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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
第22章 残暑ってお得な気がするよ。
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885 かけっこ大会の後始末。11/18

11月18日 水曜(旧暦冬、高尚な精神論は後からついてくるかな)

雪はやっかいものって思っているのがほとんど。

西の方ではどこも雪に悩まされているってこともなかったりしているけど

物流の中心は北の方だったから雪で物資が来ないっていうのは冬の当たり前。

季節が長くなっても()もろうとするのを外は楽しいよって誘っているんだよ。

 ゴ〜ルってしても、そのために用意した大きなタオルで(くる)んでくれる人はいなくて、それは僕だけじゃなくて他のみんなもだった。

 山積みしているところからご勝手になのか分からなくてオロオロしているから山から取って「わ〜フカフカ」ってワザとらしく大きな声で言う。それに気が付いたようでボンヤリしていた(たぶん)役所の何人かがみんなに配るように動いた。

 前回は到着して来る人達を見ているようで見ていない感じだったけど、そこは屋台がいっぱいあって(にぎ)やかで、到着してくる人達をタオルで全て(くる)んでいた。


 それは駅伝で最初に始めたことで、お疲れさまって普通のタオルを渡すところだろうけど、バ〜ンってしたかったというのもあって湯上がりタオルよりも大きいのを用意した。駆け込んで来た人達は思ってたよりも疲れて乱れていたからかそれをバッて包んだのはアドリブというか自然に誰もがそうしていた。

 それがイイナって思ったのは、きっと僕だけじゃあない。

 長い距離を走って来て「タオルで包まれる」のを期待したっていいじゃない。

 それが申し訳なく取りにきて案内してくれる人もいないってガクってした。それだけじゃなくゴ〜ルにはもう動けんって人や迎える人もいて満員でワヤヤ。

 春の記憶はまだ鮮明でパチパチしてくれることもなく、構ってくれないのもガックリする。何か満員だし作業で忙しそうに記念品を押し付けられてオワリ。

 こういうの、なんかなあというのがその時の感想。


 翌日に新聞を見てあ〜あって。

 10KMコースは隣街にあって、その他はこっち。案内が秀逸で大きな看板で分かりやすいし、もう限界そうな人も応援する人達が声掛けして戸惑いがなかった。

 会場は規定の設備以上にあってケアしたり(ねぎら)ったりしていたってベタ褒めされていて、大会より会場の評価になっているのがオヤ〜って。

 それが橋を渡ってから応援者が全くいないというのがずっと続く。これはって説明がされて応援者がずっといることで元気づけられていたというランナーのコメントがいくつか。

 給水所で渡す人がいないのは今回が大勢というのもあるけど、箱積みを開けて自分で取るとなっていたのはいただけない。扱いが悪いとマナーもどっか行って飲んだ後、使った後の残骸(ざんがい)が道とか路肩に散乱。職員はいなくてパートがたったの2〜4名でオタオタしていた。それまでは30人体制でマナーも悪くなかった。

 ポトリあったのは見たけど汚いというほどではなかったから、あの後がすごかったんだろう。誰かが道にポイ捨てすると自分もってなるけど、しない強さを持って欲しかったな。あれはカッコ良くないし、危ないよ。

 転倒した人は走者同士で助け合って路肩に移動。誰もが軽傷だったのは幸運だったことでゴールした人から商会に連絡が入り、ケガ人たちの回収をしていたのまで書かれていた。


 20KM地点では分かれ道の案内が小さくて一ヶ所しか見ていない。事前に知らせる表示も全くなく、たいていの人達が見逃して直進。かなりの距離を進んで20KMゴールを見て間違いに気がつく。それで来た道を戻らずに高台方向に進んだから間違う人達は最初から最後までいたって書かれてる。

 コースではない道だから給水所は当然ないし、飲み水をアテにしていたのが大半で上り坂だったし、ノドがカラカラになっていたよね。

 僕が走っていた時に上の方までちょっとしか見かけなかったのはそういうことで給水所のボトルが整然としていたのは来る人達がいなかっただけ。

 元気がなかったのはボトルを箱から取れっていうのが分からなかったんだろう。

 曲がる目安が高台とはいえ、ここから坂が終わっているよとはなっていなくて、どこも同じように整備した道は見分けがつかない。

 それで表示が大事だし、準備というか事前にも表示が必要だよってしてるし、今どのくらいまで来たっていう目安的なのも要るってしてる。前回は100Mごとにあっても余計とは言われていないはず。設置は大変だったろうし撤去もある。真っ先にカットされそうとは思っていたけど、初めて来た人達があんなに小さな表示を見つけられる余裕はないんじゃないかなあ。

 それで高台の曲がりでまた間違えたって。あの道だと坂道の終わりのとこって家があった場所だから、細い道をくねくねして向こうに出る。

 大半の人達は間違いルートで走ってきたから表示は当然なく行き止まって曲がって曲がってコースに戻る。そのあたりで最後の給水所があって乱れたのはそんな背景があったんだねえ。


 迷子の距離はそんなに違いはないはずだけど気持ちはクタクタ。僕が感じたよりも優しく受け止めてほしかったんじゃないかな。

 僕の後ろに集団があったのは、目印として目立つ髪がヒラヒラあったからなだけで誰かはどうでもいいこと。僕は視覚だけではないし全部道は敷設して立木の種類まで把握してるから間違う事はないんだよ。

 (とど)まる気は元々なかったんだけど着いてガッカリだし、すごく混んで大変だったからサッサといなくなった。

 全体では前の方だったけどそれでもアレだもの。人数は後ろの方が多くなるし疲れてケアが必要なのが増えるし、お迎えだって多くなる。あんな狭い広場じゃあなく、その後方の設備まで全部使ってするべきだったし、スタッフがあの程度って有志募集程度しかしていないようでパートも足りない。予算はしっかり取ったはずだけど何してんだろう。ちょっとひと荒れありそうだなあ。


 記事ではあの後もっとひどくなったみたいで、役所に怒鳴(どな)り込むという人達が何人もいたみたい。

 僕らを提供だけにさせて高評価総取りにしたかったみたいだけど、事務を大勢でしているくらいなのに少人数で、初めてのことが上手く出来るわけないじゃない。

 だから役所が総出で対応して、さらにたくさんのパートを集めてするっていう計画書を作ってそれに合わせた提供を提案した。実際に走ってみて、支援した物資は半分も必要ではなかったし、お弁当がかなりの数ムダになったと思う。

 記念品の受け取り時に照合をして渡すことになっているんだから、在庫と合わない分は返してもらうことになる。

 どうやらそれを抜いていたりしているし、こんなんだと予算の方も着服していそうなんだよね。まだ最高スペックのシステムで全部処理していて、ウヤムヤにし易かったカミではないんだから、ごまかせるはずはないのにね。

 付け替えとかで引き抜きしようとした書類は全部首長のところに届いているんだろうけど、あのおじさんもブレーンな人達も昨日は走っていて、お休みを勧めていた通りに数日なった期間は家でダウンしていそう。


 処分を受けた人達の多くは退職するだろう。メンツに(こだわ)るからだけど絶対踏み込めないってしていた伏魔殿(ふくまでん)なエンコ達も僕らは突破してる。

 この辺は再利用は出来ないからヒモの根元の方に引き取らせてオワリだったんだけど今度の人達は正規ルートの官吏だから賢くてベテラン。

 負い目をザクッと埋め込んで、増長も慢心もしない優秀な人材を大量に獲得して斡旋(あっせん)業の商品にする。街が縮小しても売り先は増えて多様化しているんだから、賢くて指導力のある人材は必要だった。

 瑕疵(かし)があるのは使えるの。ポッキリ折れたお鼻は費用(給金)や扱いの上でも都合が良いってことになる。ここに来ている官吏はたいてい地元の後ろ盾がないとかや中央では居場所が無いという人達で、上の方のポスト(役職)自体がないという上限が低いんだから進んで来るのは地元民くらい。

 なのでエンコじゃなければお仕事がないと思いこんでいるから、拾って良い人材ありまっせするのが僕らの商売。アフターケア(監視)されている人達は重要なポストになるほどチェック(周りの目とか)が厳しくなるから悪さは出来ないし、いい人ぶらないといけない。

 その内にそれが素になっちゃえば自身にもよいことになるでしょ。

 悪い環境が悪い人にする。反面教師にも出来なかった弱さに付け込まれて腐乱(ふらん)しかけていたけど、悪いトコをホジホジしてマトモな環境におけば、ちゃんと育っていくと信じてる。(くさ)りすぎていたらいたで利用法はあるよ。

 人材斡旋(あっせん)としては過保護だけど、そんなこともする。もったいない。


 こうなるとは思っていたけど、ココまでヒドいとは想定はしていなかった。

 役所で責任転嫁に巻き込まれたら大変だから前回有志参加してくれた人達はランナーや応援役になって、企画を奪った人達の独断(って実際にそう)というカタチにして新聞記事でそういう方に誘導するつもりだったんだけど、隣街の役所や市民からの抗議が速攻で届いて、商会からの問い合わせ(在庫が合わないとか、提供資金と実態が合わないとか、運営のこととか)は調べてあったし今日出したよ。

 前日までに応援の送迎についての問い合わせが役所に殺到して受け付け業務がパンクして他部署が対応とかもあったらしい。

 お粗末くん達の追求とかは調査は終わっているし、処分はこれからなんだけど受け入れ準備というか処分ありきで皮算用している。役所はまだまだ人員過多だと思うし、民間は傷ありの安く使える人を待ってま〜すしてる。

 仕事はいくらでもあるし物価が安すぎていたからもう少し上げても良いだろうし給金もそれに追従できる。もう役所の給金に追いついていて何が何でも官吏という感じはなくなってる。


 このままでは役所の運営に支障が出るから春にはベースアップを起案して・・というのが上からというのは変なの。システムは僕らのだし、どのくらい人員を減らして新規採用をすべきっていうのは去年には出来ているんだけど、退職者ありきの計画は表に出せない。今回ので予定人数にいきそうだから、また大きく再編をするというのを僕が起案しているのも言えない。

 こういうのが落ち着けばシステム依存なのを減らすから、それまでに再教育や新試験(イコール即戦力)が浸透するだろうってところ。コネ探索とひたすら暗記に使っていたリソースを公開(発売)されている教本やそのドリルだけをして、実務重視の試験に受かった人達が満遍(まんべん)なく配属されるのはもう数年かかる。

 試験の権利を得るだけで苦労していたハードルがなくなって職業の候補に官吏が入るようになったし経理や事務っていう仕事も重要さが認識されてチラチラする。

 親の仕事を引き継げない3番目以降や性差を気にしないでも良い仕事ってことで勉強熱が上がっている。それを見ている子ども達の意欲が少し上がっていて、今なら塾もいけるだろうけど農業ギルドとかのは店も撤退してる。

 なので学びたいなら町のお店でドリルを買ってだし、買うためには仕事(お手伝い)をいっぱいすることになる。


 まあそういうの考えるのは、その土地の人達でそこにいる官吏やエラい人達。

 考えて悪だくみしたり阻害したり遠巻きにしたりした結果が僕らの撤退(とはしても海側の土地は抑えていて、半分以上になるように買い進めてはいる)を引き起こしたってこと。

 楽しいウマレース場、遊戯施設、新聞の支社、ギルド、酒やミソ工房が撤退してイベントはもうしない。モノは変わらず海の方の店で買えるんだけど、全部がどこどこ産になって地元のものを扱っていないことに気付くかな。

 最初は満遍(まんべん)なく発展を目指したけど熱はまばらだったし、全部をするには人員が足りない。とりあえずキッカケは等しくしたので好意的ではない所は引き揚げてイケる場所に集中するのはまあ考えていたこと。

 どこもがイケイケで乗ってくるというのは幻想だったってだけ。

 人が多い少ないというのは誤差って考えているから、判断は僕らのすることに好意的かどうかだけ。

 明暗を付けるっていうのが希望みたいっていう理由も出来たから、出し渋りも止めるつもり。


 かけっこ大会の不正が当日まで分からなかったのは手を付けたのが商会(の提供資金)パート枠だったり役所の応援枠ってことで実稼働する人員をカラ予算してそれぞれの自分の部署に振り替えた。きっとプール金(裏資金)になって自分用に使おうとでも思っていたんじゃないかなあ。

 商会は金だけ出せって感じに運営会議には呼ばれなかったし、僕らはスポーツ大会(あと次の)や秋興行を成功させるのでいっぱいだったから調査とかはしていなかったんだよね。

 運営も地域で分けてたみたいで河を渡ってからガクンとお粗末になったのはそういうことだったみたいで人が足りないとか、前の失敗(レポート)が活かされていないとかで案内板もそうだったってこと。

 役所内では意欲も関心も低くて悪だくみ連中の制御がなくて放置だったみたい。

 予算はあるし実情に関心があれば募集をしていないことが分かっただろうけど、カラ伝票を予測することは高度なシステムでも難しい。

 僕の基本は性善説みんないいこなんだから、事後の分析ばかりだもの。


 まあでも付け替えなだけなので見かけ上の損失はない。けれど走者だけでなく市民の信用を大いに失っただけでなく、大スポンサーの商会や隣街に借りを作った。

 カラ依頼が生きていて大量の弁当が廃棄(肥料行き)になって、スタッフ用の資材が在庫(名称をプリントしたのとかが廃棄)となったのがショックだった。

 最初ボケっとしてた担当者が参加賞を渡していなくて、僕が到着後も度々起きたようだから役所の全員が早帰りの日を作って謝罪あんど手渡しをすることになる。

 これを理由にして主催を引き()がすことにするから役所の関わる楽しい催事はなくなる。不始末するだろうとは思っていたんだけど、ボヤッとした感じで理由付けが弱かった。それがこんな事になっちゃって、あ〜あって。

 少し渋っていたんだけどコレで次回かけっこ大会の主催あんど自治体独立となるだろう。一番活発なトコが隣街ってことになるみたいだよ。

走って楽しかったねえで終わりたかったんだけど、こんなにやる気のない運営では

楽しさも半減だもの。

やりたい人がやればいいっていうのは、イイコトだけど面白くはないんだよね。

やることに決まったなら楽しく元気にやってほしいんだけど贅沢(ぜいたく)なのかなあ。


う〜ん楽しかったカケッコにケチが付いちゃった。

火曜日のは楽しいお話しに出来るかな。

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