↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村づくりは、麦を数えるところから――ハルヴェ村のミラ  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
114/180

朝の泥

夜が明けると、川辺の道は泥に覆われていた。橋の手前の通行止め札は残ったが、赤い布は引き裂かれている。ハロルドの畑の低い部分には水が溜まり、若い作物の葉が倒れていた。ミラは被害を数えようとしたが、まず人の家と家畜小屋へ向かった。


オスカーが家を一軒ずつ確かめ、誰も夜に川へ出ていないことを確認した。ニコの山羊は無事だったが、敷料が濡れていた。サラは共同の食事を少し早く出し、片付けに行く人が空腹のまま働かないようにした。水が引くまで、川辺の道は閉じたままにした。


昼過ぎ、泥を落としながらギルが橋を見た。板を支えていた古い石が一つ流され、修理の費用はさらに増えるらしい。ミラは落胆した。今まで積み重ねた工夫が一晩で消えたように感じたが、通行止めを守ったから怪我人はいなかった。


グレサから人が来て、柳の近くで川岸が削られたと知らせた。境界石の位置は変わり、夏の話し合いで描いた地図も修正が必要になった。ベルクは争いの続きを始める前に、安全な道を確かめようと提案した。長老も同意した。


サラは泥で滑った農夫の膝を洗い、深い傷がないことを確かめた。怪我人はいないと報告した後でも、転びかけた人はいた。ミラはその話を聞き、道の一部をもう一日閉じることにした。被害が小さかったから危険も小さいとは限らない。朝の光で見える土の傷は、夜より深かった。


夕方、泥の中からルークが小さな木札を拾った。かつて倉庫の袋へ付けていたものだ。水に濡れて文字は消えていたが、彼は洗って持ち帰った。ミラは新しい札を作るつもりでいた。流された物を全部戻すことはできない。それでも今日残ったものを、明日へ渡していくしかなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。