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村づくりは、麦を数えるところから――ハルヴェ村のミラ  作者: 竜太郎


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収穫の分け前

共同小畑で採れた豆をどう分けるか、村会議が揉めた。耕した人だけが受け取るべきだと言う声と、種や水を出した家にも分けるべきだと言う声があった。ミラは収穫量を数える前に、春にどんな約束をしたか尋ねた。


記録には『困っている家のため』とだけある。誰がどれほど困っているかを広場で決めれば、家の事情を皆の前で話すことになる。エダは個別に希望を受け付け、余った分の使い方を後で相談する案を出した。


作業した若者の一人は、せめて来年の種を最初に残してほしいと頼んだ。ハロルドも賛成した。収穫を全部食べれば冬は楽になるが、春は苦しくなる。豆を乾かし、種向きの粒を選ぶ仕事から始まった。


配った豆は均等ではなかった。幼い子の多い家が多く受け取り、畑を持つ家は少なかった。理由を聞かれても個々の事情は明かさず、基準だけを村へ伝えた。異議があれば別の席で聞くことにした。


豆を受け取る家の数を決める時、サラは共同鍋で使う分も少し欲しいと頼んだ。収穫を育てた人の中には直接食べたい者もいたが、鍋に入れば足の悪い人へ届く。ミラは食べる場所ごとに分け前を隠さないよう、配った量だけ公開した。名前を出さずとも、全体の豆がどこへ行ったかは確かめられる。余った殻は畑へ戻すか家畜に使うかで相談が続き、今年は試す分だけを残した。種を選んだ若者は、食卓へ回した豆を惜しがりながらも、来春の畑に必要な一袋を自分で棚へ載せた。


夜、作業した人たちへ温かい豆の汁が振る舞われた。報酬とは別の小さな礼だった。ミラは空の鉢を洗いながら、皆で育てたものほど約束を丁寧にしなければと感じた。

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