税の封蝋
春の終わり、郡の役所から徴税役のオルドがやって来た。村が送った橋と井戸の要望には触れず、去年と同じ税額を求めた。ベルクは古い慣習どおり頭を下げたが、ミラは倉庫の帳面を抱えて立っていた。収穫が少なく、冬に種麦を取り崩せない事情を、数字で伝えるためだった。
オルドは若い娘の説明を聞こうとしなかった。「村長が話せ」。ミラは言い返さず、帳面をベルクへ渡した。村長はゆっくりページをめくり、傷んだ麦、冬の消費、残した種の量を読み上げた。役人は税の減免は自分では決められないと答えたが、種麦をその場で持ち出すことには同意しなかった。
税の帳面を見たオルドは、麦の目方を疑った。村が勝手に減らしているのではないかという。ベルクは感情的になりかけたが、エダが量った日の記録と湿った袋の処置を示した。村人の前で一つずつ確認すると、オルドは黙って書き写した。認めたのかどうかは分からない。それでも彼の書類には、村の事情を無視しきれない数字が残った。
ミラは役人に道を見せびらかさなかった。オルドが自分で立ち止まった時、誰が直したか尋ねられたことだけ答えた。彼の仕事にも期限と命令がある。村を助けない人間だからといって、全てを敵と決めるつもりはなかった。帰りの荷車が橋を渡れないと知ると、オルドは遠回りの道を選んだ。
帰り際、オルドは村の新しい道と水甕を見た。「去年まで、こんなものはなかった」。ベルクは「村で直しました」と返した。役所からの支援は何も届いていない。それでも村は暮らしている。ミラは役人の背中を見送り、税の支払い日と不足する量を改めて記した。今日の話は勝ち負けではない。次の取り立てまでに、何を守らなければならないかが一つ明らかになった。




