↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村づくりは、麦を数えるところから――ハルヴェ村のミラ  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
235/240

王の税ではない

村の広場に、郡都から税の督促に関する掲示が届いた。支払い期限に遅れた村へは追加の手数料が生じるという内容だ。ハルヴェには正式な猶予があるはずだったが、掲示には例外が書かれていない。ベルクは怒り、村人は再び全部払わされるのではないかと不安を募らせた。


ミラは通知の差出人と対象の期間を確かめた。紙は郡内の全村へ向けた一般の知らせで、ハルヴェ宛ての猶予の取消通知ではない。だが村人はまだ納得できない。エダは郡へ問い合わせ、猶予分の扱いを明記した返答を求めた。


返事には、追加手数料は猶予対象には適用しないと書かれていた。ただし残る通常の納税分は期限どおり必要だという。ベルクは二つの額を別々に掲示し、支払いを忘れないよう村の会計係と確認した。


掲示を読めない村人には、ベルクが夕食の前に内容を読み上げた。若い母親が『繰り延べは、払わなくてよいという意味ですか』と尋ね、エダは期限が先へ移っただけだと答えた。何度も説明したはずのことでも、忙しい日々に忘れられる。ミラは聞き返す人を笑わないよう頼んだ。税の紙一枚で冬の不安がよみがえった家もある。猶予の数字を見せるだけでなく、次の支払いまでの道筋を話す必要があった。


掲示が外された後も不安はすぐ消えなかった。だからベルクは翌週の会議でも同じ説明を繰り返した。


会議の後、若い男が『王さまは村を忘れている』と呟いた。ミラは王の考えを知っているわけではないと答えた。目の前にあるのは郡の役所が出した紙であり、確かめられる手続きだった。怒りを消すことはできなくても、誰へ何を尋ねるかは定められる。広場の掲示は翌日も風に揺れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。