神速のアルレット
「アル、アル!」
オルトリンデが酔いつぶれて寝ているアルレットを起こす。
「んあ?あ〜、オリン、どうしたの?・・・ん?てか、何でいんのよ」
アルレットが寝ぼけながら話す。
「元気してた?」
「そこそこ元気よ〜」
「警備隊の訓練指導、続けてるんだ」
「まあね、いつ戦争になるかわかんないし」
アルレットはテーブルの上に置いてあった酒を呷る。
「カルロとダンテに王都から放り出されて、ムキになってなきゃいいけど?」
「あんなアホ共どうでもいいわ、私に勝てないからって・・・なんてケツの穴の小さい奴ら」
「アンタの方が、戦場ではよっぽど頼りになる・・・信用してないけどね」
「アルは相変わらず手厳しいなぁ〜」
「で?何しに来たの?」
「11英雄の回顧録を作ろうかと思ってね」
「ヒマなの?」
「ホント、容赦無いなぁ、久し振りなんだから、もうちょっと歓迎してよ〜」
「ヒマなら北の大地に攻撃魔法を数発ブチ込んできてよ」
「アル、何か変わった?そんなにお酒飲んでたっけ?」
「・・・レオのボケが、訓練費を減らしてきやがった」
「ええ〜!?」
「11英雄内でも上下あるなんてさぁ、こんなんなら英雄とかなりたくねぇし・・・」
「まあ、いいや、そんなこと、オリン、今日は付き合えよ」
「いいよ、とことんやろう!」
2人は酒場で久し振りに食事をすることになった。
「覚えてる?アマロ大橋の防衛戦」
オルトリンデがエールのジョッキを片手に言った。
「ああ!あれはヤバかった、そうそう!アンタあの時、どうやって魔物軍の後ろに回り込んだのさ!?」
「えっと、船漕いで・・・?」
「へぇ~!よく間に合ったよな」
「そ、そうそう!頑張ったよ〜アルのピンチだからね!」
「でも、あの大橋を守ってくれたから、王都が無事だったんだよ」
「そう!あん時、カルロのオッサンが遅れて来やがったんだ!」
「アイツ、自分の二つ名が疾風で、あたいが神速なのをずっとブツブツ言ってやがったから、ワザと遅れて来やがったんだ!超ムカつく!」
オルトリンデは地雷を踏んだ気分になった。
ーーーあれぇ、アルってこんなに酒癖悪かったっけ?




