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村づくりは、麦を数えるところから――ハルヴェ村のミラ  作者: 竜太郎


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修理を待つ板

川の橋を見に行ったギルは、残った橋桁の下から乾いた音がするのを聞いた。以前より木が割れている。通行止めの札があるから安全だと考えず、オスカーへ知らせた。見張りは川岸に近づく子どもへ声を掛けた。


バルドは石脚の状態が悪く、木だけ取り替えても荷車は通せないと言った。セランが使える板の長さを記録する一方、古い橋を解体するにも危険があると分かった。費用の計算より先に作業方法を考える必要があった。


ベルクは郡の支援を待つことに苛立ち、村人だけで直せないかと漏らした。ミラは橋を渡れない不便を認めながら、慣れない工事で死者を出すことはできないと答えた。村の腕のある職人たちも、川底の石を扱う専門家ではない。


フェルンは別の街で橋を建てる職人を知っていると話した。会うだけでも旅費がかかるため、まず寸法と増水の記録を送る。間違った見積もりで村の備蓄を削らないよう、相談する範囲を決めた。


橋の手前では草が伸び、以前の踏み跡を覆い始めていた。土地に慣れない旅人は、草の下を道だと思って進みかねない。オスカーは危険な入り口を見回り、杭の位置を変えた。ギルは古い木材を触る時にも手袋を使い、見えない割れ目で指を切らないようにした。新しい橋を夢見る村人の話は止まらなかったが、今できる仕事は通れない場所を知らせることだった。川は人の相談など知らないように流れていた。


夕暮れ、壊れた橋の向こうを荷車が通っていった。昔なら近道だった。ギルは指で割れた木目をなぞり、戻れないものもあると呟いた。ミラは橋を諦めたわけではない。ただ、完成していない道を完成したと呼ばないことにした。

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