三つの家の火
冷たい風の夜、三軒の家で同時に炉の煙が逆流した。森からの風向きが変わり、煙突の口へ吹き込んだらしい。一軒では子どもが咳き込み、ニーナが外へ出すよう助言した。ミラは各家の様子を見に走った。
サラは火を弱めて窓を開けたが、別の家では寒さを嫌がって戸を閉めてしまった。ニーナは煙のある部屋に留まらないよう伝え、必要なら医者に相談できるよう備えた。冬の寒さと煙の危険を天秤に掛ける時間は短かった。
ギルは煙突の上へ簡単な覆いを付けようとした。しかしどの家も屋根の高さが違い、同じ部品は使えない。セランはまず風向きと煙の戻る時刻を記録し、危ない家では火を止められるよう別の暖を取る場所を探した。
翌日、強い風は収まった。原因を一晩で直したわけではないので、今後も戸を閉め切らないこと、煙が戻ったらすぐ離れることを各家へ伝えた。オル婆は独り暮らしの家へ声を掛けて回った。
煙が戻った家の一つは、煙突を掃除する道具を持っていなかった。ギルは長い棒を貸そうとしたが、屋根での作業は危ない。火が消えた後に専門の職人へ相談することになった。すぐ暖を取れない一家はサラの家で夕食を済ませ、寝る場所だけ安全な家へ移した。ミラは誰かを預かる家にも無理がないか確かめ、子どもが怖がっていないか尋ねた。煙を外へ逃がすために窓を開ける夜は、冬の冷たさが厳しかった。煙の出た家の子は夜になるのを怖がった。ティアは隣の部屋で一緒に座り、火を使わない遊びを教えた。
ミラは寒い家を一つずつ訪れ、同じ注意が異なる形で必要だと知った。村が温かい冬を迎えるには、薪だけでなく、空気の通り道も守らなければならなかった。




