呼ばれない会議
ベルクの家で会議が始まった時、若い運び手たちが一人も来ていないことに気づいた。皆、峠の荷を片付けていた。道の修理を決める会議なのに、そこを歩く人がいない。ミラは話を進める前に、集まる時刻を変えられないか尋ねた。
ベルクは忙しい者を全員待てば何も決められないと言った。そこで今日決めるのは急ぐ冬の備えだけにし、道のことは荷運びの休みの日に別の席を設けた。エダは議題を分けて書き直した。
次の集まりでは、運び手が山道の石の位置を細かく示した。地図の上では短い坂でも、荷を背負うと足元が見えない。セランは板を置く場所を変え、オスカーは霧の時の引き返し地点を提案した。
参加した若者の一人は、会議に呼ばれて初めて自分の仕事が大切なのだと感じたと話した。ベルクはうまく返事ができず、最後に礼を言った。地図を描く人と道を歩く人は、同じ場所を違う角度から見ている。
運び手の一人は字が読めず、会議の紙に何が書いてあるか分からなかった。エダは内容を声に出し、図の印も合わせて説明した。誰でも発言できるはずの席で、記録を読む人だけが有利になるのは避けたい。ベルクは決定事項を後で道の入口にも掲示し、口頭でも伝えると約束した。ミラは出席した人数だけで納得したと思わず、後から質問できる場も残すことにした。話し合いが終わると、若者たちは急いで帰らず図を見直した。質問してよい時間があることを初めて知った者もいた。
夜、ミラは会議の椅子を数えた。席を増やすだけでは、そこへ来られない人の声は届かない。村を守る話は、話せる時間を作るところから始まっていた。




