手の届かない橋
測量師から橋の調査計画が届いた。安全な位置から川底を測るには、専用の器具と技術者が必要で、村が払える額を超えていた。郡の補助を求めても、同じ時期に別の橋が壊れているという。ベルクは自分たちだけが見捨てられた気持ちになった。
ミラは他の村の被害を知らずに優先してほしいと訴えることをためらった。橋の向こうへ渡れない不便さは変わらないが、別の土地にも困っている人がいる。ユストへ現状と危険の記録を送り、同時に代替路の維持費を詳しく尋ねた。
オスカーは山道を使う荷の負担を調べた。急坂の補修を進めれば、橋が戻るまでの運搬は少し楽になるかもしれない。だが崩落の恐れがある場所は専門家へ相談する必要があり、そこにも費用がかかる。安く済む道を探すだけではない。
測量師の計画書には、川が増水した場合は調査を中断すると大きく書かれていた。ベルクは費用を払って中止になることを恐れたが、バルドは危険な日に続けるよりよいと説明した。ミラは契約へ延期の扱いを明記できるか尋ねた。作業を依頼する側も、受ける側も、天候で動けない時の損失を知っておきたかった。測量師からは再調整の条件を示す返事が届き、村はそれを読む時間を取った。
対岸へ回る荷には、子どもの靴も混じっていた。荷主は急がなくてよいと言い、むしろ運び手の足を心配した。ミラは荷の札へその言葉を書き添えた。届け先が大事でも、道を歩く人が傷つけば意味がない。新しい橋を待つ間にも暮らしは続くのだった。
夕方、ミラは橋へ続く道の入口で立ち止まった。遠くの対岸には明かりが見える。今はそこへまっすぐ行けない。歩けない道を嘆く代わり、今通れる道で誰が困っているかを確かめようと決めた。川は雪解けの水を運び始めていた。




