↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村づくりは、麦を数えるところから――ハルヴェ村のミラ  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
129/192

壁の裏の音

夜番のオスカーが、古い倉庫の壁から小さな音がすると報告した。鼠だろうと誰も驚かなかったが、エダは今年の麦がそこへ置かれていることを気にした。ミラは食料を全部運び出す前に、どこから入り込んだか調べるよう頼んだ。


ギルが板の隙間を外すと、壁の向こうから乾いた泥が落ちた。外側に掘られた穴が基礎まで延びている。簡単に塞ぐと中の湿気が抜けなくなる恐れがあり、袋を別の棚へ移し、日中に風を通してから補修することになった。


作業中、去年から残っていた古い袋も見つかった。表の印が消えており、食べ物か種か分からない。ハロルドは匂いだけで判断しないと決め、傷んだ分を分けた。鼠を追い払う仕事が、忘れていた在庫の確かめ直しに変わった。


ニコは山羊小屋の周りにも同じ穴があると話した。そこで村中を一斉に掘り返す案が出たが、ベルクは家の持ち主に相談せずに進めないと告げた。各家が見つけた場所を地図へ記し、危険の大きい所から人手を回す。


穴の近くには細かな粒が散っていた。サラは床に落ちた分を拾い集めようとしたが、ニーナは汚れた麦を鍋へ戻さないよう頼んだ。鼠の通り道にあったものは、安全とは言えない。村人は惜しがりながら別に取り分け、家畜に回せるかも慎重に調べることにした。ギルは穴の周囲の土が沈んでいることにも気づき、棚を一つ後ろへ動かした。床板が弱いまま重い袋を積めば、別の事故になりかねない。修理は入口から順に進められた。


夜、オスカーはまた壁に耳を寄せた。音は消えたが、それだけで倉庫が安全とは言い切れない。ミラは新しい板に補修日を書いた。問題が静かになった後にも、見張る人の仕事は残っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。