冬の席
秋が深まると、共同鍋のそばに座れる場所が足りなくなった。外から滞在している人が増えたためだ。ベルクは広場に長い机を置こうとしたが、風が強く、雨の日には使えない。
サラは幾つもの家で鍋を分ける今の形を続けたいと言った。大鍋一つなら管理が楽だと考える人もいたが、病気の人や歩きにくい老人には遠い。ミラは席の数だけではなく、そこへ行けるかを確かめた。
ギルは家の軒先を借りて小さな風除けを作る案を出した。持ち主から許しを得た二軒で試し、火のそばに木板を置きすぎないよう注意する。座る人が増えた分、通路を狭めない位置に椅子を並べた。
ある夕方、旅人が自分の食事を他人へ譲り、遠慮して立っていた。サラは食べる分はあると伝え、座る場所がないなら運んでいくと申し出た。食事を渡した数と、安心して食べられた人の数は同じではない。
椅子を動かす時、ギルは床のわずかな段差に気づいた。大人は気にしないが、杖を使う人には足を取られる高さだった。板を一枚敷くと今度は戸が閉まりにくくなり、削り直しが必要になった。軒を貸した家の主人は、火の気が近くならないことだけは譲れないと言った。サラは座る人数を少なめに決め、混み始めたら別の鍋へ案内することにした。大きな広間を作るより、複数の小さな場所を保つ方が今は確かだった。食事の終わりには椅子を戻す人が必要だった。老人に重い椅子を持たせないよう、サラは片付ける役を先に決めた。
夜、軒の下で湯気が上がった。大きな食堂はなくても、座れる場所が少し増えた。ミラは風除けの隙間を見ながら、寒くなる前にもう一度点検しようと決めた。




