雪の日の発熱
村の幼い子が熱を出し、同じ頃に隣家の老人も咳き込んだ。二人に同じ病が広がっているのかは分からない。ニーナは症状を確かめ、必要なら医師を呼べるよう手配を始めた。ミラは家々を巡ろうとしたが、ニーナは無闇に人を集めないよう注意した。
サラは食事を戸口へ届け、器を返す場所を分けた。家族が病人の世話で眠れない時には、代わりに買い物へ行く人を決める。病名が分からないまま噂だけが広がり、宿の旅人を疑う声もあった。ベルクは発症の時期を知らずに責めるのを止めた。
サラの配達に使う器は、家へ置いて帰る物と、その場で持ち帰る物を分けた。病人の家では洗う水が足りないこともある。ニーナは介護する人の手洗いに必要な分を先に確保し、食器の受け渡しで混乱しないよう助言した。発熱の知らせを聞いた商人が村を避けたいと言ったが、ベルクは安全を保証するとも危険だと決め付けるとも答えなかった。分かっている範囲の状態を伝え、旅程の判断は相手に委ねた。
雪が深くなる前に町医者へ連絡を送り、返事を待った。診察を受けた子は安静が必要とされ、老人には別の手当てが勧められた。二人は同じ扱いにしなくてよかったのだとニーナは話した。
老人の家へ出入りする人には、戻った後の手洗いと休息の時間も必要だった。サラは配達の仕事を減らし、短い間隔で様子を見る役を別に頼んだ。村の通りでは子どもが雪を丸め、病人のいない家にも普通の一日が流れていた。
ミラは共同鍋へ戻った時、席が少し空いているのを見た。誰かが病人の近くで休んでいるのかもしれない。そこへ食事を届ける役は、一人に固定しなかった。冬の日は短い。だからこそ、看病する手も息をつけるようにしたかった。




