認めた。
注文の相談には、麻袋を縫うレアも加わった。彼女は大量の注文を受ければ針が足りなくなると指摘し、フェルンが次に持ってくる品の値段を聞いた。利益が出ても道具の交換で消えてしまうなら、続けられない。ミラは売上だけを見て喜ばず、材料と手間も同じ紙へ書いた。フェルンはそんな表を作る村に、少し呆れたようだった。
帰り際、商人は隣町で穀物を安く買える日があると教えた。しかし道の途中には壊れた橋があり、運ぶ費用を考えれば必ずしも得ではない。ミラは話を聞き、決めるのは実際の値を確かめてからにした。遠くの安さより、目の前の一食が大切な時もある。それを忘れずに商売を覚えたいと思った。
村人の中には、稼げる機会を逃したと不満を言う者もいた。ミラはその声を聞き、売れる品を増やすなら食べ物以外にも目を向けようと提案した。レアの麻袋、セランの車輪の修理、ニーナの扱う染め草。すぐには銅貨にならない。それでも村の冬を売り払わずに稼ぐ道は、他にもあるはずだった。フェルンは帰る時、次は針金を多めに持ってくると約束した。




