↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村づくりは、麦を数えるところから――ハルヴェ村のミラ  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
223/240

山小屋の影

冬の巡回中、オスカーが山小屋の戸が開いているのを見つけた。以前は採薪に使われていたが、今は空き家のはずだ。中へ入るのは危険かもしれないと判断し、村へ戻って知らせた。ミラは持ち主を確認し、ギルと日中に外から点検することにした。


小屋の中には人の寝た跡があり、薪の欠片が落ちていた。誰かが凍えずに済んだならよかったが、炉の煙突は壊れている。火を使えば煙が逆流する危険が高かった。小屋を閉鎖する案が出たが、山で道に迷う者が避難先を失うことも心配された。


持ち主の家族は遠くに住み、すぐ修理する予定はないという。ベルクは勝手に村の避難所へ変えることはできないと説明した。ミラは小屋の危険を知らせる標識と、近くの安全な道へ向かう案内を分けて立てた。冬の間だけでも緊急の避難先を増やせないか宿主と相談する。


小屋の持ち主へ手紙を出す際、住所が古いことが分かった。今は別の町で暮らし、冬はさらに親戚の家へ移るらしい。フェルンは連絡を預かってくれる商会を探し、返事が届くまでの扱いを決めた。勝手に壁を直すことはせず、倒れそうな屋根の下へ人が寄らないよう離れた道に印を置いた。小屋へ入れなかった旅人を責める声も出たが、オスカーは危険を知らず凍えることもあると話した。ミラはどちらの不安も軽く扱わなかった。


数日後、山を通る旅人が標識を見て引き返したと知らせてくれた。小屋が空いたままでよいとは思わない。それでも誰の家でもない場所のように扱うことはできなかった。ミラは開いた戸を思い浮かべ、雪の中で助けを求める人のために、次の安全な戸口を探した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。