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村づくりは、麦を数えるところから――ハルヴェ村のミラ  作者: 竜太郎


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羊飼いの休み

ニコの山羊が囲いの扉を押し、広場へ出てしまった。大きな事故はなかったが、帰る際に井戸の足場へ近づき、見張り役を慌てさせた。ニコは扉の掛け金を掛け忘れたと謝った。しかし話を聞くと、夜に具合の悪い子山羊を見ていて一睡もしていなかった。


ベルクは家畜の担当を増やそうと言ったが、村に慣れた人間は少ない。少年ルークが手伝いたがり、ニコは餌箱の掃除ならできると答えた。ミラは動物の扱いを急に任せず、まず水桶を運ぶ安全な道を教えることにした。ニコ自身が休める時間を作らなければ、掛け金をいくら丈夫にしても同じことが起こる。


掛け金の形を変えると、今度は餌を運ぶ荷車が通りにくくなった。セランは扉を開いたまま固定する道具を作ろうとしたが、風で倒れれば動物を驚かせる。ニコと一緒に何度も開閉を確かめ、通り抜ける間だけ安全に留められる位置を探した。便利さのために新しい逃げ道を作ってはいけなかった。


オル婆は若い頃、羊飼いの一家と冬を越した話をした。見張りを頼むだけなら誰でもできそうに見えるが、具合の悪い家畜の息遣いを知るには経験が要る。ニーナは子山羊の診断はできないと断った上で、人の睡眠不足の危険を説明した。ニコは獣医のいる町へ相談できるようフェルンに伝言を頼んだ。


翌日、囲いの扉には二つの掛け金が付いた。けれど一つは手の小さい者にも扱える高さへ取り付けられた。ニコが横で見ている間だけ、ルークは餌箱を拭いた。日が傾る頃、ニコは久しぶりに昼寝をした。ミラは閉まった扉を見て、働き手を増やすことより休ませる段取りを先に考える必要を感じた。

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