烈火のダンテ
「新居、デカ過ぎでしょ」
オルトリンデはダンテの屋敷前にいた。
「お待ちしておりました、どうぞこちらへ」
執事が屋敷の門を開いて、オルトリンデを出迎える。
「あ、ありがとう」
ーーー執事まで、アルが怒るわけだ・・・
執事がオルトリンデを客間に案内する。
広く、掃除も行き届いたおしゃれな部屋である。
ーーーカレルヴァを入れたくないでしょうね。
「待たせたな、オルトリンデ」
ダンテが部屋に入ってくる。
「忙しいのに、時間作ってもらって、ごめんなさいね」
オルトリンデは頭を下げた。
「かまわん、まあ、掛けてくれ」
「凄い屋敷ね、宮廷魔導士って儲かるの?」
オルトリンデは部屋を見回した。
「相変わらず、口の悪いお嬢ちゃんだ」
「田舎育ちの弊害かしらね」
「まがりなりにも、"英知"なんだろう?口を慎め」
「ご忠告、痛み入ります」
「で、私に何の用だ?お前のことだから、ろくな話じゃないのだろう?」
「まあ、それは心外ですわ、私、11英雄の回顧録を書こうと思いまして、是非ともご協力を」
「・・・まあいい、紅茶、飲んでくれ」
執事が2人に紅茶を淹れる。
「レオと戦った英雄は優遇されてるって本当?あ、気を悪くしないでね、噂で聞いただけだから」
「お前は、昔から誰にも物怖じしない性格だったな。俺はそういうところ、嫌いでは無いがな」
「アルレットを何で王都から放り出したの?」
オルトリンデは不敵な笑みを浮かべた。
「・・・フフ、フハハハ!オルトリンデ、それの話を今更掘り起こして何になる?」
「私は、英雄になりたかったわけじゃないし、今でも自分を英雄と思ってないわ」
「だけどね、命を掛けてロザシェラを守ったのは皆同じよね?待遇に差があるのはどうかと思うわ」
「オルトリンデ、お前は頭が良すぎる、仮にも英知を名乗る英雄なら、処世術も必要だと知るべきだ」
「そうね、昔から私って、そういうところあるわね」
「だけどね、ダンテ、私、怖いものなんて無いし、誰も私を止められないよ」
「相変わらずの自信家だな、確かに、レオはお前を恐れている節がある、私から見ても、並の魔法使いではないと一目でわかる」
「だが、過信は身を滅ぼすぞ」
ダンテが凄まじい殺気でオルトリンデを睨みつける。
「うわ!この紅茶、めちゃくちゃ高級なやつよね?」
オルトリンデが紅茶を一口飲むと、急に叫び声を上げた。
「フッ!お前の蛇のようなしつこさも知っている、隠しごとしても、面倒になるだけだな」
ダンテも紅茶をすする。
「お前の言うとおりだ、レオは聖剣に選ばれた男、奴に取り入った人間は地位、名誉、金が保証される」
「だが、これは君主が決めたことだ」
「まあ、そうよね、何となく分かってたわ、だからアルレットを放り出したのね?」
「私に非がないとは言わん、同意したからな、しかし、アルレットの件で最も裏で動いたのはカルロだ」
「へぇ~!ダンテが仲間を売るなんてね〜」
「アイツを仲間と思っていない。気をつけろ、奴は一番厄介だ、下手をすると寝首をかかれるぞ」
「まあ、私もアイツ、嫌いだな〜」
「その点では気が合うな、クッキー食べるか?」
「いただくわ!ありがとう!」
ーーーカルロ、やっぱりそうか・・・




