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村づくりは、麦を数えるところから――ハルヴェ村のミラ  作者: 竜太郎


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鳥の知らせ

畑の上を黒い鳥の群れが回り始めた。ハロルドは熟した穂を狙っていると考え、子どもたちに追い払わせようとした。だがルークは群れが畑より川岸へ降りていると気づいた。ミラは鳥の動く先を遠くから確かめた。


河原には増水で運ばれた魚の死骸が散らばっていた。鳥はそれをついばんでいたらしい。腐った魚を拾おうとした子どもをオスカーが止め、川岸の低い場所へ近づかないよう紐を張った。大きな危険の理由を知らないまま脅すことはしなかった。


ニコは鳥が畑へ移るかもしれないと心配した。ハロルドは穂を覆う網を試したが、風でめくれて苗を倒した。そこで狭い区画だけに使い、鳥の被害が本当に増えるか観察することにした。


数日後、鳥は群れごと下流へ移った。畑の麦は大きな被害を受けていない。子どもは鳥を追い回す役を免れ、代わりに畦道の石を片付けた。仕事は増えたり減ったりするが、思い込みで始めた仕事は人を疲れさせる。


川岸から漂う匂いは風向きによって変わった。オスカーは河原へ人を近づけないようにし、死骸が流れ出る場所を上から眺めた。処理のために水に入るのは危険なので、岸から届く範囲だけ様子を見る。鳥を追い払うと腐ったものを運び去る働きも失うのではないかという声があり、むやみに追わないことにした。子どもは石を投げようとしたが、ニコが山羊の世話を手伝ってくれと誘い、鳥から離した。


朝空が静かになると、ハロルドは少し拍子抜けした顔をした。ミラは笑いながら、鳥が何を食べているかを先に見てよかったと言った。空を見上げることも、畑を守る仕事だった。

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