凍った薬草棚
ニーナが使う乾燥薬草の瓶に細かな氷が付いていた。蓋が緩み、湿り気が入ったらしい。中の葉は色が変わっている。処分すると冬に必要な分が足りなくなるかもしれないが、状態の分からない薬草を人へ渡すことはできない。
村会議で誰かが『少しなら大丈夫だろう』と言った。ニーナは効き目も安全も確かめられないと答え、瓶を別の場所へ下げた。ミラは不足の見通しを整理し、郡都の薬商へ購入できる量を問い合わせた。届く時期は天候に左右される。
薬商からの返事には、代わりに買える葉がいくつか記されていた。ただし効き目や扱いは同じではない。ニーナは値段だけで選ばず、町医者へ用途を問い合わせた。村の人が勝手に混ぜて飲むことを避けるため、棚の札には難しい効能を書き並べない。使えない瓶にははっきり印を付け、子どもの手が届かない場所へ移した。ミラはその間、受け取りの費用と輸送日の見通しだけを手伝った。知らない医療の判断には口を出さなかった。
サラは温かい飲み物なら用意できると言ったが、薬の代わりになるとは限らない。ニーナは必要な診察をためらわないよう伝え、症状が重い時の連絡先を再確認した。弱った人を薬棚の不足で一人にしないためだった。
確認を終えるまで、瓶の中身は交換せずに保管した。似た形の容器も別の棚へ移した。
午後、レアは瓶に布を巻いて保管する案を出した。しかし湿り気を閉じ込める危険もあると分かり、棚の置き場から見直した。使えなくなった葉の山は小さかったが、ニーナは処分した数を正確に書いた。ミラは減った在庫を眺め、数を多く見せない勇気も必要だと感じた。




