小さな欠勤
畑の刈り取り日に、働き手が三人来なかった。誰かが怠けたと怒る声が上がったが、事情はそれぞれ違った。一人は熱を出した子の看病、もう一人は水車の故障、最後の一人は足の腫れで歩けなかった。
ミラは誰かを責める前に、今日やらなくては困る作業を分けた。乾いた畑は翌日でもよいが、雨の予報がある区画は急ぐ。ハロルドは順番を替え、若者たちへ休憩の時間を告げた。
欠けた人の分まで同じ速さで働こうとした者が、夕方には手を震わせた。サラは温かい汁を配り、作業をそこで切り上げさせた。刈り残しは明日へ回す。その代わり雨が降れば濡れるかもしれないが、人が倒れる危険も現実だった。
病人の家にはニーナが訪れ、水車へはギルが向かった。足を痛めた者には明日運ぶ荷の仕分けを頼めるか相談した。休んだ人が戻るまでの穴を、皆で少しずつ埋める形ができていった。
ハロルドは畑の端に刈り残した穂を見て、眠れないほど悔しかったとこぼした。仕事を減らすのが正しいと頭では分かっていても、長く育てた作物を置くのはつらい。ミラは簡単な励ましを言えず、彼の隣で雨雲を見上げた。翌日の刈り手たちは、前日の疲れが残る者を無理に呼ばなかった。雨で傷んだ穂を別にする手間も増えたが、刈れた分を確実に乾かすことを優先した。惜しさは次の畑へ持っていける。翌朝の仕事場に来た三人は、昨日の噂を聞いて気まずそうにしていた。ハロルドは事情を聞かずに怒ったことを詫びた。
翌朝、雨は畑の端だけを濡らした。収穫にはわずかな損が出たが、誰も怪我をしなかった。ミラは損失を帳面に隠さず書き、来年は欠員が出る前提で日程を考えるようハロルドへ伝えた。




