止まった粉挽き
粉屋の水路に氷が張り、水車が途中で動かなくなった。持ち込まれた麦はそのまま残り、朝食の粉を待つ家もあった。粉屋は氷を割れば回せると言ったが、セランは車輪に歪みが出ていないか確かめるべきだと止めた。水路へ人が降りれば、滑って流される危険もある。
ミラは各家に何日分の粉があるか聞いた。足りない家へ粒のまま分けても、臼を持たなければ食べられない。オル婆の家に残る小さな石臼を借りようとしたが、重くて移動できなかった。持ち主の許しを得て、家まで麦を運び、使う順番を決めることにした。
臼を使う順番で、朝が早い家と夜に働く家がぶつかった。オル婆は昔の決まりを押し付けず、明るい時間に交代できる組み合わせを提案した。臼の石粉が麦に混じらないよう、粉屋が初めに空挽きで状態を確かめる。小さな臼でも扱いを誤れば手を挟む。使う家は一度、本人から教わってから使うことになった。
粉屋は自分の仕事を奪われたと感じて不機嫌だった。サラが臼を扱う人へ少しの謝礼を提案すると、粉屋はむしろ修理のあいだ自分が臼の使い方を教えると言った。車輪が止まっている間も、粉を挽く経験は役に立つ。水路の氷は日が差す頃まで動かさなかった。
粉が挽けるようになっても、臼の貸し借りの約束は残しておいた。別の故障が来るかもしれない。
数日後、歪んだ軸の部品を見つけたギルは、無理に回していたら割れていただろうと告げた。粉屋は頬を掻き、焦った自分を認めた。修理が済んだ水車は一度に多くの麦を引き受けず、少量から動きを試した。ミラは回り始めた羽根を眺めたが、以前より速くする計画は立てなかった。止まっても食卓が続く仕組みを守りたかった。




