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119 初心者のゴルファーがいきなりホールインワン

熊に呼ばれた。

「どうやらお籠りでショータの相手をした御館様数人が子宝を授かったようだ。」

「俺の子かどうかは判らないでしょ?」

慣習である“お籠りの儀“に参加しただけで、この子はあなたの子ですとか言って婿殿にされては堪らない。

この世界では女性は受胎可能期間中に何人もの男性と子づくりすると聞いている。

俺の子である可能性は低い。

「ショータの相手をした御館様達は、ショータの子種を1滴も零さぬよう、皆が3日間安静にして過ごされたと聞いている。」

「いやいや、それはおかしいでしょ?」

無理にでも俺を父親にしたいような感じがした。

幾ら俺が男前だからといって、無理やり婿殿にされるのは嫌。

あれ?

俺は女顔だから、女前?

判らん。

「ショータは大陸でも極めて希少な光属性。 精通があったばかりとはいえ、受胎する可能性が有る以上は慎重を期すのが当然だ。」

「そうなの?」

「光属性のショータの血を1族に取り入れられるという事は、貴族家にとってはとてつもなく大きな価値となる。」

「なんで?」

「光属性は聖属性の上位属性。 浄化や回復、ポーションの作成などで大きな貢献が出来る可能性がある。 仮に子が光属性で無くとも、孫やひ孫の代で光属性の子孫が生まれる可能性が有る。 ショータの血は貴族家に大きな利益をもたらす可能性が高いから、引く手あまただ。」 

「そうなんだ。」

「出産までは何が起こるか判らぬから公にはしていないが、内輪では盛大な祝賀会が催されたそうだ。 今回のお籠りはギルドを通しての斡旋だったので、内密という条件で報告してくれた。」

「俺を婿に寄こせとかじゃないんだよね。」

いくら希少な属性だからって、子供が出来たことを理由に婿入りさせられるのは嫌だぞ。

「当り前だ。 子供は貴族家の子供、ショータが子供を理由に婿に迎えられる事は無い。」

婿にならなくても良いなら問題無い。

「判った。」



「精通があった男は、受胎の確率が最も高くなる瞬間に発射できるように訓練するというのはショータも知っているな。」

冒険者のおっちゃん達が教えてくれたから知ってる。

「うん。」

「この国では、女性が最高に高まった瞬間に子種を出せる男こそが優れた男だ。」

この世界ではそうらしい。

「うん。」

「男は受胎の確率が最も高くなるその瞬間を感じ取れるように、子づくり中は女性の細かな変化が感じ取れるように訓練する。」

「うん。」

花街には、子づくりの技術を磨くための訓練をしてくれる専門店がある事も聞いた。

「ところが、ショータはまだ訓練も受けていないお籠りで女性に受胎させた。 これは凄い事なんだ。」

「そうなの?」

初めての時は、ただ単に思わず”リューセ〇ケン“と叫んだら、我慢していた力が抜けて、出ちゃっただけ。

初心者のゴルファーがいきなりホールインワンしたようなもの?

ちょっと違うか。



もう一度お籠りの儀について思い出してみる。

2人目は、1度経験したお陰で、叫んだ瞬間に力が抜ける感覚が判ったから、何となく今かもという感じで力を抜いたら出ちゃった感じ。

ソレニ様の時みたいな強烈な吸引が無かったので、アレッ?って言う感じがした。

違和感を覚えて下腹部に目を遣ると、ぼんやりとだが濃い魔力を纏った俺の子種が渦巻くように子宮の周りで蠢いているのが見えた。

何となく子宮口を避けてるかのような動き。

お館様の子宮が纏っている魔力と俺の魔力が喧嘩してる感じがした。

良くは判らないが、俺の子種が御館様の子宮に入る事を拒んでいるように感じられた。



ぐっすり眠ったせいか、翌朝には体調も万全になった。

3人目だからか、俺にも少し余裕が生まれる。

暴発防止のための意識逸らしも兼ねて、御館様の魔力を観察した。

“診断“を使って御館様の下半身に集まる魔力の動きを確認する。

御館様の性感が高まるにつれ、御館様の魔力が子宮筋や骨盤底筋へと集まって行き、徐々に筋肉の脈動が起り始める。

最高潮に達した時、子宮筋に集まった魔力が子宮を激しく動かして、スポイトが水を吸い上げるように子種を吸い込むようだった。

ようだったというのは、3人目の時は“ペガ〇ス”の声が遅れて、俺が子種を放ったのは子宮付近の筋肉の脈動が収まった後で、吸い込む所が見られなかったから。

4人目の時は“ペガ〇ス”の声が掛ったタイミングもばっちりで、俺としては完璧なタイミングで発射したのだが、子種は2人目の時と同様に明らかに子宮付近を避ける動きをしていて、全く子宮口には入って行かなかった。

原因は良く判らないが、魔力には相性の様なものがあるのかも知れない。



5人目の時は“ペガ〇ス”の声が遅れていたが、3人目の失敗の経験から、声が掛かるのを待たずに、子宮付近の筋肉の動きに合わせてこっそりと子種を出した。

診断で視えている子宮付近の動きに合わせ、“ペガ〇ス”の声が掛かる前に子種を出したのは正解だったらしく、子宮が何度も激しく脈動して、出した子種を内部に引きずり込んだ。

ソレニ様の時に感じたのと同様な強烈な吸引を感じた。

子種を吸い上げた勢いが凄いので、俺のナニも引きずり込まれるように感じたのだろう。

魔力が子宮付近に渦巻いていたので、どうやら性感が高まるにつれて魔力の下半身に集まり、無意識のうちに子宮筋や骨盤底筋を動かしているらしかった。

掛け声よりも早く出した事がバレない様に、動き続けるのが大変だったけど。

子種が子宮の奥まで吸い込まれたのが確認出来たので、俺の判断が間違っていない事が判った。

何もかもが旨く行ったのは最後の6人目。

掛け声もタイミングも良く、俺の放った子種は全て子宮の奥まで吸い込まれた。



「さっき複数って言ったけど、何人の御館様に子供が出来たの?」

「3人だ。」

「・・・、ひょっとして、最初の人と3日目の2人?」

熊が驚いたように目を見開いて俺を見た。

「良く判ったな。 何か感じるところがあったのか?」

「初日の2人目と2日目はまだタイミングが掴めなくて、ちょっとズレた感じがした。」

3人目は明らかにタイミングのずれがあった。

2人目と4人目はタイミングが合っていたのに、俺の子種が子宮から逃げた。

原因がさっぱり判らないのでその事は黙っていた。

ただ、診断で御館様の下腹部を見ながらタイミングを計り、子壺の動きに合わせて子種を放てば妊娠する可能性が高い事は判った。



「ショータには子づくりの才能が有るのかも知れないな。」

「アハハハハ。」

子づくりの才能と言われても困る。

笑って誤魔化した。

精通の有った晩、夢の中で俺に語り掛けて来た”私の世界に、光属性の種を撒き散らしなさい“ というササヤカお神の言葉を思い出した。

女神様が望んでいるのだから、子供を作れた事は良い事なのだろう。

3家の人達が、子供が出来たことを喜んでいると聞いてホッとした。



「男は子づくりの為に射精する。 大事なのは受胎確率が最も高い瞬間に射精する事だ。」

「うん。」

前世にも女性を悦ばすのが好きな男はいたが、それは単に自分の優位性を示したい為。

射精せずにどれだけ女性を満足させられるかを競ったりする者もいた。

受胎させる為に女性が最高潮に達した瞬間に射精するこの世界の男性とは違って、女性を満足させたという達成感や征服感を満たした後に、自分の性欲を満たす為に射精するだけ。

子づくりとは全く関係の無い、ただ欲望を満たす為だけの行為。

どちらかと言えば受胎の為に子づくりするこの世界の方が、俺には似合っているような気がする。



「魔獣が多いこの大陸では、もっともっと人口を増やさなければならないから、受胎確率を高める為の研究が盛んだ。」

「そうなんだ。」

「高位の魔術師達は、女性が受胎する瞬間を確かめる為に、子づくりに何千回も立ち会い、その瞬間を精密な探知魔法を駆使して観察した。」

そうか、この世界に顕微鏡は無いけれど、魔法がある。

精密探知のレベルが高ければ、魔力の動きを観察する事で、子づくり中の子宮や精子の動きがリアルタイムで視えるのかも知れない。

しかもこの世界での子作りは、大勢が応援する中で行われる。

魔術師達が子作りに立ち会うのを妨げられる事など無い。

高レベルの精密探知なら、事前に子種の発する魔力波動を認識しておけば、発射後の子種の動きを探知魔法で追跡出来る。

恐らく俺の“診断”同様に魔力を追跡する事も出来るのだろう。

医学の進んでいた前世でも、実際に性行為中の女性に起こる不随意筋や子宮の動き、放出された精子の動きは道徳上の問題もあって解析出来ていなかったと思う。

それどころか、大勢の学者や技師達が見詰めている前で性行為をしてくれる男女を何千組も集めるのは不可能だし、道徳的にも法律的にも問題になる。

おおやけになったら、学術研究を名目に、性行為をまじかで見学したいと言う人が殺到して大炎上間違い無しだ。

いやその前に、公然猥褻罪で手が後ろに回ってしまう。

前世でも今の様に無修正の画像が出回るまでは、婦人科の写真入り学術書がめっちゃ売れたらしい。

前世と今世の子づくりは、根本的な所で大きく違うのが判った。



「魔術師達の研究成果は公開されているので、風俗男達は文献を調べたり指導者を招いて最適な瞬間に元気な子種を出せるように訓練している。」

「うん。」

「それでも10回に1回お客様に子宝を授けられれば、1流の風俗男と持てはやされる。」

「そうなの?」

「何の訓練も受けていないショータが、初めてのお籠りで複数の女性に子宝を授けたと言うのは、ワイバーン12頭を倒したのと同じ位凄い事だ。」

「そうなの?」

ちょっとビックリ。

「いや、まあワイバーン12頭程では無いか、ガハハハハ。」

「なんじゃそれ。」

「ともかく、凄い事をやってのけたと言う事だ。」

良く判らないが褒められたらしい。


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