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村づくりは、麦を数えるところから――ハルヴェ村のミラ  作者: 竜太郎


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小麦の色

早穂を刈った畑の脇で、残した麦の穂先が妙な色になっていた。ハロルドは虫か病か判断できず、今年の収穫を急いだ方がよいと声を上げた。ミラは全部を刈る前に、色の違う株がどの場所へ集まっているか確かめた。


低い畑の隅だけ葉が黄ばんでいた。ニーナは前日の水溜まりを覚えており、ハロルドは別の畑でも同じ時期に肥料を入れたと話した。原因を一つに決められないので、倒れた株と元気な株を別々に抜き、土の湿り具合を記録する。


色の悪い麦を倉庫へ混ぜるのは避け、少量だけ乾燥棚で様子を見た。オル婆は変な匂いの粒を食べないよう忠告した。食べられそうだという言葉と、安全を確かめたという言葉は違う。サラは鍋に使う麦を今までの備蓄から出した。


畑仕事の時間は増えたが、刈り手を休ませる日を動かさなかった。若い者だけで遅くまで続けようとする声もあり、ベルクは日暮れの作業を止めた。無理な収穫で人が倒れれば、残した穂より多くを失う。


畑の持ち主の妻は、悪い麦を刈るのを拒んだ。ここだけ残しておけば次の雨で持ち直すかもしれないと言う。ハロルドは焦ったが、ミラは彼女が管理する畑であることを忘れないよう諭した。傷んだ穂から一歩離れた場所に杭を打ち、比較するための列だけ刈らずに残す。ニコは鳥に食われないか心配して網を持ってきたが、覆えば日差しも変わると指摘された。何を試したか分からなくならないよう、道具を置く位置まで記した。


夕方、黄ばんだ麦のそばに白い札が立った。そこだけが悪くなるなら水の道を見直せるかもしれない。遠くの豊作話は村へ届いていたが、ミラの手の中にあるのは、まだ理由の分からない数本の穂だった。

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