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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
第22章 残暑ってお得な気がするよ。
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888 大変が楽しいに変わるかな。11/28

11月28日 土曜(旧暦冬、ユールはアフターも続くよ)

忙しいのはキライじゃなくて、やることがいっぱいあるのは幸せなこと。

やりたいことは次々湧いてきてて、手が足りないからって誰かする。

見たいのは経過だし結果。やるのが自分じゃなくてもいいよ。

 ユールは冬至(とうじ)ってだけのことなんだけど、今まではいつの間にか過ぎていた日でそういう日があるってだけ伝えられて来た。それで僕にとっては寒い季節全部ってイメージがあるからイベントするならコレしかないってね。

 ケンカしないようにキレイに4つに切り分けた時の冬という季節とイコールにして、ずっと続く。それはただ飾りだけなんだけど街や町や村をデコっても怒られない言い訳のようで、去年は見ていただけの人達がお店で買って家を飾る。

 対象が大きいのは大変だからって人も鉢植えの木とかで、鉢すらもなく幹に板が付いて自立っていうのまである。木だけ単体っていうのは庭に植えられるだろうけど根っこの部分がないから柱と変わらない。

 部屋に余裕があれば設置してデコデコするだろうから、暖かい部屋に入れて虫さんコンニチハにならない処理はしてある。流れに置いてかれたくないけど、そういうのメンドイって人はいてデコ済みというのもあるから安心していいよ。

 去年はお店に並べただけになった大多数と初年度から売れていた東のあの国って感じで今回もそうだし前回も売れ残った木は枝葉を分けて肥料にして、幹はカミの材料にしてる。

 基本、ウチはセールしないから売れ残って転用出来なければ処分するしかない。

 でも極力焼却っていう文字通り灰にすることは避ける。かえって手間がかかったとしてもね。


 そんなでも食品は全部売れた。イベント定着を狙って店舗の見栄えを優先しているから初回にしては大冒険なんだけど、半分伝説化していた季節料理や季節お菓子は魅力いっぱいだったみたいで追加製造をしたくらいだった。

 他では失伝したものもアレンジメニューを含めて書庫にはあった。

 まあその時の食料事情はお粗末だし今の人達と味覚が変わっていて、ごちそうの定義も違っている。加えるものにもっと良いものがあったり作り方もそう。

 ちゃんとその土地の今のおいしいにしてバリエーションを増やしたりしてる。

 そういう意味では伝統料理であってそうではない。


 冬が耐えるだけにいつの間にかなって楽しむことを忘れている。どこも忘れたいような空白の期間にしようとすることが理解できないし、ツマンナイ。

 暖かで長い昼がある開放的な夏とは対象に冬は暗く陰鬱(いんうつ)で早く過ぎてだったんだけど、寒ければ温かいを実感することができるし、ぷくぷくしたお肉はおいしい。

 暗いは明るさを強く感じるからピカピカやドッカ〜ンに(あこが)れすらある。

 なのにつまんないの。まあ遊んでくれないのはいつも通りなんだけど、寒くて静かで誰もお外に出てこないっていうのが冬だった。そんな人達をみてミコが季節や1日を短くする願いをしたんだろうけど好意はアダとなって返るものみたい。

 短くなった期間を(こも)るにして夜を楽しまないんだってことにガッカリする。

 暗くて静かな池を凍らせてスイスイってしたり、クルクルしていた時にはフンフンと音楽が流れていたし、もっとってするのは楽しいだった。(さび)しいしていたはずだけど悲しくはなくて見守ってくれる「人」がいなかっただけ。


 世界は楽しいに(あふ)れているのに何でっていうことがいっぱい。そういうのがイヤだからちょっとだけしてる。

 空気扱いする人達に進んで近づくつもりはないんだけど、多くの楽しいをするために賑やかし、大勢が必要なんだから仕方ないんだよ。

 話したり触れ合ったり楽しいを共有する人はいて欲しいのにそうなってくれないから楽しいを広げて言い訳を作っているのかもしれない。

 前は小さな町だけで手一杯だったのに世界中してて、その世界が広がっている。

 それが破綻(はたん)しないのは僕を空気にするくせに、していることを無視しないという人達だからでよく分かんない。いっぱい知識を集めて実験もして成果も出しているけど、分からないは増えている気がしているし、(あきら)めたってフリしてやっぱり答えを探してジタバタしている。

 簡単に、諦めたっていう人達はホントに成長を止めてしまう。僕からしたら入口にも立っていなくて案内図すら探さないし(たず)ねたりもしない。勝手に癇癪(かんしゃく)を起こして一歩めのところでうずくまっている。

 それを気まぐれに手を出してザワザワさせているだけ・・なのかもね。


 急に配役を振られた主役はもちろん、端役になっている途中の村にはパラパラ旅行客がやって来て、冬のお()もりどころではなくなってる。

 会期は冬ぐらいって聞いていたから春近くなる頃だとして、言われた通りに時々畑のお世話をして、ノンビリと宿の練習をって考えていたんじゃないのかな。

 春に資格を取ったって子が帰って来て、本とかを取り寄せてくれた村長や近所の家とかでささやかなお祝いをした。そのしばらく後にツノがはえているのが道を造るってやって来てあっという間にあっちまで繋いでいく。

 街の職人っていうのが毎日やって来て楽しそうにトンテンカンってして家が建て直されて村ではなく賛同した家の周辺だけキレイになった。畑の特訓とかがあって、接客とか料理(チ〜ンだけど)とか、あとしつこく挨拶の特訓もされて夏には聖国に向かうお客、帰るお客が1泊2泊した。

 畑はグングン育って農業が楽しくなった。収穫をして冬にも植えることになっているから言われたことをしただけ。

 倉庫には収穫した野菜やゴハンがいっぱいあって「冬ごもり」するつもりだったのに寒くなってきたら次々とお客がやってくる。それに相変わらずトンテンカンしてるし、そのうちに農業が趣味とか工芸とかって人もやって来て泊まりながら色々言ってくる。

 ノンビリするヒマもないし、その人達が素人にみえないというか厳しい。それがちょっとした特訓みたいになってヒマしている村人が加わるようになった。

 ナゼか幹事ってことにされたのはウチの出来の良い子どものせいで、傍観を決め込んでいた村長を読み書きの先生役にして、子どもどころか大人達を巻き込んで(にぎ)やかにしてる。

 たぶん冬の間の余興とでも思っているんだろうけど、きっと春になっても逃れられない。生まれてから初めて忙しいって言ったし、やることが多くて大変なんだけど楽しいと感じている。それはオレだけじゃないってね。


 理由があって村にしたところとタマタマ経路にあって盲信してくれたってとこもあるんだけど、マサカって思っているよね。

 僕もそう。念のためって部屋を多めにしといた建物が増築することになったって聞いた。お仕事いっぱいあるし道々で新たな受注が入って工房のメンツを増やしたらしいし、そうなると男女関係ないし若かろうが年食っていようがやる気さえあればになっているって。

 スルッと工房ギルドっぽいのを創って、ケガの多い職人達を家族ごとケアってことにしてる。そうしたらお金持ち相手はもういいやにしたみたい。

 ド〜ンとある工房は街では仕事をしていなくて、もう落ちぶれた印象。廃業の整理をしていると思われているみたいで、お抱えの職人がいっぱいいるってことは分からない。ほとんど街に来ないし既にお家は街の外にあるからね。


 そうすると今まで下っぱだった工房に直接お仕事が来て、エライ人達に昼夜問わず呼びつけられてヘコヘコ。エラいのはすぐ値切るしツケばかりだし仕事にジャマだけどデコデコの服でしないといけない。

 そうなって初めて分かった事だったけど工房には飾りがあって立派だったし作業服は(きら)びやかだったから(もう)かっているって思っていた。

 実情は見映(みば)えを整えないといけないし体裁(ていさい)を重視しないといけなかった。確かに受注金額は大きいけれど、ツケばかりでお金はあるはずなのに運転資金のための借金がものすごいという(ゆが)んだ経営だってことは知らなかった。

 今までのツケは隠し金情報を付けて国に売った。厳しい徴税官が今までの滞納分まで掘り起こして回収しているだろうね。


 落ちぶれて大きいだけでガラガラだった工房から人が(あふ)れるようになって、キラキラがジャマだった服が動きやすくカッコイイ作業着になった。

 エラそうで取っつきにくいって思っていたのがちょっと(あこ)れる仕事に傾いているのは別の理由で、身なりを機能的に変えたら視線が来るようになって身だしなみに気を付ける。それで乱暴な口調は使わなくなる効果とかあると思う。

 見られる事で(よく見せようと)意識するのが人で生活の安心や()甲斐(がい)が人格や性格まで変える気がする。

 そうなると目立っちゃうし、いちいち入街で税を払うとか街の仕事をしていない理由を詮索されるのが鬱陶しいって大使館村に移住って流れ。あんなにみんなして伝統がどうのこうのって、イチイチ街に帰るだったのに移住はアッサリ。


 新しい村はこんな感じって計画はあったんだけど長期計画だったのにイケイケしてて、手が完全に足りないって思っていた村の日常(畑や工芸品や特産品や読み書きとか)までの口出しが押し付けじゃないからスウッと受け入れた。

 ボクがこうすべき(最良って)してる計画にはトゲトゲして反発とか抵抗とかあるんだけど、無垢(むく)な鬼さんとの交流とか、本気で心配している工事にきている職人とかの言葉が付くと受け入れてくれる。

 村人が困る前に手を出してくれるから、寒村の消極的な人達も明るくなったり積極的になったり懐柔に難航していた村民とかも(なび)いて・・はなかなか。


 ヒツジの村の勧誘に失敗したのはそういうことで、いきなり子どもが来て「ボクのいう通りの農業をして」という誘いにのってくれるというのは大間違いだった。

 村を全部造り直すしお仕事はヒツジを育ててリネンを一定量作ってくれればイイヨっていう、すごく条件の良いお誘いだからみんなが喜んでくれるはずって。

 スタートは大失敗なんだけど、結果だけみれば狙っていた地域を掌握したんだから大成功ってなるのかもしれない。指導役もそこにいた人達だものね。

 それが最初はたったのふたつで自信満々だったからショックだったんだよ。

 あそこは聖国圏だし帝都ですぐ気が付いてくれたように、ボクも有名になったと思ってた。砂の国のことはフホンイなんだけど、同じ大国だしってね。

 まあ知らないにしても、あのカッコイイ飛行の道具をみても首を縦に振ってくれなかったから、その後のコトはバッサリだったけど。


 二回目のスポーツ大会を成功させるためには集まりやすくしなきゃで、それには道がとっても大事。

 いつまでもガタゴトじゃあ速度出せないし、ノロノロやテクテクが危ない。既にある道や町や村を何とかする時間はないの。

 南北に繋ぐ道の整備をしてるけど人力だから2年経っても終わらないし、キレイに整地はしているけど、やっぱりガタゴトだったりする。

 パッと造って途中に泊まる村もあって景色も整備して・・とか計画したけど、それは絵に描いたモチだったのに鬼さん達が興味を持ってくれて道造りや村の基礎工事をしてくれたというのはインフラから見たらそう。

 その前に村(宿をしてくれる人達)を用意しないといけないというのがあった。

 でね。どうしたかというと子どもに声を掛けたってことで、お菓子や絵カードとかをあげたってだけ。

 行商人はどこでもやって来てて、布やシオ、筆記具や化粧品にナベやナイフに皿とかの生活に必要なものを売りに来る。軽くてかさばらないというので防水箱の菓子やゲームやカードっていうのが加わった。

 娯楽の少ない日常だし閉鎖気味の寒村では刺激が少ない。

 販促用に一人一回あるいは一個でカードやお菓子をもらうと次に来た時にってお手伝いを張り切ってする。それで子ども、時々大人に新しいを受け入れるスキができるってことで、僕の提案に乗っちゃうような(あま)〜いのがたまにいる。

 大人の警戒って全部拒否ってだけ。命令されるのに慣れすぎて言える相手には偉ぶりたくなるものみたい。なので良し悪しや未来や現状の不安まで無視して「だが断る」を言いたいだけのようにみえる。

 僕らの差し込んだモノは新しさを感じて素直になれる。・・って確率はかなり低いんだけど村はポツポツでいいからそれで。近かったらニコイチにするだけかな。

 それぞれの造った宿の村がかなり離れているのはそういうことで、かなり移住にニコイチが発生してるけど寒村はどこも一緒の状況だしね。


 今はある一点に向かうルート上が賑わっているといってもほぼ僕らのお客だけだから道はスカスカでビュンビュンって往来してる。

 他の道は主要道を石畳みにしているけど、敷設が大変だしメンテも大変だから放置気味。それでも雨には強い。けど(なら)しただけの大部分の道は雨の時は危険だし、荒れ防止とか崩れたとかで、しばらく通行止めってこともある。

 旅行では行き来にかなり余裕があるのはそういうことで留め置かれる人達で宿が儲かるって図式になって、街道が栄えるってことだった。

 村には早く着いて欲しいし途中の車窓を楽しんで、宿では(くつろ)いでもらいたい。

 宿や村にお金を落としてねというのは同じようにあるんだけど、そこにはステキな時間や快眠やキレイだねがあって欲しい。おいしいのスタート時はほぼ出来合いなので味が同じで今後の課題だし、お土産にそれぞれの特徴を盛り込むとか特別なモノにしていきたいよね。


 ずうっと馬車は木製で、鉄が多く使われるようになって積載量が増えたんだけど重くなって乗り心地は悪くなった。それを布を重ねてごまかしていたんだけど、緩衝装置や強度計算という考えを持ち込んで剛性を高めつつ、快適性や積載量を増やしたのを出して大いに売れた。

 想定以上に積んでも台車部分の強度はある。けど高く積むとズッシリ車軸に掛かるし重心が高くなるとコロンする。技術的注意をしないというか冊子(説明書)はどこ行ったのだろうし、市場にあるのが劣化コピーで設計とか気にしていないし、そもそも材料の品質が悪いよ。

 馬車はどんどん重くなっていって鉄輪が土を削って石を割るし、ポロポロと落とし物をする。それが道を痛める原因だしケホンケホンのもと。雨で緩んだところをザックリ削っているのが想像できる。

 それを何となく解決しそうな新しいのを出していて従来品よりも安いんだけど、前の製品の方が人気みたいで相変わらずガリガリでコロコロ。

 僕らの道の進入は専用なので出来なくなっていて村民も馬車使いたいなら村道とかっていう排他的にしている。けれどこうまでしないと決まりを守るっていう基本的な制御(倫理)っていうのが備わっていない気がするからね。

 無学にされてきたっていうのはあるんだけどココロ(社会性とかの)の成長の方も(おろそ)かでそれはエラい人からも抜けていると感じる。

 なので当分(がいつまでなのかは分かんないけど)は僕らにとってはアタリマエの事も禁止やすべき事項って刷り込みをしていくつもり。

 たぶんそういうのが多くていっぱいになるだろう。でも充実感みたいなもので楽しいはず。僕からするとノンビリとしてゆっくりなんだけどね。

だんだんと分かってきたんだけど、環境によってココロの動く速度が違う。

学びを継続してしてて自発的に考えられる人達の方が速くて、ノンビリと

生きているだけの人達は遅い。

それは充実感だったり気持ちの容量とかにも影響するようだけど、表面上は

分からなかったりする。それがどういうことなのかは考えてみてね。


見てくれてありがとう。次の金曜日もヨロシクね。

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