↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村づくりは、麦を数えるところから――ハルヴェ村のミラ  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
158/228

冬の席

秋が深まると、共同鍋のそばに座れる場所が足りなくなった。外から滞在している人が増えたためだ。ベルクは広場に長い机を置こうとしたが、風が強く、雨の日には使えない。


サラは幾つもの家で鍋を分ける今の形を続けたいと言った。大鍋一つなら管理が楽だと考える人もいたが、病気の人や歩きにくい老人には遠い。ミラは席の数だけではなく、そこへ行けるかを確かめた。


ギルは家の軒先を借りて小さな風除けを作る案を出した。持ち主から許しを得た二軒で試し、火のそばに木板を置きすぎないよう注意する。座る人が増えた分、通路を狭めない位置に椅子を並べた。


ある夕方、旅人が自分の食事を他人へ譲り、遠慮して立っていた。サラは食べる分はあると伝え、座る場所がないなら運んでいくと申し出た。食事を渡した数と、安心して食べられた人の数は同じではない。


椅子を動かす時、ギルは床のわずかな段差に気づいた。大人は気にしないが、杖を使う人には足を取られる高さだった。板を一枚敷くと今度は戸が閉まりにくくなり、削り直しが必要になった。軒を貸した家の主人は、火の気が近くならないことだけは譲れないと言った。サラは座る人数を少なめに決め、混み始めたら別の鍋へ案内することにした。大きな広間を作るより、複数の小さな場所を保つ方が今は確かだった。食事の終わりには椅子を戻す人が必要だった。老人に重い椅子を持たせないよう、サラは片付ける役を先に決めた。


夜、軒の下で湯気が上がった。大きな食堂はなくても、座れる場所が少し増えた。ミラは風除けの隙間を見ながら、寒くなる前にもう一度点検しようと決めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。