第06話「峠を越える」
【グランゼ辺境 幻の回廊 踏査初日】
手持ち …… 銀貨六、銅貨十八(増減なし)
積荷 …… 岩塩(荷車一台、麻袋にして二十)
護衛 …… ヴォルク(一名)
回廊 通行記録 …… なし(直近三十年)
想定所要 …… 徒歩・荷車にて二日(北回り正規路の十五分の一)
特記───「地図に線は残っている。道が残っているとは、誰も言っていない」
「行くぞ」の一言に、車輪の軋みが応えた。
積み上げた麻袋が、荷車の軋みに合わせてかすかに揺れる。この白い塊が、種銭の全てだった。村の男たちの見送る目を背に受けながら、荷車は塩害地の外れ、灌木の切れ目へと進んだ。そこから先は、地図の上にしか存在しない道だった。
踏み固められた轍はどこにもない。膝丈まで伸びた下草が、車輪の前で次々になぎ倒されていく。ヴォルクが先頭に立ち、剣の柄で下生えを払いながら進路を切り開いた。土の匂いに、朽ちた葉の湿った匂いが混じっていた。
「戻る道は、覚えとけよ坊主」ヴォルクが振り返らずに言った。「この藪じゃ、来た跡もすぐ消える」
戻れ、とは言わなかった。ただ、戻り道を覚えておけと言った。その一言に、この男の性根が出ている。
一度だけ、振り返った。塩害地の白い地面の向こうに、テラ村の煙突がまばらに霞んでいる。見送りに出た男たちの姿は、もう豆粒ほどにしか見えなかった。表情までは分からない。それでも、この背中を見送る目の中に、諦めとは違う何かが混じっていたことだけは、確かに覚えている。
岩塩は、六割を差し出せば正規の道で売れる。だが、六割を差し出した先に残るのは、種を蒔いただけで刈り取られる畑と同じだ。回り道は危険を孕むが、代官の掌の外に出る唯一の道でもあった。戻れば、また同じ数字を突きつけられるだけだ。
前に進むしかない。
道の端々に、かつて人の手が入っていた痕跡が残っていた。苔むした石が等間隔に並ぶ場所は、道標の名残だろう。朽ち果てた木箱の断片が、下生えに埋もれて転がっている。荷を運んでいた誰かが、ここで何かを落としたか、捨てたか。三十年という歳月は、人の営みを土に還すには十分すぎる長さだった。
半刻ほど進んだところで、道の様相が変わった。かつて石畳だったと分かる痕跡が、苔と土砂の下からわずかに顔を覗かせている。ヴォルクが足を止め、拳を上げた。
「止まれ」
短い合図に、荷車も止まる。
風が止んでいた。さっきまで耳元を掠めていた葉擦れの音が、ふつりと消えている。
「――獣か」
「かもな」ヴォルクは剣の柄に手をかけたまま、鼻先だけを動かした。「それにしちゃ、匂いが妙だ」
前方の茂みが、大きく揺れた。飛び出してきたのは、体高が馬ほどもある灰色の獣だった。牙の並びが、犬にしては明らかに多い。低く唸る喉の奥から、白い息が漏れていた。
「山狼か。街道じゃとうに狩り尽くされてる面だな」ヴォルクは笑うと、剣を抜いた。「三十年も人を見てねえ獣は、そりゃあ図体もでかくなる」
考える間もなく、ヴォルクが前に出た。俺にできることは何もない。剣も魔法も持たない身は、荷車の陰に伏せて、成り行きを見守るしかなかった。この男の背中に、村ひとつ分の賭け金がかかっている。そう思うと、握った拳から力が抜けなかった。
山狼が地を蹴った。跳躍の軌道を、ヴォルクは半歩だけ体をずらしてかわす。無駄のない動きだった。流れの傭兵にしては、あまりに洗練されすぎている足運びだ。街道で一度見た型が、今はもっとはっきりと見て取れた。
刃が唸り、獣の悲鳴が峠道に反響した。長くはかからなかった。ヴォルクは血振るいをして剣を納めると、荷車の傍らに戻ってくる。息一つ乱れていなかった。
「大したことねえよ。数さえ揃ってなけりゃな」
「数が揃っていたら」
「そんときゃ、坊主も荷車を捨てて走る覚悟を決めるこったな」
軽口のつもりだろうが、笑えなかった。もし今、群れで来られていたら――そこから先を考えるのはやめた。今は、無事だったという事実だけで十分だ。
事切れた山狼の脇を通り過ぎるとき、灰色の毛並みに交じった古い傷跡が目に入った。この獣もまた、荒れた土地で幾度となく生き延びてきたのだろう。誰にも知られないまま。
陽が傾き始める頃には、荷車の車輪から軋む音が混じるようになった。慣れない道を、慣れない重さで引き続けた分の代償だ。
「まだ半分てとこか」ヴォルクが空を見上げて言った。「今日中には抜けきれねえな」
「野営、ということか」
「文句あるか」
ないと言うと、ヴォルクは短く笑って、荷車の先を指差した。開けた岩棚が、少し先に見えている。今夜はそこで火を囲むことになりそうだった。
岩棚に荷車を寄せ、火を熾した。乾いた枝は峠道のあちこちに落ちていて、集めるのに苦労はなかった。
焚き火の傍らで、ヴォルクは携行の干し肉を無造作にちぎり、半分を放って寄越した。噛むと、塩気の強い硬さが顎に応える。空きっ腹には、それだけで十分な馳走だった。峠を渡る風に、木の焼ける匂いと、荷車に積んだ岩塩のかすかな匂いが混じっていた。
「食え。腹が減ってちゃ、明日は歩けねえぞ」
「世話になる」
「礼はいらねえよ。護衛の仕事だ」ヴォルクは焚き火に薪を足しながら、片頬で笑った。「それより坊主、聞いていいか」
「何だ」
「六割を蹴って、こんな道を選んでよ。……怖くねえのか」
思いがけない問いだった。ヴォルクの声に、からかいの色はない。
「怖い、というのとは違う」少し考えて、言葉を選んだ。「分の悪い賭けだとは思っている。だが、賭けないという選択肢は、もっと分が悪い」
「賭けない方が分が悪い、ね」ヴォルクは干し肉を噛みちぎりながら鼻を鳴らした。「面白え理屈だ」
「動かなければ、六割を毎年差し出し続けるだけの村になる。何も変わらないまま、緩やかに死んでいくだけだ。それなら、まだ分の悪い賭けの方がいい」
「賭けの中身は、坊主一人の懐じゃ済まねえけどな」ヴォルクは干し肉の残りを口に放り込んだ。「村の男たちが積んだ荷だ。空手で帰ったら、村中から石を投げられるぞ」
「分かっている」
「分かってて、その面かよ」ヴォルクは呆れたように笑ったが、声に咎める響きはなかった。「まあ、腹は据わってるみてえだな。安心した」
「安心する材料が、どこにあった」
「面じゃねえよ、坊主。荷を担いだ村の連中の顔を見たか。あんな顔をさせられる領主が、悪党なわけねえだろうが」ヴォルクは焚き火に小枝を放り込んだ。爆ぜた火の粉が、闇に短い光の筋を描いた。
火の粉が、夜空に舞い上がって消えた。見上げると、峠の稜線の向こうに、街では見たことのない密度で星が散らばっている。灯りのない土地だからこそ見える光だった。前世で見上げた夜空は、いつも街の灯りに霞んでいた。星の本当の数を、俺はこの体になって初めて知った。
「――俺の生まれた国も、似たようなもんだったよ」ヴォルクがぽつりと言った。「動かねえ奴らばかりで、腐っていった」
古傷に触れた気配があった。深追いはしなかった。
「今も、そこに」
「ねえよ」ヴォルクは短く答えると、それ以上は語らなかった。焚き火に視線を戻す横顔に、いつもの伝法な軽さはなかった。
沈黙が落ちた。気まずさはなく、ただ互いの荷物の重さを量るような、静かな間だった。夜風が、焚き火の煙を峠の谷へと吹き流していく。
炎を見つめていると、遠い記憶が滲んだ。
大崩壊の後、既存の航路が軒並み死んだ時代があった。誰も彼もが動かなくなった。危険とコストを嫌い、皆が同じ場所に立ち尽くしたまま、荷を寝かせ続けていた。そんな中、最初に古い倉庫街への配送網を再建したのは、名も知られていない小さな商隊だった。地図に記録が残っていないというだけで、誰も通ろうとしなかった道を、一度だけ通ってみせた。それだけで、次の日からその道は「通れる道」として値がつき始めた。危険を数字に変えたのは、最初の一歩を踏んだ者たちだった。
その商隊の名は、今ではもう誰も覚えていない。だが、彼らが拓いた航路だけは、大崩壊後の新しい地図に、太い一本の線として残り続けた。名前は消えても、道は残る。それだけで十分だったのだろう。
今、俺たちが踏んでいるこの道も、いずれ同じことになる。
「――何、笑ってんだ」ヴォルクが怪訝な顔でこちらを見た。
「笑ってなどいない」
「いや、笑ってた。気味悪い顔でよ」
否定しかけて、やめた。頬が緩んでいたことに、今更気づいた。
「最初に道を拓いた者の値打ちを、考えていただけだ」
「相変わらず、訳の分からねえことを考えてやがる」ヴォルクは呆れたように笑うと、地面に横になった。「寝るぞ。夜番は、交代でいいな」
「先に休め。俺が最初に立つ」
「戦えもしねえ坊主に、夜番だけ任せるのも据わりが悪いがな……まあいい。何かありゃ、すぐ叩き起こせ」
程なく、ヴォルクの寝息が規則正しく聞こえ始めた。焚き火の番をしながら、俺は懐から革袋を取り出し、中身を確かめる。銀貨六枚、銅貨十八枚。数えるまでもなく分かっている重さを、それでも確かめずにはいられなかった。この賭けの、全ての元手だった。
翌日、陽が高くなる頃には、下り坂が続くようになった。荒れた道の傾斜が緩み、代わりに潮の匂いを含んだ風が、峠の向こうから吹き上げてくる。
「――抜けた、か」
ヴォルクの声に、初めて安堵の色が滲んでいた。
肩に食い込んでいた荷車の綱の重みが、ふっと軽くなった気がした。錯覚だと分かっていても、体はそう感じたがっていた。
木々の切れ間から、見下ろす形で港町――マレアの町並みが姿を現した。屋根瓦の色も、家々の建材も、西のテラ村とはまるで違う。石造りの建物が並び、湾には帆を畳んだ船が幾つも停泊していた。埠頭には荷を積み下ろす人足の姿が絶えず、遠目にも活気が伝わってくる。人の営みの密度が、これまで歩いてきたどの土地とも違う。
二日。峠に入ってから、正味二日だった。
北回りの正規路を使えば、荷馬車でひと月はかかる道のりだ。回廊はその距離を、十五分の一にまで圧縮していた。輸送にかかる日数が十五分の一になれば、荷を運ぶ人件費も、道中の消耗も、同じ比率で軽くなる。同じ元手を、何度も転がせるということだ。この道が「通れる道」として定着すれば、辺境と東海連合を隔てていた経済の壁は、実質的に消える。
前世で見た試算表の数字が、頭の中で勝手に組み上がっていく。回転率が十五倍になれば、利益は掛け算で膨らむ。
数字が、腹の底で静かに燃えていた。
だが、坂を下りきり、町の門に近づくにつれ、その熱は少しずつ冷えていった。
門番の視線が、荷車と、俺たちの身なりに突き刺さる。西の訛りを隠しきれない言葉に、道行く人々が振り返った。誰も彼もが、こちらを品定めするような目を寄越してくる。テラ村で最初の数日に浴びたのと同じ視線だった。ただし、ここには「見慣れない領主」という肩書がない。ただの、余所者の荷車がいるだけだ。
門番に呼び止められ、荷の中身と行き先を尋ねられた。ヴォルクが答えようとするより早く、俺が前に出る。
「岩塩だ。売り先を探している」
「西の山塩ねえ」門番は面倒くさそうに荷車を一瞥すると、顎で通行証らしき木札を示した。「通行料、銅貨二枚。市が立つのは表通りだけだ、裏に回ると衛兵に叱られるぞ」
言われた額を払う。西のバルドが求めた六割に比べれば、拍子抜けするほどの安さだった。この町の値付けの基準が、テラ村とはまるで違う物差しで動いていることを、早くも思い知らされた。
「峠は越えた。だが、まだ終わっちゃいねえな」ヴォルクが荷車の轅を握り直しながら言った。
「ああ」
土埃にまみれた袖を軽く払う。整えたところで、余所者の身なりが変わるわけでもない。それでも、何もしないよりはましだった。
門をくぐる。潮の香りに混じって、市場らしい喧騒が、通りの奥から流れてきた。魚の匂い、干した藻の匂い、聞き慣れない訛りの呼び声。行き交う人々の装いも、テラ村の質素な麻着とは違い、染めの入った布が目立つ。西では見たことのない活気だった。
荷馬車が幾台もすれ違い、露店には見たこともない色の果実が積まれている。値切る声、笑う声、値切られて怒鳴る声。テラ村の静けさとは対極にある騒がしさが、かえって耳に心地よかった。生きた市場の音だ。この喧騒の量そのものが、この町を流れる金の量を物語っていた。
この賑わいの中に、岩塩を買う相手がいる。だが、売れるという保証は、どこにもなかった。
市場の一角、塩を扱う店が並ぶ通りで、荷車を止めた。積まれた麻袋の白さに、道行く人々が物珍しげな視線を寄越す。西の田舎者と侮る目か、珍しい荷への興味か。判別はつかなかった。潮風に晒された看板の文字は、テラ村では見たこともない書体で書かれていた。
近くの店先で塩問屋の場所を尋ねると、老いた店主が顎で通りの奥を示した。「塩なら、コルムのとこが一番手広い。目利きも一番厳しいがな」
案内された先で、指し示されたのは、恰幅のいい男が帳場に座る店だった。看板には「コルム塩問屋」と書かれている。
「西から? へえ、珍しい」コルムは荷車の麻袋を一瞥すると、片方の眉を上げた。品定めの目つきは、バルドとも違う、商売人特有の乾いたものだった。「峠越えの塩なんぞ、何十年ぶりに見るかね」
「買い取ってもらいたい」
「見せてもらおうか」
コルムは麻袋の口を開け、指先で塩の結晶を摘まみ上げた。陽にかざすと、結晶が硝子のように光を弾いた。舌先で軽く舐め、しばらく黙り込んだ後、ゆっくりと口を開いた。
「悪くはない。だが……」コルムは腕を組み、油断のない目でこちらを見た。「西の塩ってだけで、正直、買い叩かれても文句は言えねえ品だ。運び賃も馬鹿にならなかったろう。銅貨八十で、どうだ」
安い。テラ村で聞いた相場からしても、明らかに安い数字だった。足元を見た一言目の値付けは、大抵の商談で本命ではない。値切り交渉の定石だ。だが、コルムの声には、値切りにしては妙な硬さがあった。安く見せかけたい者の声と、単純に安いと思っている者の声は、響きが違う。
一拍――いつもより長い間があって、視界の端に文字が滲んだ。
『コルム/真価:欲しい品を前に、腹の探り合いを楽しむ老獪な買い付け人/世評:港随一、目利きの塩問屋』
真価と世評に、大きな落差はない。だが、真価の奥に、隠しきれない色が一つだけ揺れていた。焦りだ。安値を口にしながら、指先はまだ塩の結晶を離そうとしない。欲しくてたまらない者の指だった。
「八十、か」俺は静かに聞き返した。「随一の目利きが、まさかその値で本気だとは思えない」
コルムの指が、止まった。
「――ほう。何を根拠に」
「あなたの指が、まだ塩を離していない」
沈黙が落ちた。コルムは塩を摘まんだままの自分の手を見て、ばつが悪そうに麻袋へ戻した。それから、取引相手を試すような余裕を消し、初めて商売人らしい真剣な顔になった。
「食えねえ坊やだ。……銅貨百二十なら、どうだ」
「随分と上がったな。八十が本気でなかった証拠だ」
「うるせえな」コルムは苦い顔をしながらも、口の端がわずかに緩んでいた。「じゃあ、あんたはいくらなら手を打つ」
「そちらが決めればいい。ただし、次に出す数字が本気かどうかは、また指が教えてくれる」
「小賢しい坊主だ」コルムは帳場の縁を指先で叩きながら、こちらの顔をじっと窺った。「西の田舎者にしちゃ、随分と場慣れしてる。どこで商いを覚えた」
「覚えた場所は、遠い」
それだけ答えると、コルムは片眉を上げたが、それ以上は問い詰めなかった。しばらく黙って俺の顔を見ていたが、やがて観念したように息を吐いた。
「……銅貨百八十。これ以上は、店が傾く」
「銀貨に換算すれば」
「一貫につき、銀貨にして四枚といったところだ」
テラ村の相場の、優に十倍を超える数字だった。フィーネが街道筋の相場だと言っていた、銅貨十二という数字が、遠い過去のもののように思える。
「悪くない数字だ」表情には出さず、俺はそれだけを返した。
「悪くない、で済ませていい値じゃねえよ、坊主」隣でヴォルクが小声で唸った。「こいつぁ、化けたな」
コルムは帳面に数字を書き付けながら、独り言のように呟いた。
「まったく、この時期にこれだけの量を持ち込むとはな……運がいいのか、勘がいいのか」
「この時期、というと」
コルムの筆が、一瞬止まった。それから、独り言の延長のように、ぽつりと言葉がこぼれ落ちた。
「――西の塩がこう化けるのはな、坊主。今、東の塩田が軒並み死にかけてるからだよ」
言った端から、コルムはしまったという顔になり、口を固く結んだ。
「……今のは、聞かなかったことにしな」
誤魔化しても、もう遅い。東の塩田が死にかけている。この町の相場を跳ね上げているのは、岩塩の質でも、峠越えの苦労でもない。海の向こうで起きている何かだ。
「詳しく聞かせてもらえるなら、次の取引はもっと良い条件で持ち込める」
「取引は取引、詮索は詮索だ」コルムは帳面を閉じ、話を切り上げる仕草を見せた。「坊主、欲張ると足元を掬われるぞ。今日のところは、その儲けで満足しときな」
これ以上は聞き出せない。それが分かるだけの間合いだった。今は、この初めての取引を、確実に成立させることが先だ。
革袋に銀貨が積まれていく音を聞きながら、俺は懐で乾いた銅貨の重みを思い出していた。二日前まで、銀貨六枚と銅貨十八枚だけがこの賭けの全てだった。
その重みが、今、桁ごと変わろうとしている。
だが、腹の底の高揚とは裏腹に、東の塩田が死にかけているという一言が、小さな棘のように残っていた。
死にかけている、というのは、どういう意味だ。




