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111 ズバッと質問、ズバッと解決。

漸くカキカキのリズムが戻って来ました。

お星様、ブクマを下さった方々、ありがとうございます。

皆様のアクセスを励みに、頑張って書き続けますので、これからも宜しくお願いします。

頼運


朝の訓練を終え、いつも通り図書館へと向かった。

探知が危険を告げて来たが、何となくいつもとは違う。

「あれ?」

探知に激しく瞬く点が映っているのはいつも通り。

ところが、探知に映る点が、殆ど色を判別できない程に薄い。

“どうした”

“探知に映っている点の色が、めっちゃ薄いんだけど”

レイに聞いてみる。

判らない事は、俺が考えるよりAI搭載検索エンジンのレイに聞く方が早い。

“隠蔽の練度が高いからじゃ。 恐らくは魔導具も併用しておる。 殆どの者には姿が見えんじゃろうな”

レイがすぐに答えを教えてくれた。

ズバッと質問、ズバッと解決。

めっちゃ便利。

“他にもいる?”

俺の探知では正面方向にいる1人しか見えていない。

“だいぶ離れておるが、右後ろの方角に隠蔽を使っている者が乗っている馬車があるな”

探知を広げると、激しく瞬く白い点5つがかなりの速度で動いているのが観えた。

御者らしい1人と客席の4人全員の色が少しだけ薄い。

全員が隠蔽を使っているという事は、暗殺ギルド。

隠蔽の練度は正面方向にいる敵程は高くはないらしい。



”今回は待ち伏せじゃないみたいだね“

今迄とは明らかに襲撃のパターンが違う。

”恐らくすれ違いざまの攻撃であろう。 後ろから来る馬車が追い越しざまにショータを攻撃し、それに気を取られた隙に正面から来る敵が近接攻撃を行うという段取りじゃろうな“

走っている馬車からの攻撃は厄介な気がする。

“馬も麻痺で止められる?”

”馬であろうと鹿であろうと麻痺させるのは造作無い“

鹿も止められるなら、乗っているのが馬鹿でも安心。

”馬車の方はレイに任せていい?“

“承知”

”ベロは俺が正面の敵を捕らえ損なった時には敵を倒して“

“判った”

練度から見ると、敵のリーダーは正面から来る者の筈。

捕らえて尋問したいけど、かなりの強敵らしいので安全第一。

初撃で捕らえられなければ、殺しても仕方が無い。

相手は練度の高い暗殺者。

余裕をこいて、俺が殺される訳にはいかない。

何よりも大切なのは俺の命。



探知画面を観ると、敵のリーダーが正面方向からゆっくりと近づいている。

もうすぐ中央大通りに入って、俺の目にも見えて来る筈。

後方の馬車も脇道から大通りに入った。

“結界” “結界” “結界” 

万が1に備えて、結界を3重に張る。

敵のリーダーが視界に入った?

って、アンデッド?

辛うじて人の形と判るが、敵の姿は殆ど透けている。

元伯爵屋敷に沢山いたゴーストっぽい。

“隠蔽の練度が高い上に、光学迷彩と認識阻害の魔道具を使っているようじゃ”

レイが解説してくれる。

“人間なんだよね?”

アンデッドなら回復や浄化で倒せるからレイに確認した。

”間違いなく人間だ“

回復で倒すのは無理らしい。



正面の敵がゆっくりとした速度で歩いて来る。

俺に気付かれているとは思っていないらしい。

レイの推測通り、後ろから来る馬車が俺を追い越す瞬間に、近接攻撃を仕掛けようとしている感じ。

馬車に乗っている4つの白い点が、馬車の中で俺の歩いている側に集まった。

俺を追い越す瞬間に、馬車の中から4人で同時に攻撃するつもりらしい。

馬車が俺の後ろに迫る。

正面の敵も馬車とのタイミングを合わせるようにゆっくりと近づいて来た。

“拘束”

正面から来た敵に拘束を発動して、直ぐに拘束の範囲を狭めて動けなくする。

教会の暗殺者が俺の部屋に飛び込んで来た時に何度もやったから、拘束の扱いには慣れている。

”睡眠“

拘束の外から敵に睡眠を掛ける。

拘束は中から外に向かっては何もできないが、外から中へは魔法も撃てるし攻撃も出来る。

近距離にいる動かない敵相手なら、魔力量の多い俺の睡眠はレイよりも威力が上。

未だに動いている敵を眠らせる事は出来ないけど。

拘束に包まれて身動き出来なくなった敵のリーダーが、立ったまま眠った。



ドガガガガ~。

俺のすぐ後ろで大きな音がした。

振り返ると、馬と馬車が倒れた状態で、大きな音を立てながら路上を滑って来る。

走っていた馬がレイの麻痺で倒れた時に、馬車も一緒に倒れたらしい。

スピードを出していた為に、そのまま路上を滑って来たようだ。

俺の横を3m程通り過ぎた所で漸く馬車が停まった。

馬車を牽いていた2頭の馬は、どちらも足が変な方向に曲がっている。

少し離れた所に馬車から放り出された御者が倒れている。

レイの麻痺が効いているらしく、身動きはしていない。

探知に映る点が消えていないので、生きてはいる。

倒れた馬車の下には乗っていた男達の衣服らしいボロボロの布切れが覗いている。

馬車が倒れた時、客室に乗っていた4人は窓から身を乗り出していたのだろう。

身を乗り出した状態で馬車に押しつぶされたらしく、馬車の下から大量の血が流れ出していてどんどんと広がっている。



馬車の方は問題なさそうなので、リーダーの確保に取り掛かる。

“睡眠”

念の為に、拘束したリーダーらしい敵にもう一度睡眠を掛けてから拘束を解く。

ぐったりした敵が路上に崩れ落ちた。

慎重に敵を確認する。

眠っている筈なのに隠蔽は発動したまま、姿がはっきりとは見えない。

上に着ていたローブを脱がせると、かなりはっきりと見えるようになった。

“そのローブは光学迷彩という珍しい効果を持つ古代遺物の魔道具じゃ。 儂に譲って貰えんか?”

“欲しいの?”

“研究素材としても興味深いが、儂が使えば収納の外に出ても姿を見られる事は無い”

“そうか、これを使えばレイも外を歩けるようになるんだ。 うん、レイにあげる。 好きに使っていいよ”

ローブを収納に入れてレイに渡す。

”うむ、手触りもなかなかじゃな。 防御力は今のマントの方が高いが、光学迷彩は有り難い。 丈も長いからこれを着ければ収納の外に出ても見られる事は無い、感謝するぞ“

“うん、喜んでもらえたら嬉しいよ”



“右手の指輪は隠蔽の古代遺物じゃ。 魔力を遮断する効果が圧倒的に高い。 ショータは魔力が多いから探知され易い。 裏ギルドのボス達の様な隠蔽の魔道具だと、ショータの魔力に耐えられずに壊れてしまうが、この指輪であれば壊れる事は無い。 探知除けとして使うが良い”

そういえばタトルさんに魔力が駄々洩れと言われた事がある。

俺の探知でも、魔力の多い魔獣は探知画面に映る点が大きい。

自分の事は見えなかったけど、探知を使える人には俺を示す点が大きく映っているのかも知れない。

裏ギルドのボス達が皆隠蔽の魔道具を使っているのは、魔力量を隠す為なのだろう。

“そうなんだ。 じゃあ俺が使うね”

倒れている敵が右手に嵌めていた指輪を外して、俺の指に嵌める。

緩々だったのに、指に嵌めたとたんにピッタリサイズになった。

古代遺物って凄い。

“左手に嵌めている2つの指輪は、魔力を増幅させる指輪じゃが、ショータは元々の魔力が大きいから増幅すると魔力が大きくなりすぎて壊れる可能性が高い。 属性魔法の攻撃威力が大幅に高まるから、下手に売ると暗殺ギルドなどの危険な相手に渡る恐れがある。 収納に入れて置く方が良いだろう”

“うん”

この指輪は魔法使いが使う杖の指輪版らしい。

敵のリーダーは何らかの属性魔法を至近距離から撃つのを得意としていたようだ。

杖を持っていなかったので、攻撃魔法を撃たれるのは想定外だった。

油断大敵、おでんたいやき。

先制攻撃が出来て良かった。



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