土を借りる人
村の畑は家ごとに分かれ、土地のない者は日雇いで働いていた。新しく来たセランも、自分の食べ物を育てる場所はない。ミラは共同の小畑を作れないかと相談したが、ハロルドは土地を貸すことに慎重だった。以前、借りた者が畦を壊し、喧嘩になったことがある。
ベルクは古い村有地を示した。石が多く、広さも小さい。ミラはまずそこで始めようと言った。畑を使うのは希望者だけで、作業量と収穫の分け方は始める前に決める。種は共有の袋から無条件には出さず、出した分を記録する。セランは車輪仕事の合間に石を拾い、マルタは育てやすい葉物を知っていた。
共同の小畑へ持ち込む肥料について、マルタは旅先で見た方法を話した。しかし村の土に合うかどうかは分からない。ハロルドは初めから全部へ入れず、端の一畝だけ試すよう勧めた。セランは石を運んで小さな囲いを作り、畑の外から踏み込める道を残した。村人たちは仕事の合間に少しずつ手を貸した。
収穫の分け方を決める会議は、思ったより長引いた。働いた時間だけで分ければ病人が不利になる。人数だけで分ければ、畑へ出る者が納得しない。ミラは初めから完全な決まりにせず、試す期間と見直す日を設けた。土を借りた人の暮らしが続くかどうかは、収穫の季節にならなければ分からない。
最初に鍬を入れた時、土の下から大きな石が出てきた。三人がかりでも動かない。セランは石をどかす代わりに畝の線を曲げた。「こいつはここに住んでるんだろ」。ミラは笑った。土地を使えるようにすることと、土地を無理に変えることは違う。小畑はきれいな四角にはならなかったが、誰かを追い出さずに始められた。




