火の番の交代
小さな鍋を幾つも使うようになると、かまどの火の番が増えた。サラの手伝いをしていたティアが夕方まで立ち続け、足の傷がまた痛み出した。ミラは彼女へ休むよう伝えたが、ティアは妹の世話になった分を返したいと言う。感謝の気持ちが働きすぎる理由になるのは困ったことだった。
サラは鍋ごとに担当を決める代わり、火を付ける時刻をずらすことにした。薪を運ぶニコは午前に仕事があり、レアは針仕事を終えた後なら見られる。エダは家々の予定を集めたが、書いた通りに人が動ける日は少ない。雨の日、病人の出た日、家畜が逃げた日。それぞれに代わりの手が必要だった。
ある夜、鍋を見ていた若者が眠りかけ、火が強くなった。幸い気づいて薪を引いたが、危ないところだった。ベルクは責めるのでなく、交代が遅れた原因を聞いた。予定の相手が来るまで、一人で待っていたらしい。引き継ぎができない時は火を弱める約束を新たに作った。
オル婆は昔、各家が小さな鍋で煮炊きしていた話をした。共同鍋がなかった頃は、病人の家へ食事を運ぶのが難しかったという。古い形へ戻すだけでは失うものもある。サラは「鍋が大きいか小さいかより、食べられることだね」と笑った。
交代の約束を書いた板は、かまどの煙で黒くなり、二日目には読みにくくなった。サラは少し離れた壁へ掛け直したが、今度は鍋を見ている人から見えない。ティアが短い紙を手元へ貼り、細かな予定は別の板に残す方法を考えた。書く内容が多すぎても、使う時に役立たないことがある。
ミラは村の食事を一人の腕へ預けないことを考えた。サラの味付けが好きな子どもは残念がったが、ティアの薄い汁にも慣れていった。小さな違いを受け入れる時間が、かまどの周りにゆっくり流れた。




