帰りを待つ灯
オスカーの夜番を引き継ぐ青年が、家族の急病で来られなくなった。交代の仕組みは以前より整っていたが、予備の人も別の家の修理へ出ている。オスカーは一人で夜通し見張ると申し出た。ミラは礼を言い、その申し出をそのまま受け取らなかった。
ベルクは危険度の低い地点の見回りを一晩減らし、村の入口と橋への道だけ守る案を出した。しかし巡回を減らした場所に火の不始末があればどうするのか。オスカーは見回りを短くし、代わりに家々へ火元を確認してもらうよう頼んだ。
引き継ぎの時間に、若い見張りが消えた鐘の代わりに小さな笛を使いたいと提案した。しかし遠くでは風の音に紛れ、別の家畜の呼び声と似ていた。オスカーはすぐ採用せず、昼に聞こえる場所を確かめた。村の端からは分からず、結果を帳面へ残した。道具を一つ増やしたい気持ちは理解できるが、使えると思い込めばかえって知らせが遅れる。ミラは夜番の仕事を減らすための工夫が、夜番の負担を増やしていないか尋ねた。
ニーナは急病の家へ向かい、家族を落ち着かせた。重い症状があれば町医者を呼ぶ必要がある。急病のため交代に来られないことを責めないと村で決めても、代役が疲れれば別の危険が増える。ミラは仕事を減らせる場所を具体的に探した。
夜番の報告を読んだエダは、変更の理由を次の日の当番へ伝える欄を加えた。
夜半、風が止み、橋への道には人影がなかった。オスカーは予定より早く帰り、次の朝に夜の出来事を記録した。白紙の部分が多い報告だったが、ベルクは受け取った。ミラは何も起きなかった夜を、誰かが無理をした証にはしたくなかった。




