120 いくら何でも高杉晋作
「ところで、今回受胎できなかった3人からもう1度お願い出来ないかという話があるのだが、どうする?」
「まだ妊娠出来ていないの?」
「あれから3か月経つが、未だに子宝には恵まれていないそうだ。」
女性にもう1度して欲しいと言われて断るのは申し訳ない。
それに俺の子種と反発するような魔力の動きがあの時だけなのか、魔力の相性によって何度しても受胎しないのかは確認したかった。
「旨く子宝を授けられるかどうかは判らないけど、俺は引き受けても良いよ。」
うまくタイミングが合った時は、凄い締め付けと体ごと吸い込まれるような強烈な吸引が起って、子種が凄い勢いで根こそぎ吸い出された。
その時には脳天を突き抜けるような凄い快感を得られたのだ。
俺が元々すけべえなのも有るかもしれないが、子づくりのタイミングが旨く行った時の達成感と快感をもっと味わいたいと思った。
精通から1ヵ月、子種の活力を維持する為、ギルマスの指示通り1日おきに自分で出していたが、その時の快感と実際の子づくりの快感は全く違うものだった。
自分勝手に出すのとは全く違う、子壺に求められて吸い出される快感。
これがあるから、婿殿達も子づくりに励めるのだろう。
“子づくりはお嫌いですか?”と聞かれれば、即座に“お好きです”と答える。
子種の活力を維持する為の訓練とは全くの別物なのだ。
前世でも絶頂時に不随意筋が動くと言う事は知られていたが、激しい吸引が起るといった情報はネットにも無かった。
恐らく魔法の有る世界ならではの現象が起っていたのだろう。
女性の方が魔力の操作練度が高いのは、子づくりの為なのかも知れないと思った。
女性との交わりがこんなに気持ちの良いものとは思いもよらなかった。
終わった後のけだるい疲労感も心地よかった。
もっとも、女性は直ぐに受胎姿勢を取らなければならないので、メイドさん達によって発射したとたんに引き離されてしまうけど。
夜はメイドさんが添い寝してくれると言うので期待していたが、メイドさんの胸よりベロのお腹をモフモフしながら寝る方が気持ち良かった。
眠るために目を閉じている時だと、得られるのは触感のみ。
視覚的な楽しさが無いならベロのお腹の方が触り心地が良い。
女性の乳よりも気持ちいいベロのお腹って何なんだ?
女性の胸は5感全てで味わってこそ、その存在意義を発揮出来るらしい。
「そうか、それなら御館様達も喜ぶだろう。 2回続けてダメなら諦めも付くだろうしな。」
「ナオール伯爵は怒っていなかった?」
討伐に行った時は、随分とお世話になったのに、ナオール様の目の前で御館様と子づくりしたのでちょっと気になった。
当日、終わった後も機嫌が良さそうだったけど、俺に気を遣っての事だったかも知れない。
本当の所はどうなのかを知りたかった。
「何で怒る。 英雄殿に子宝を授けて貰ったと大喜びだったぞ。 これで光属性も受け継いでいたら、新領地あげての大祭りだろうな。 まあ判るのは5年後だが。」
そう言えば属性判定は5歳になってからだった。
「自分の子供じゃなくてもナオール伯爵は気にしないの?」
「子供は皆の宝だ。 貰い子でも拾い子でも、一緒に住んでいる子供はみんなわが子で区別はない。」
「貴族でもそうなの?」
「確かに貴族は属性や魔力量重視だから、血を大切にする。 女の子がいない場合は貴族家の跡取りとして、一族から養女を貰う。 だが家を継ぐ者以外は、女であれ男であれ、才能が有ると見込めば養女や養子にする貴族は多い。 子供の才能を伸ばすには金が掛かるから、養女や養子にして貰う親も喜ぶ。 自分で育てるよりも子供の才能を伸ばして貰えるからな。 願うのは子供の幸せ、それがこの大陸に生きる親達共通の思いだ。 金の有る貴族が才能ある子どもを見付けて、将来国に貢献出来るようにその才能を伸ばしてやるのは貴族の義務だ。 ショータも才能が有ると見込まれたから、あちこちの貴族家から養子の話が来ただろ。」
「そう言えばそうだったね。」
「ショータの子が女の子なら、まず御館様候補の1番手だな。」
「そうなの?」
「ショータの光属性は稀有な属性だからな。 子供が光属性で無くとも、孫やひ孫の世代で光属性の子供が生まれる可能性がある。 それにショータの魔力量は尋常では無い程多い。 女の子なら即、御館様候補、男の子でも有力貴族の婿候補となる筈だ。」
そう言えば魔力属性や魔力量は、遺伝の影響が大きいと聞いていた。
「そうなんだ。」
子供が出来たから婿になれというのは無いらしいのでちょっと安心した。
後は子供がどれだけ頑張れるか、それは子供に任せるしかない。
「それで、子種料は幾らにする?」
「子種料って何?」
「風俗店では金貨20枚~100枚が相場だ。」
前世の20万~100万?
判らん。
「どゆこと?」
「受胎率や性感を高める技術によって料金が違う。 ショータは今の所受胎率50%だから最高ランク以上だな。」
「そういう事じゃなくて、俺がお金を貰って子づくりするの?」
「当り前だ。 子づくりは大変な重労働だからな。」
「それは嫌。 子供が好きだし、みんなに喜んで貰いたいから子づくりをするんだ。 お金を貰って小づくりするのは嫌。」
「そんな事をしたら、花街から苦情が来るし、希望者が多くなりすぎて収拾がつかなくなるぞ。」
「そうなの?」
「花街の超売れっ子風俗男が受胎率15%で1回金貨100枚、ショータは無料で受胎率50%。ショータならどっちを選ぶ?」
「・・・、無料だね。」
もったいない人間の俺はただが好き。
「そうだろ? 前回はお籠りだから金銭のやり取りは無しだった。 普通なら子づくり初心者はお金を払って風俗店で教えて貰うのだが、初心者の男性は女性に慣れる為にお籠りの儀に限って無料で教えて貰える。 それはお籠りという伝統的な儀式だからこそだ。 ベルンの祭りで来た男は、子づくりの代価として無料で家に泊めて貰い食事も提供して貰うだろ。 子づくりして貰うのに対価を出すのは当たり前だ。」
「・・・・。」
前世の倫理観なのか、お金を貰って子づくりするのにはどうしても抵抗があった。
かと言って、頑張って働いている風俗男さん達に迷惑を掛けたくは無い。
「・・・、前回受胎出来なかったので、今回に限って無料というのはどうだ?」
熊が妙案を捻りだしてくれた。
「うん、それでいい。」
「但し、次からはきちんと金を取れ。 そうだな、ショータの価値を考えると1回・・白金貨50枚かな。」
えっと白金貨1枚が前世の百万。
50枚だと、えっ5千万円?
「それはいくら何でも高杉晋作。」
馬と並ぶと馬が丸顔に見えると言われた、顔の長い幕末の有名人を思い出してしまった。
「なんだそりゃ?」
「あまりにも高過ぎだと思うっていう事。」
「安いと、申し込みが殺到するぞ。 それを誰が整理すると思っているんだ?」
もしも俺が子づくりをするとしたら、申込先は当然ながらギルドになる。
貴族が申し込んで来たら、整理するのは熊。
「やっぱり子づくりは今回限りの方が良く無い?」
俺には生き延びるという大切な目的がある。
今は生き延びる為の訓練が最優先、子づくりに多くの時間を割く余裕は無い。
「そう言う訳に行くか。 古来から光属性の者には血筋を残す事が義務付けられている。 ショータに受胎能力があると判ったら希望者が殺到するのは間違いない。」
「そうなんだ。」
「この大陸に住んでいる以上、子づくりは義務だから諦めろ。 とりあえず申込者が殺到しない様に当分の間は相手を貴族だけに絞れば良い。」
義務なら仕方が無い。
ササヤカお神も子づくりしろと言っていたので頑張る事にした。
問題は子種料と子づくり相手。
「・・・そうだ、抽選って言うのはどう?」
「抽選とは何だ。」
「人数分のくじを作って俺との子づくりを希望する人に引いて貰う。 当たりの印があった人と子づくりする。」
「貴族達は使用人全員を総動員するから凄い人数になるぞ。」
「抽選日を決めて、引けるのは相手をする本人のみ。 毎月1回抽選して、翌月の相手をくじで決める。 俺も色々と忙しいから、当選者は月に2~3人位かな。 そうだ、抽選会の参加料を貰って、参加料は全額孤児院に寄付って言うのはどうだろう。」
「ショータの取り分は?」
「俺はいらない、仕事じゃ無いから。 送り迎えの馬車と、屋敷で軽食が食べられたらそれでいい。 抽選に掛かる費用は参加料で何とかして、残りを孤児院や教会に寄付。」
「ショータはケチなのに、寄付に関しては太っ腹なんだよな。」
「ケチじゃなくて慎ましいの。」
ササヤカお神も乳は慎ましい。
偽の神託を連発した教国を膨大な魔力で派手に消し飛ばしたからケチでは無い。
もう少し魔力をケチっても良かった気がする。
「ただ、御館様が屋敷の外に出る事は殆ど無い。 1貴族家に1回と限定して使用人が抽選会に参加するのも認めてやらんと、御館様の負担が増える。」
「そう言えばそうだね。 不公平にならなければ本人で無くてもいいよ。」
結局、人数を絞る為と、俺が侯爵待遇という理由で、子爵家以上の1貴族家1回、参加料は白金貨2枚、当選資格の移譲は禁止という事になった。
子爵家以上であれば、ベルンには100家程しかないので、受胎年齢の女性が居るのは2~30家だろうと熊が言っていた。
それなら、1年で貴族相手の子づくりは1巡するから、抽選でするのは今年だけでいい。
あとはこっそりひっそり俺のペースで子づくりすればいいと思った。
ササヤカお神に子づくりを頼まれているけど、無理をする気は無い。
早速応募要領を作って、各役所の掲示板に張り出しことになった。
あれ?
ふと気が付いたが、いつの間にか俺がギルドの仲介で毎月2~3人の御館様と子づくりをする事が決定していた。
ササヤカお神にも頼まれていたからまあ良いか。




