↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村づくりは、麦を数えるところから――ハルヴェ村のミラ  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
219/240

凍った畑の火

ハロルドが試験区画を見に行くと、畑の端で枯草が燃えた跡があった。近くに焚き火の炭が残る。畑を傷つけるつもりで火をつけたのか、寒さをしのぐためだったのか分からない。オスカーは村人に尋ね始めたが、名指しで疑う声が増えた。


ルークが、前の夕方に子どもたちが畑へ集まっていたと打ち明けた。大人に怒られるのを恐れ、火を見つけても知らせなかったという。火を使った本人は見ていない。ミラは黙っていたことを責める前に、見つけた時に大人を呼べる場所を教えた。


畑の火を見つけた日の風向きを、ハロルドは小さな石で示した。もし北風が強かったなら乾いた藁束へ燃え移っていたかもしれない。ルークはその藁束の場所をよく覚えており、子どもたちへ危険を話して聞かせた。ミラは恐怖だけで教えるのを嫌がったが、起こり得る被害を隠すこともしなかった。火を見つけた時に安全な場所から呼ぶ相手を、子どもと大人が一緒に確認した。


ハロルドは焼けた土を掘り返さず、春になって育ち具合を比べるため目印を置いた。焼けば土が良くなるという話を聞いた者もいたが、今回の火が良かったとは断定できない。種を蒔く前に状態を確かめることになった。


誰が火を使ったかは分からないままだった。ミラは報告書のそこを空欄にした。見当で名前を埋めるより、分からないことを残す方が次に確かめられる。畑の焦げ跡は雪に隠れても、杭の位置はハロルドの帳面に残った。


夜、ルークは友達に聞いた話を紙へ書き、ミラへ渡した。名前は自分で書かなかった。ミラはその配慮を認めたが、危ない火を見た時は誰がいてもすぐ知らせるよう頼んだ。犯人探しではなく、次に火が広がらないために。黒くなった畑の端には、春まで触れない杭が残った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。