山道の境
山道の途中で、隣の領主の紋章が入った古い杭が見つかった。フェルンはこの辺りの通行税が変わるかもしれないと心配した。今までは誰も立ち止まらなかった場所だが、杭があるだけで土地の持ち主を決めてよいのか分からない。
ベルクは古い地図を探し、ユストへ問い合わせる手紙を用意した。グレサの代表にも知らせ、双方が勝手に杭を抜かないよう確かめる。ミラは荷運びの安全とは別に、法の問題として扱う必要があると考えた。
若い運び手は、税を取られるなら別の細道を通ると言った。しかしそちらは落石が多い。オスカーは少なくとも調査が終わるまで危ない近道を使わないよう頼み、いつもの休憩場所に注意を書いた札を立てた。
数日後、老いた木樵が杭を昔から見ていたと証言した。山仕事の区切りに使われていた可能性もあるという。皆が話す記憶は少しずつ違い、どれも確かな証拠とは言えなかった。ベルクは誰の言葉も捨てず、年月を書き添えた。
杭の周りの草を払おうとした時、木樵はそのままにしてほしいと言った。杭が抜けかけているかどうか分からなくなるからだ。オスカーは人がつまずかない位置へ縄を回し、杭そのものには触れなかった。グレサとの境界話を思い出す者もいたが、この杭は別の場所の別の問題である。ミラは似た争いだからと混ぜて扱わないよう念を押した。山道の安全を確保しながら、土地の権利は必要な人へ確かめることになった。
山道は今日も人が歩く。ミラは杭を見に行った帰り、荷運びの足音を聞いた。地図の線を動かす前に、そこを歩く人が怪我をしないようにする。その仕事は境界の答えを待たずに続けられた。




