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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
第22章 残暑ってお得な気がするよ。
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886 興味を増やしてみる。11/19

11月21日 土曜(冬、学年末試験が終わって学校はおやすみ)

ずっと冬は籠もっていていっぱいお休みだったのに、その時は少しだけって

まるきり記憶がなくなったようなことを言う人達ばかり。

冬は短かったけど、今よりももっと長い期間休んでいたんだよ。

 前はあんなに長い期間休んでいたのに、秋を楽しんで冬はユールの飾り付けがキラキラしている今の方がずっと長い期間のように感じているみたい。かつては40日くらいから60日くらいで、90日っていうのまでいたんだったよね。

 休み倒していた人達って今はどうなのかな。前はみんなして休まないとって感じだったけど、冬のお仕事を作ったし困難だった旅行も行けるようになった。

 隣街程度なら日帰りでも行けちゃう。それでも全部ではなくて沿海地域の僕らの拠点があるところだけでパックツアーなら移動が早いし現地の時間が増えてお得。あっちの方はまだ毎日人を乗せるとはなっていなくて荷物運搬のついでにね。

 無人のウマなし馬車が定時運行しているっていうのはオカルトみたいなもので、普通ならドコに行くにもテクテクする。そうなると時間が掛かるってことでサッと行って帰れる程度の距離になるのは当然というか歩くのがいちいちメンドイ。

 そんなだから街のなかでも行くのは近場ってことになる。


 旅行とか一生に何度行けるかっていうが当たり前の認識だったから、そこでケモノが出るとか野盗に襲われるとかは冗談だと思っているのも普通のこと。

 行商人や荷物運搬業とかは知っていて仰々(ぎょうぎょう)しく隊を組んでいるとか、やって来る内陸の徴税官(ちょうぜいかん)とかがズラズラ引き連れているのはエラいって見せびらかしているんだ・・と出かけない人達は思っていたらしい。

 だから近隣の村が襲われていると聞いた時もホラ話で町のハズレにいる素行の悪い衛兵達と(つぶ)し合えとか酒のネタにした。

 それが盗賊と衛兵が同じで襲っていたのが本当のことって分かったのがものすごくショックで急に現実になった。危ないのが本当で地方からやって来る人達が実は幸運だっただけと分かって、外の興味が大きくなったのは多いんだろう。

 あの時から街が活発になった気がするんだよ。


 こっちも寒い期間、冬のぜんぶを籠もってオナカが減らないように眠ってやり過ごすクマのように・・なんだけど人は眠って時間を飛ばすっていうのは出来ないから、ひたすら息を(ひそ)めてチビチビ食べて時間が過ぎるのを待つってことをしてたみたい。

 冬にお仕事ができて寒いって言い合いながら大勢で、暖かいのをオナカいっぱい食べる。腹ぺこな冬はどっか行って、ちょっとだけ楽しいと思っていた秋や寒いだけの冬が長くなってどうしようかしていたら、色んな服やカミやモノやイベントを持ち込んだ何とか商会が冬も楽しくしてくれる。

 友達や近所の付き合いで誘われたりして行ってみたら案外楽しくて美味しい。

 東の方ではそんな感じで誘導は上手くいったんだけど、西の方はまあ余計なというか色んなのが偉そうにしているからか、あんまりノって来ない。

 お花では弱かったし食べ物とかブツにして目先を変えてみたのは良くて、ちょうどスポーツ大会があったからとか遠くの大国では楽しい事しているよとかっていう誘惑作戦という回りくどいことをした。


 農業大国の流通が切れたらゴハンに困るという想像力がないエライ人達にタメイキしながら販売できるルートを繋いで、それが悪い事とかにならないような雰囲気作りや事実上の承認というのも引き出せた。

 それで堂々と販売をして主食の枯渇(こかつ)という危機は避けられた。エライ人達はそれには気付いていないみたいで何も変わっていないんだよね。

 あの人達のゴハンは国中の農家の元締めみたいな組織から入ってくるから困らないし、大豊作とかいかないまでも恩恵はある。

 外からのは国のお仕事で大多数の庶民向けだから入荷がなかろうが不作だろうが原因や量を気にしなくい。途絶えて仕事が楽になったとでも思っていそう。

 困るのは船を出せなくて仕事にあぶれた人達なんだけど、早々に僕らの新しい港にスカウトしてる。オラオラな元締めって人達は要らない。

 漁をする人達は連邦で確保したものの、あそこの水揚げはかなり小さいから聖国圏まで視野に入れているから当然人員は要る。

 まずはサカナ食を広めるのが第一なんだから嗜好品(しこうひん)程度の量では足りない。それでソコソコの規模の漁村民(ぎょそんみん)のほとんどが移住して来て、さあ漁とはならずに村作りをずっとしてもらって寒地対応のパネルを持ち込んで、あっという間に全員分の家が完成して冬を迎えた。

 けれどいつものように冬はお休みとはならない。

 油がノって美味しい季節だもの。暖かい服でエ〜ンヤコラしているよ。


 最初から街規模で区画整理してインフラを用意してるし、当然のように養殖技術を持ち込んで研究好きな人達も招聘(しょうへい)して研究の場所を造った。

 獲った分が減らないように卵を採取して孵化(ふか)させて育成して放流をする。

 大きくなるまで全部したいところだけど、そこまでの技術はまだないので今後の研究次第ってドカンと目標を置いて、確立出来た方法をやってもらいながら僕らに負けるなって(あお)ったりするよ。

 魚種はまだ片手くらいしかないので、さらに研究をして他の人の指も借りないと間に合わないってくらいにしたいよね。

 貝や海藻(かいそう)も当然するんだけど、こっちとあっちでは好みが違うというのが分かったりして扱うものは違ってくるし、西のが東のも、東が西のも育てて安定生産をしといた方が安心する。

 東の尻尾の人達が育てていたのが全滅っていうのあったし、流されるっていうのもあるから備えておかないとダメって身に()みている。

 そういえば湾にあった村とかどうだったんだろう。イジワルだったあの人達と話したことがないそうだし普段から近所づきあいしていないと転居先が分からなくなるよねということにしてる。

 あの村は危機を察知して村全部で避難した、そういうこと。


 シルタが水産資源でも台頭してくるのを気にするかなあって、いっぱい空いてるところにあの美味しかったオマールの淡水の養殖場を作る予定で企画(育成から販売の計画、販促とかまで)を渡してある。

 方法は前に(ルミナリエ町があった時に)確立していて、大規模にするための研究をしつつ育てることになる。本生産の目処が付いたらニンゲンを集めて陸でにするからやりたいという人達が出なければしない。

 淡水の方が水温管理とか水質の汚れも管理し易いし観察もね。畑のように好みの質というのもあると分かっていて標準器して調べたりしてた。

 ゴハンも当然バランス良く()きの来ないようにした方がいいし、外的要因を切ってさらに観察して色んなトコで試食してもらったり、どうせなら最適をみつけたい。

 前はそういう視点が欠けていた東の試験場のような何に使うか目標も無いのではアピール出来ないから、どちらにしても新政府には売り込めなかっただろうね。

 何か良さそうなのを造るってことをしていたけど、目的をそれぞれ決めて細かく記録して様々な要素を全部把握って視点がなかった。そんなだったから新たな気付きを見逃すことになっていた気がする。

 面白い種類が出来ていたのは長期間だったみたいだし偶然の積み重ねだったんだろうね。実際、例えば酸っぱさっていうのが土にもあって、前は感覚的に灰を混ぜたり石の粉を加えたりしていたんだけど、それを数値化して調べたってところ。

 他には空気(土の粗さ)とか水分量とか、風とか温度とか空気の圧力とかね。

 それで比べたら養殖の方が美味しいという結果が出た。だいたいは天然モノの方が良いんだけどオマールについてはそう。

 脱皮を何回もして大きくなるんだけど、その時に弱くなっているから岩とかパイプを置いておくとかして隠れる場所を作るといいとか観察を見逃さないから分かってくるのって楽しいね。


 街の一等地を返した代わりに広めの土地を押しつけられたのは端っこの陽当たりの悪い区域で空き地がほんのちょっとしかない、つまり嫌がらせ。

 けどね。人工密度が多いってことは働き手もいっぱいるし無職な感じ(仕事を求めている)のもいっぱいってことだもの。

 空き地は小さな家が建つくらいって場所。ここでガマンしとけなんだろうね。

 余計な事をするなって意志がよっくわかる。

 前は(ろく)でもない家を建てて追い出せたから、今度は空きのない土地にして干渉してくるのをヤメロってところだろう。

 なければ作ればいいの。野っ原や林、あと畑にポツンと塀に囲まれたところが街というのが普通の形態で戦いに備えているってことになっているんだけど、攻めてくるような戦いは久しくなくて、近くの村には家畜の柵くらいしかない。

 そんなでも何かに恐れて塀は改修するし、拡張工事もしているみたいでかなりイビツ。どこまでがスラムかとかどうでもいいことだろう。

 ジメジメしていた地区の外は湿地だったけど、畑の他の荒地は僕のだし整備して要らない塀はなくしてる。

 チマチマした建物で平屋だからゴチャゴチャで狭かったし汚かったんだけど、4階くらい(東風にいえば5階)にして狭かった部屋も広々だし天井も高い。階毎に水洗のトイレがあって巻き巻きやシュワ〜付き、キッチンもある。

 そして住民が安価で利用出来るお風呂棟(もちろんお湯タップリだし、一般的な蒸気のもピリピリするのやブクブクやビュ〜もある)も造って遊ぶのも少し。

 だけどそうとはみせないようにあっちからは古く壊れそうにみせてるよ。

 取得した地域は庶民が住む地区の一部だから、そのぼろさに見かけを合わせているんだけど渋くてステキでしょ。

 高い住居がズラッとするといっぱい住めるってことで、新たな働き手もウェルカムできる。場所のせいで家賃が高くてボロで狭いのを引き払ってこっちに来るようになっていくから、迷路みたいな高層めの建物地区が過疎(かそ)っていくかなあと。


 エラい人達は嫌っている場所には近づかないし知ろうとしないから気が付かないままで住んでいる人達や見回っている市民兵がワザワザ都合の悪いことを言いふらしたりはしない。

 中央部の商店街には相変わらず立ち売りがいてニュース誌スタンドがあるくらいで、特別な立ち売りはしないしポツリあった店とか裏通りが(にぎ)やかになるきっかけの店舗も引き払っているんだけど、庶民の家からはちょっと遠くて実は街の大多数がスラム(とエライ人達が勝手に言ってる)あるいはその近くに住んでいる。

 そういう形態は割とどこも似たような感じだった。

 広いと思っていた中央広場は木々がないからだし改めて見ると狭い。ポクポクと来ていた作った村との連絡馬車は姿を消してスラム・・差別というより自虐的意味合いあるから止めて名称の募集してる。

 街の住民の大部分は庶民だし安く()き使われてきたんだけど、同じ庶民相手に商売が出来ればヘコヘコすることもなくなる。いないもの扱いだった人達も僕らの地区に住めば人頭税を払うことになって政府には税金がいく。これで一時期下がった水準には届いたはずだけど、街の国民の数はあんまり変わらないってことで、こっちの新しい村の住民は春に外国人が増えただけ。


 庶民地区にはSCM(ノラネコ商会店舗)があって広くて家具や日用品、工作具に服や薬あんど化粧品、旅行案内まである総合店で広場が前にあるから氷を張ってスケート場にしてみた。

 靴やヒザやヒジ当てに手袋を安く貸し出してサクラの子ども達がスイスイする。

 みんなに収入があれば自分用のが欲しくなるし、色んなものが買いたくなる。今までは重いドアに躊躇(ちゅうちょ)して店には入れなかった人達もオープンな総合店では散歩がてらにブラブラもできる。

 自分で作らないといけないからってパンだけしか買わなかった人達がおかずを買ったり、ゴハンセットやデザートまで買って食事が豊かになったし、昼食(ひるしょく)の習慣がつきつつあるんだけど、作ろうという方にはいかないみたいで調理する器具はあんまり売れていない。

 SCMは街や村の(近い将来的にみた)規模で内容を調整しているから、小さい村だと提携宿にコーナーやそういう部屋がある程度というところもあって、寒村がだいたいそんな感じ。


 村は生活の余裕以前にオシャレとか美味しいとかっていう意識が乏しい。

 まあ余裕がないからって事なんだけど、僕に言わせてもらえれば良くしようという意欲が薄すぎだし、(あこが)れが足りない。

 そんなだから若者が出て行くことになるんだし開墾(かいこん)をがんばって農業を勉強して生産力を上げるとか炭焼くとか粘土()ねるとか鉱物探すとか、カミ作ったり織ったりするための草探したり育てたりってやれることはいっぱいある。

 分かんないって留まっていないでやれることを探してジタバタしてみなよってことで黙っていたら分からない。資格試験ってカタチに乗って助けてって言えば良いじゃないって思うし、落ちたのはそういう環境がないからだから支援してくれくらい言ってくる元気なのも期待してた。

 初回とか面白い思いつきとか先駆者は尊重したいしするべきだと思う。

 僕がお節介しているのはそういうちょっとしたことで、ノルマってしてやる気を掘り起こそうとしてる。繋ぐ道はオマケなだけで、良くしようと思わないと景色だけではお客さんは来なくなる。期待に応えてくれないとスタートに戻すだけだし、すげ替えだってする。場所に(こだわ)りないみたいで何か不満じゃあ解決はムリだもの。


 楽しいって雰囲気になっても自分から「もっと」になる人は少ない。満たされていればとも違うし、不満を持っていればとも違った。

 色々してみたけど踏み出せる人のトリガーは分かんなくて、ガッコでは何でも体験して学ぶっていう逃げみたいなカリキュラム(授業やテーマやイベントとか)を時間切れで取りあえずしててウマくいっている気がしているだけ。教育論とかいうのはおこがましい。ただ分かるようにって内容にして詰め込んでいるだけ。

 それなのに教育者プログラムとか作って先生の育成をしてる。これがよく分かっていなくて、実は成り行きしたことをなぞっているだけとか言えないんだけど、後付け(言い訳)は得意。もう少しこのままでいけるかな。


 秋のイベントで雪山をしたとか氷で遊んだとかでも冬のスポーツには繫がっていない。国を動かす理由付けにはなったみたいだけど、よく分からないのに雪山に派遣される兵士とか運動得意だから出来るだろってされる人達がカワイソウ。

 せめて来て後悔しないように宿は暖かで快適にして、競技を楽しんで大好きになってもらってイヤイヤではなく、前のめりでやってくれるようにしたい。

 里でもしてたし、街でも三ツ滝村でも楽しいに出来ていたし、競技にするためのトライアンドエラーもして出来上がったのは自信を持ってお出しできる。

 ただ見に来るだけのエライ人達もすごいって言ってくれるように大いにがんばってみるね。


 スポーツ大会の時は既存の競技と他って感じで、エライ人達は分かってるって誰も来なかったんだけど、ニュース誌とかでみんながもりあがったし街でポンポンしている人がいっぱい。移籍とか続いて街の復興に効果的だったりして政治的にも意識しないといけなくなって夏の大会の時はエライ人達もいっぱい来た。

 たぶん自国でした国際大会とかそうではない試合とかも観てはいなかったんだろうことは想像がつく。

 聖国に初めて来てデッカイ競技場やステキな体育館や施設に街並みを見て、きっと何かを感じているだろう。気にしなかった勝ち負けとかも「たかが」では済まなくなっているんじゃないかな。

 まあそれで初めてだから稚拙(ちせつ)でも許してねとはいかないと気付いているだろうと前入りを推奨している。(何をしてるのか知っとけってね)

 知らせていない水泳の足がつかな〜い棄権とか泳げない問題とか、側転もできないとか蹴上(けあ)がり出来ないとかの「お見せできないパフォーマンス」は誰でもわかるし、お怒りすると思う。

 まあそんなようなお手紙をコーチあたりにナイショで送っておいた。だから選手を出しそうなところは()れなく来ると思っているんだよ。

新しい大会を成功させるためには、もう「できましぇ〜ん」は通じない。

お試し会とは言ってもエライ人達は無茶をいうものだから、怒られない程度には

体裁ていさいを保てないとダメだろう。やるなら楽しんでもらいたいというのはある。

もうやれば良いだろうな態度の人達はお断りという本音は隠しておきましょうね。


汗をかきかきアップできた。金曜も間に合わせるから見に来てね。

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