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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
第22章 残暑ってお得な気がするよ。
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889 準備は楽しいね。12/9

12月9日 水曜(旧暦晩冬、雪を厄介者にしないのは楽しい)

僕がとってもウキウキしていることを誰も知らない。

感情の出し方なんか知らないし、人はいっぱいいるけどアレコレって

だけだもの。どちらかというと厳しめな事しか言ってない。

これは成功させなきゃっていっぱい思っているんだよ。

 かなり早くに集まってきてて途中の宿が会期に向けて増築をしている。もしかしてを軽く超えて成功した少し先の未来分に近づくくらい忙しいになって、言い訳が欲しかった人達の口実になる。

 ただ反対しなかったというだけで傍観あるいは(だま)されているという(あざけ)り。それは良い気分だったし安心もした。自分より下(不幸)なのがいる。

 けれどそれが焦りに変わる。みんながまだ冬で、のんびりしている頃に何かカッコイイ野良着で畑をして、度々訪れる人達がいる。外の旅人がウロウロしてニヤリして見えて値踏みされているかのように感じたりした。

 道から宿までのキレイに整えられた地域とそうではない雑然とした多くの場所。

 初めの方でやってくるのは数日いて居なくなるを繰り返す。あの人達は王都から来ているらしくて、都会の垢抜(あかぬ)けた人達ばかりではなくお仕着せがステキだと子どもがチョロチョロして、それを聞いて冬でヒマな村人が見に行ったりした。

 すぐに建て替えられた建物は宿屋だったそうで作業の人達が泊まることで練習にもなる。宿はまんべんなく寒くなくて凸凹な段差もない。そしてポットンではなくてオシリも洗ってくれる。街にある湯気のだけでなく、たっぷりのお湯に浸かる。

 そんなのが聞いた話だった。

 親しい友人はいても冒険(僕に(だま)されて宿を)するときに付き合ってくれるのは家族。というか子どもを引き入れてポワポワさせての契約だから(だま)されたというのはホントのこと。こういうのは勢いがないとダメなことで血判もどきのお手々ペタンはとっても簡単。文盲が普通だからしょうがないよね。


 契約させるっていうのはこんな感じでカンタンなんだから、誠実に双方にとっての利益を上げないといけない。僕みたいに悪いのはいくらでもいるから、法の安全装置でイヤだと思ったら解除できるようにしてる。

 なのでメンドウをなくして満足感をすぐに感じないといけないからパックにして宿泊客が去るとすぐに現金や物品が届けられる。拝金主義ではないけど誠意はリアルで、すぐに示すようにしてる。

 偏見を取り払う誘導をしているだけでココロをイジっていることはないの。

 イヤなら無理強(むりじ)いはしない。調(ととの)えることはできても運営するのは自分だもの。やる事や覚える事が多いし宿を楽しむことやココを好きになってくれないと続けられないからね。

 向いているかどうかは分かるんだけど感情は分からない。良い条件にしたとか給金が良いとかオマケとかしてもイヤってなる人はいる。それにハッキリした理由はないみたいだけど、せめてどこかを好きになってくれれば大丈夫かなあって。


 今のところは順調でそれぞれの村人の懐柔(かいじゅう)も進んでいる。それは悪くないってだけだけど、それで十分としてる。

 敵に回らなければ良い事でそれ以上の好感を求めて失敗してきたから、線をピッと引いてあくまでも仕事ということを忘れない。だから配送する者に担当を決めないで常に新しい気持ちでコンニチワを忘れさせないよ。

 (こも)って来た村人の感情は分かりにくいしメンドクサイ事が多かった。それに()()おうとして色々したら村が離散になった。それがそれぞれをイキイキさせることになったけど最良は村のためには良いことではなかった。

 理由は経験からだから説得力はあるんだけど、それはただの一例でしかない。

 正直にいうとメンドウになりそうだから関わりを最小にしとくってことで、そこの郷土料理を開発しても、ステキなお土産品や地元野菜とかが村の生活を(うるお)すことになっても誰というのはないようにしてる。

 仲良しの担当って事情も分かってツーカーが良いようにみえるんだけど、それを他の人がみたらイヤな気分になるかもしれない。そういうの考えすぎかもしれないけど臆病(おくびょう)なコモリーは(ねた)(そね)みに村八分とか独特な(おきて)とか迷信とかに毒されやすい。魔女狩りは少し過去なことだから()れ合うことはしないようにしてる。


 親しみやすさというのは必要なスキルだけど、なれなれしさとは道義ではない。

 王都とか街からやって来る職人さん達は厄介(やっかい)な顧客相手に苦労してきたから豪快とか粗野に振る舞っているんだけど、乱暴な態度ではないし相手を(おとし)めたり(おろそ)かにしていないことに気が付く。

 これが積み上げて造られたキャラってヤツだよって、成り行きで宿をやっているだけってつもりな人達によく見てっていうの。

 弱々なキャラだとやられちゃうし不安になる。初心者でなくても難しいしイヤな支払いのシーンはセット料金でなしにして、追加分は明朗な価格設定で安心。最初にスタンプ(クローネサーバー)にチャージしているからピッとするだけだもの。

 初めは気軽にポンしていたけど情報が追加されていって、ぽろんとした情報とか身体のサイズが細かい。どこの何某(なにがし)というニックネームがいくつかあって、戸籍を持っている新規利用者は案外少ない。

 どんどん入っていく情報は整理されて、後から来る情報で自動で修正できない時もある。身長が70CMで胸囲が1M60CMじゃ変だなあって気付きそうなことが結構スルーされるんだよね。

 僕らのお店でピッと好みのものが出て来たり、ヤバいとか嫌いっていうのは避けられていることに気がつくと旅の(はじ)はかき捨てに出来なくなる。

 浮かれてちょろまかしたのがしっかり支払われて万引きに1が足されたりね。


 国とかが大まかにしか把握していないのが戸籍や収入で、それで良いことにしてずっとやってきた。庶民だと名前情報があるのが目立つ誰かでそのまとまりに課税したり何か言いたい時に使っている。

 頭数で税を取るだけならまだ良いんだけど他にもアレコレあるから、ゴマカそうとするのが普通になる。税が何のためにあるのかってことを誰も分かっていないからで合わせると収入に対して取りすぎになっている。

 エライのが優遇されているのは何のためっていうのだけがどっか行って、エライからっておバカな思考を偉そうにいう。

 聖国の指導のようなものがあって異種族が解放されてニンゲンのお手伝いが増えたけど、同じ人数で同じ事は出来ないし同じ給金にはできない。人がワサワサといて満足なんだけど汚物の回収は遅くて、それを消すための香水がいっぱい要る。

 細かな税が減って庶民の懐がポカポカだからニッコリだし元気。暴動はちょっとしたことで起こるようになってスカッとする。

 貴族とかのエライ人達の収入は減少中だし、物価が上がって贅沢度も上がっていても当人達は気が付かない。

 政府の方は聖国の注文にビクビクしているのが王様とかだけど政府は税がシンプル化してヒマ。前以上にのんびりして聖国に嫌がらせとかしてた。暴動は起きるけどすぐ鎮静化する。

 秋は何かしていたかな程度の認識しかないし、またスポーツ大会するというので予算を簡単に組んでくれるけど収支のバランスをみている人はいるのかな。

 一時期税収が減ったけれど今は前の水準に戻っている。何でとかどうしてというのを思ったり考えたりはしないんだろうね。


 ちょっと前に偉そうだった医師とか薬師とか裁判に関わる家とかの名称を(はず)すことになって()めている。能力がないんだから役職を外すだけではなく爵位も取り上げようという声が上がっていて、色々と繫がっているようだからそれだけでは済まなそうだ。

 実際に診療はしていなかったという事を弁明して逆に大荒れ。指導していた自身も診療していた誰もが試験に受からなかったしスコアも低かった事までの詳しい資料がドコからか出てきている。

 そこに亡くなった家族や歴代の診療のことまで飛び出して怒号の嵐になった。

 代替わりごとに認定していた長官や省庁、予算を付けていた財務、そして王制や派閥への批判までになって乱闘が起きた国もあるらしい。

 正確に言えば資格を取れた(あるいはもうちょっとの)者が診療をしていたんだけど、それは気にも留めてない誰かで既にこの国の者ではない。先生様がそれを知る事はないまま、助手の助手の助手・・に解雇されている。

 その次の日から診療院は閉鎖となり、そこにいた職員全員が留置になって取り調べを受ける。そうして事実が明らかになるんだけど受かっていても申告した人は少ないし、頭が良ければさっさと去っている。


 生き死にというのは特別なコトだから(えら)そうに出来てガッポリ稼げる。

 恩着せがましく難しいを連呼すれば、それでもってお願いされて残念だったになっても責められることはなかったし、もしもがあった時は正直に「執刀(しっとう)したのは彼だった」すればいいだけ。まあ刃物はハサミくらいだけど。

 世の中は不治の病だらけで出回っているクスリも多くないらしくて、トカゲの尻尾とかコウモリの羽根とか朝露とか不思議な原料があって、調合に月夜ダンスとかしているって聞いた。

 そんなのより毒草や毒虫の方が楽しいよって、ウチの畑にはかなりの種類の草を育てて品種改良もしてて、結構ヤバいのとか、美味しいよっていうのもある。

 トマトは野菜だと思うけどイチゴはフルーツの(くく)りにした方がいいし、桃はとっても美味しくてクスリや美容水として最初に商品化してる。僕は(やわ)らかいのが好きだけど手に入れた村では固い方が好きみたい。

 クスリはいっぱい原料があって、出来上がるクスリもいっぱいあるから壁いっぱいの引き出しの多いチェストが要るはずだけど、せっかく立派なのに使えるものはチョビっとしか入っていなかったんだよね。

 上の方ってどうやって取るのだし場所覚えていないんじゃない。

 どんなのが取引されているかっているのは当然調べたし調合されているクスリもそうで、だから去年はそういうクスリや薬草、鉱物だけにしたイージー問題だったのに散々な結果。東はそういうことはないし西の薬草も少しあって種類が多いから大変だったはずが合格者がいっぱいだった。

 今年のは東と西って選択になっていて手加減はちょっとだけだったけど、そこそこの合格者が出たんだよ。


 こんな風に免許、能力が足りているかどうかってことを当初の予定通り公開しただけなんだけど、ニンゲンって足を引っ張り合うのが好きみたい。

 僕らは満遍(まんべん)なくお知らせはしたけど、政府の重鎮や号外(有料)を見た人だけが知っているだけの情報で、広く告知したのは次の試験が各地で行いま〜すということだけなので黙っていれば広まることはなかった。

 それを知って下層民や才能を発揮したい人達は新たな情報を求めるだろうし、面白いことは言いたいっていうのは万民の心理。エライ人達は保身と他勢力の攻撃をして勝手に(あお)って(公開して)くれる・・と見込んでいる。

 それぞれの官庁とかでも大荒れだろうけど物理的ではなく()き合いってところだろうか。ツメとかキバとか決定的に傷つけられる武器が無いハトのケンカみたいにボロボロになるまでするのかもしれない。


 という感じだろうから表向きは、ちょっとの殴り合い程度。非力な貴族では青タンを作るくらいしかできないだろう。余計な口を出して混乱させることしかしない者が他に注意が向いていれば、実質お仕事をしている役人達が動きやすい。

 重要な決定をしていると思っているのは整えらたもので、会話で外交を成功に導いたと思い込んでいるんだけど、いつもの失礼な言い方をして気分を害した程度で何かが変わることはないし、最悪ケンカをしても双方ただ切り捨てられて無かったことになると思う。

 ハンコを押すだけの仕事に時間を掛けるようなのがいなくなれば、時短にもなるというものって、冬の競技会の視察者の人数を増やすってことをたぶんどこでもしてるんじゃないかな。

 だって予想よりもかなり(競技に関係のなさそうな)宿の予約が多いんだもの。

 騒動が起き始めてからすぐに予約人数の追加が相次いだ。念のためを越えているから週末はお休みというのを返上はしないために残業というのを少しして夜もトンテンカンをしてる。

 今までだったら冬は短い昼(起きてから日が昇ってオヤツ時間ちょっと後くらい)にお仕事をする。なのにとっても明るい照明道具を持ち込まれて、まるで長いお日様がいた夏のように働く。なのにそれがちっともイヤではない。


 ちょっと前に覚えたステラだとかシンシアだとかクロエとかの歌を口ずさみながらすると、いつまでも出来る気がしてくる。オペラだと手が止まる。難しい言い回しや張り上げる歌い方では黙っておとなしく、劇場で聞けになるだろう。

 歌いながら劇をしてたというアイドル歌劇がこういうモノかもしれないって良い気分して働く一体感みたいなのを感じる。

 冬は始めるのも遅いし終わるのも早い。なのに疲れているのはその後に大騒ぎをする宴会だったから、それがたしなむ程度になって、朝にちゃんと起きて働いてゴハンして働いてお風呂してグッスリ眠る。

 歌に気分上昇効果があったり、マネージメント役を置いて規則正しい生活をするから身体の調子が良くなるのは当然だし、見て覚えろしない順序よい適切な指導は新人をすぐに一端(いっぱし)の者に育てる。何より仕事がいっぱいなんだから反復こそ技術習得の道なんだよ。


 徒弟意識は最初に破壊してて、即戦力になってもらわないと増えていく仕事がこなせないってことで、旧来の方法を壊した結果を自身で感じる事になる。

 ちょっとメンドウではあるけどキッカケ(丁寧な指導)をすれば、それが別の者に教えることになるから、いつまでも(たる)いヒヨッコ相手をすることはなかった。

 それに先入観のない若者とか別な職種からやって来た者とかは新し知見をもたらしてくれるから、もう成長はないドン詰まりだった自分自身も成長を感じている。

 それからは良い循環が起きて色んな事を突っぱねていた気持ちが(ほど)けて、上下というより仲間という意識が心地良い。今さらながら規格というものの有用性を感じて原料や仕様にもアイデアが出てくる。それをちゃんと反映してくれる仕入れがいる。もう何年も感じたことのない感覚だった。


 そうなれば傍観していた村人も協力しないといけないって、ただの強迫観念なだけだけど僕らから資材を買って村道を整えたりするし、大きな借金をつくらされても家を建ててあげるって誘いにのってしまうのだろう。

 こんな忘れられた寒村にも行商人はやって来るんだけど、硬貨に期限があるって脅して()の悪い取引をされても疑うことはなかったし、離れて住んで前の国からだからって近くの町に収穫や工作品を売って役場に税を納めてきた。

 ここにいるのは色んな事情があるんだけど、ただ街からや国から切れないように気にしながら生活をしてた。

 負い目があっても波風は立てたくなかったのにバカなヤツが宿をする誘いに乗って外から人がやって来るようになった。

 奥まった外れの家だったのに立派な道が出来て表のようになった。ステキで大きな宿が出来て、小さな庭が一気に拡大されて、まだ雪が降る季節なのに畑を耕していて(だま)されたアホウと聞こえるように言ったりしていたのにムギを作付ける頃には収穫があってまた違うものを植えていて今年はムギを作らないようだった。

 バカなことをと思いながらチラチラと見ている村民がいて、仲良しの子ども繋がりでいくつかの家が手伝うようになって・・まず服が変わった。


 夏にパ〜ッと人が来るようになったと思ったら静かで、畑をしたり何やら工作をしているという話を子どもに聞いた。もう宿は終わりってほくそ笑んでいたのに、涼しくなってからは次々と来る。

 いつの間にかアチコチで建て直しが起きていて、いくつかの家が何かしらの仕事をもらっている状態になっていた。苦労して町にムギを売りに行ったんだけどチラチラ見に行ってたせいか収穫量が少ない。オモテだったはずの家がみすぼらしくみえたし家族の圧力もあってオレも・・ってしたら「春の終わりまで待ってくんな」って。

 村が何か準備をしているようにザワザワしている。何もすることがないいつもと変わらないのが取り残された気分だった。

寒村って新しく(ひら)いた村だからドコでもなくて、保護を求めない限りは

所属はしていないことになるはずなの。

税を納めていたそうだけど、その場所を役所(国)は把握していないし

興味もないから右から左にただ処理されていただけ。

ザル勘定だからちょびっと多いとか村の数が違うとかを気付くことは

なかったりするんだろうね。


クーラーの効いた部屋でアイスも良いけど、読書もなかなかでしょ。

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