博愛の女神ダーリア
神殿の治療所は患者で溢れていた。
「はい、これで大丈夫ですよ」
ダーリアが治療に来ていた中年男性に言った。
「ダーリア様!ありがとうございました!」
「お気をつけくださいね」
ダーリアがまさに女神のような笑みを浮かべる。
「ダーリア様、お客様です」
お手伝いの信者が声をかける。
「通してくれる・・・あ、オルトリンデ?」
「こんにちは、ダーリア」
オルトリンデは手を上げて挨拶をする。
「どうしたの?」
「ああ、仕事の邪魔しちゃあ悪いし、そこの酒場で待ってるから、終わったら来てくれない?」
「フフ、いいわ、オルトリンデと飲みたかったし」
日が沈む頃、神殿の治療所の仕事が終わったダーリアが、オルトリンデの待つ酒場にやってくる。
「お待たせ、オルトリンデ!」
ダーリアが先程とは違う、ラフな出で立ちでやって来た。
「おお!お疲れ様!」
「お腹ペコペコよ〜、あ、すみません!唐揚げ3つと、エールください!」
「相変わらずよく食うね〜」
「どれだけ働かせるんだって思うわ、これだけ働いて1日たったの銀貨8枚って、なめてる?なめてるよね?ねぇ、オルトリンデ!」
ダーリアはキセルに火をつける。
「まあ、そうね〜」
ーーーコイツ、ホントに変わってねぇ・・・
「乾杯〜!んぐ!んぐ!プハァ〜!この一杯に生きてるわぁ!」
ダーリアがエールを一気に呷る。
「お待たせしました、唐揚げです」
店員が唐揚げを持ってくる。
「うはぁ〜!来た来た〜!」
ダーリアは唐揚げを1個丸々、口に放り込んだ。
「はふ、はふ、んぐ、んぐ、うま!」
ここで口の唐揚げをエールで流し込む。
「いやぁ~!その食べっぷりも久々に見たわ!」
オルトリンデが大笑いする。
「普段の女神様が、唐揚げにエール、キセルまで吸ってる!」
「何を言われようと、私だって人間だからね」
ダーリアはもう一つ唐揚げをほお張った。
「アンタの好きなところは、自分に正直なところかな」
オルトリンデが微笑みかける。
「そうよ〜、オルトリンデもよく顔に出てるよ、例えば、英雄になったことをよく思ってないとか」
「だね〜、バレてたの?」
「そりゃあわかるわよ・・・でもね、あなたに嫉妬してるのよ」
ダーリアが寂しそうに笑う。
「嫉妬される覚えはないけど」
「あなたみたいに、言いたいこと言って、自由に生きてみたい・・・」
ダーリアが頬杖をついた。
「え〜!そんなふうに見える!?」
オルトリンデは驚愕した。
「見えるよ〜!でも、モテないところは似たくないけどね!」
ーーーカチン・・・この猫被りが!
「ところでね、今日来たのは・・・」
オルトリンデはダーリアに回顧録の件を説明した。
「へぇ~!面白そうね」
ダーリアがキセルの煙を吐き出した。
「え!?」
オルトリンデが目を見開いて驚く。
「なによ?」
「初めて言われたわ」
「だって、11英雄ってバカばっかりだから、面白いと思うよ!」
「それで思い出した!ジェイラス、アイツに何度体を触られたことか!お前なんて眼中にねぇよ!」
「それにカルロ!前衛で戦えですってぇ!やらねぇよ!その分どんだけの人間救ったと思ってんだよ!」
ーーーカルロ、人気ねぇなぁ〜。




