↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
第22章 残暑ってお得な気がするよ。
PR
893/908

882 村造りは順調みたい。*11/12

8月12日 木曜(冬、雨はその土地の適度なのが、すばらしいね)

ちょうどって大事だし多すぎ少なすぎも良くない。それがどのくらいと

いうのは経験をして影響をみてようやく分かることだもの。

それが初めての場所ってことならすっごく大変ってことだよね。

 あっつい村の収穫作業は問題なくて、既に刈り取りしてた初回分は全部出荷になるんだけど、その次のはザクザクっと切ったりジャ〜って茹でてショーユをヌリヌリしたり、スパイスで穀物を炊いたのと炒めたりで食いねえ、飲みねえの収穫祭をして配分をした。

 残念なお知らせというか畑のほとんどが食べられない(飼料用だったり材料用だったりする)もので、人用のは少しだけだし全部が出荷用。順番に収穫にしているから定期的に収穫があって、常に豊作になるから楽しいよ。

 今までそれぞれにあったゴハンの木の実やイモはそのままだから労働がオンされただけ。僕らのは外れの方でやってもらったオマケみたいなモノだったけど、冒険者を撃退(いやナイナイ)した後に僕の口車に乗って周辺の村も巻き込んで超拡大。

 土台を作って(インフラして)家の材料を提供(建てて)した。労働はその対価なんだけど、甘味だけじゃなく食べられるのも収穫して調理。レシピはこの超貧乏舌用に用意したもので、食えればいいだったのが味を感じることになる。


 ただ甘味で懐柔された人達はのんびりとした生活が楽しいでもつまらないでもなかった。だから欲望をツンツンされただけで好感度がMaxになった。ムリヤリ参加させられた撃退劇では立派なモブを演じて楽しいを感じたよね。

 毎日がただ退屈だったのかもしれないし、ケモノが来るキケンや病気への恐怖という理不尽を何とかしてくれる何かが欲しかっただけかもしれない。

 なんて色々考えてみたんだけど、アッサリと警戒を解いてニッコリしたのはもっと単純なことだったのかもね。


===

 前に何度か来たことがある商隊の目的が金を掘らせるってことで、ドレイにして連れて行かれることもあるから抵抗しようって誘われた。

 数年程度でやって来る商隊の持ってくる鉄は手軽に火の料理が出来る。布はしなやかで美しいし、腕輪や首輪に耳飾りに色めき立つ。

 交換するのは岩塩やケモノの毛皮で、前回たまたま河を(すく)ったキラキラを渡した時から機嫌がすごく良くなって酒を振る舞っていた。

 それで金鉱があると思ったんだろうということだけど、キレイなだけの砂粒がスキだなんて変だよなって話したときにこっちは険しい顔していたなあ。


 それが(おだ)やかではない理由で団体で来るって甘味をくれるちびっこいのが言ったらしくテイサツ、潜んでいるだけでゴハンがあって小さな布の家まである。

 ムリヤリ選ばれて最初だけ不満があったけど、やってみたらタノシイ。

 来たって先行していたのが寄って村に帰っていく。それが何回かあって人数が多くて拘束具や毒草((しび)れるヤツ)が載っていて、商材はなかったよって。

 予想されるルートとは違うところを通らせないように林や岩が置かれていて、これはワナとして計算されていたんだって気付く。

 ラクなだけと思っていたことが重要なことで、軽く考えて聞き流していたことを仲間と出来るだけ思い出して確認する。参加した部族の存続をかけた狩り(戦い)なんだって気を引き締めることになった。あいつらの顔が引き締まってみえて、けれど喜びに満ちていた。きっと自分もそんな顔をしているんだろう。


 突然やってきたヤツらは怪しかったんだけど、ニコニコして背が高くて白いのが「こんにちは」「いい天気ですね」「ともだちになりましょう」と繰り返して手を握ってくる。

 それと小さいのがいてこっちは流暢(りゅうちょう)に言葉を話す。ただ挨拶(あいさつ)にきたらしいから適当に応対してやり過ごせばいいって目配(めくば)せをする。

 土産に寄越(よこ)したのが柔らかいもの、固いもの、粉だったんだけど、すごく甘い。

 それを置いて行ってしまった。

 時々やってきて同じ挨拶(あいさつ)しかしない。色んなのを少しだけ置いて、やっぱり甘いのをくれる。どうやら話せる言葉は4つだけ。

 そのうちに子どもと一緒に来て、子ども達と仲良くしている。何やら渡されてずっとしている。そのうちに子ども達が呪文のようなことをいうようになったんだけど、アイサツしか出来なかったヤツらに話しかけていてすごく喜んでいる。

 渡されたアレは言葉を覚えるものだったらしく、わしらの少ない言葉よりも多くの言葉でさらに新しい知識のようだった。

 逆にワシらの言葉は相変わらずで挨拶(あいさつ)が上手くなったってだけだから子どもの機嫌を取って話をしてもらう。双方ともそんな感じなので、子どもの方もいい気になってすぐ脱線する。めんどくさい。

 そのせいか、たま〜に来る小さいのに大人たちが群がる。自分から話しかけるような人達ではなかったのだけど、言葉を工夫するようになったし繋ぎの言葉や新しい単語を覚えようとしてる。

 子ども達はカミ束で言葉を覚えたけど、大人達はおかしなプライドってやつでできない。けれど新しい単語というのは今までの生活にはなかったものだから、新しい言葉(つまり共通語)になるってことだし、繋ぎの言葉だってそう。

 ひどく怪しいことになっているよって困った顔をされる。


 何がどうなってかは分からない。何となくグループにされて「斥候(せっこう)をして」と送り出された。林の片隅にいて、ぼんやりとケモノを眺めてメシ食って、星を眺めるという毎日で何日経ったのか。一緒なのはそれぞれ知らない部族のヤツらだけど、ヒマだし話をするようになった。

 誰もが同じことをして同じものをもらって、今は同じところにいる。言われたことをぼんやり聞いていただけで分かっていないとこは同じだけど、それを集めるとひとつにまとまる。

 たま〜にやって来る商隊がいて最近はもう少し頻度があったのは、今まで取引していた塩の(かたまり)との交換率が悪くなっていて「これはどうだ」って、どっかで拾ってきた(実際は河で採った)ピカピカの固まりに興味を示していた。

 かなり北の方に廃墟があるのは誰もが知っているし、ピカピカが河の砂に混じっているのを集める遊びは子どもの頃にすることだった。


 話をまとめるとそれを狙って作業させるためにここら一帯の部族をドレイにして働かせようとしていて、次に来た時に制圧すると予想して見張りでここにいるっていうことみたいだった。

 まさかなって笑った。

 それがいくつもの先行隊が通過して状況や相手の構成を聞く。だんだんと現実感が出てきて、実は重要な役目をしていると思い直した。

 何度目かの昼夜で奴らがきて聞き取りするために暗くなってから近づいて話を聞いた。すると何日か前にこういう目的かどうかを探るってした通りで、それを伝えにみんなで帰る。

 これはなんとはなしにヒマだっただけで志願した。練習したことはうろ覚えなんだけど、頭のいいケモノの群れの狩りと置き換えれば問題ない。

 こんなに広いんだから散らばってもほとんどが空振りになる。待ちの狩りであれば、ひとりでの待機で送った事も忘れられるもので適当に予想というのが難しいものだったはずのこと。

 なのに大勢いて(他の村のヤツだけど)退屈しないし食い物や飲み物はいっぱいある。やっといてされた調べ物も仕方ないからする。空振りはなくて、なぜか(ひそ)んでいたところに誘導されているようだなんて任務が終わった一群が次々にやってきてそんなようなこと言っていた。


 その翌日にやることが追加されたなんてニコニコ言いに来たのが分断のオーダーだった。これも適当に聞き流していたからやる事をちょっとしか覚えていないんだけど、ここには何人もいて寄せ集めれば何とかなる。

 早速手分けをしてウマ(人も)大好きなサトウのキューブをちょうど(はみ)みそうな草に紛れ込ませておいて、それを見つけやすいように倒木を置いたりカクンとする溝を掘ったりしておく。

 軍馬みたいにしっかり調教されていないから、ちょっとの興味で文字通り道草を食う。なぜか毒草があったり、()くと体調を崩すものや食べられるキノコによく似たのがポツポツとあるとか、いやらしい倒木や沼地や微妙な間隔の林があって隊列が段々長くなり、いくつかが千切れていく。

 先の方は欲全開で進んでいて、後ろが遅れているのを気にしない。

 長くなれば護衛役もバラけることになるから、一人になったところをシュッてしてしちゃうの。でね、その辺に放置とはしない。素では弱々な人が味をしめたケモノの獲物認定されたら怖いからヒマな時に掘ってあった穴に入れて土を掛けて苗を植えて・・あの元気な森の木の下にはアレが埋まっている・・てね。

===


 ジャンアントキリング(大物食い)を体験して、どっか行ってた意欲とか希望を描く気持ちとかがムックリしてて、それが薄れる前に定着させる。美味しいものというのは分かりやすいし農業は収穫を手にできるから実感だってするよね。

 なんてもっともらしいことを言って、甘味で懐柔して戦いに行かせて(今まではムリだって思っていた開拓までさせてる)恐怖の村と繫がったってこともスルーっていうか、前にいなくなっていた村人が実は拉致(らち)(強制スカウト)られていて、再会の喜びで納得させちゃう。

 林を切り倒して畑に変えるけど植林もしてカッコ良く整える。この植林が大商会の進行を阻んで誘導したって知っている。原っぱだったところがどこまでも木があって生き物がもうたくさんいた。


 僕の計画ではこれをずっと北に伸ばして海まで緑の太い帯を造る。今はスダレ髪おじさんだけど確実に根付いていて根を深く伸ばす草木が水を吸い上げる。手前でお漏らししていたのをガマンして北や南から全然来なかった雲がやってくる。

 少し前(といっても数百年前だろうけど)はここも緑のはずで大陸の東に細々と大王国の名残りの大きな石のお墓がいっぱいある。今は砂だらけになっているところだけどお砂場にワザワザ街を造ることはないんだから、あの辺一帯は緑豊かだったって証明みたいなもの。

 学者がいたら地軸がズレたからとか見ていないはずの事をいっぱい説明してくれるかもしれない。

 開拓っぽいことをしているときに石に彫られた先時代のリアルのや稚拙な動物や人の絵をいくつか見つけている。

 まあ僕は歴史学者じゃないし昔に何があったより今なのでスルー。もしそういうのに興味があるような人がいたら連れてきて売り(観光アピールネタ)になるような発見をしてもらおうと考えている。

 新天地よりも広い砂場(だけじゃなく(れき)や岩場とかもある)を全部何とかする手立ては今のところないから、大きな塀でくんなってしているだけ。これから湿(しめ)り気味になったとしてもどうにかなるとは思えない。

 だけどそれで知らんぷりはしなくて何か使えるかもっていう研究は始めていて、ここの産業にならないかなあって、取りあえず貴重がっているガラス原料にするつもりで木枠に()め込んでいたのを鉄とか軽い金物(かなもの)枠に変えていて固定のためのスキマを埋める練り物を開発してて、ちょうどいい原料でもある。

 これはガタガタするところをあちこち埋めるのにちょうど良いんだよ。


 それで砂が減るほどのことはないの。こんなの気休めにしかならないんだけど、人はそういうの好きだし偽善なことが大好きでしょう。

 ホントに善なのは口だけで動くことはないし、僕のように欲深いのがイイヒトのフリをして豊かさを運んでくるものみたい。

 働かせる為にしているし、ハラペコがツラかったから無くそうとしているだけでそこに善なことはないし労働に対価とか休息とか娯楽とか保障のシステムは当然だし、実験みたいなもの。

 みんなが長生きになったときにはゴハンが不足するだろうし、それを問題を起こさずに何とかするにはみんなに賢さがたくさん要る。

 生活を良くしようという方向に進んで文化が(あふ)れるはずだけど、ニンゲンは破壊や怠惰(たいだ)傲慢(ごうまん)とかにカーブして破滅に一直線するのはなんでなの。

 全部を救いたがって全部を甘やかしたかったのがミコの意志みたいだけど、そんなのは無理だよって、全部を何とかするのは止〜めたにしてる。

 甘やかしてがんばらなくなった人達はツマンナイし、新しさどころか退化までして敵とまで思ってしまうくらいだから、もっと嫌いにならないように・・じゃなくてメンドウだから関わりを少なくすることにしてる。

 特権っていう後付けの余計なのをペリペリって日焼けの皮剥がしみたいにね。

 アレは楽しいけどドロドロネバネバしてて気持ち悪いし、ジュクジュクだったり少し痛かったりする時もある。だからぬりぬりしてって最近は言うんだよ。


 ばっちい事にならないように慎重にする。ココロがないくせに気持ちを汲み取ってとか提携文を言って寄り添っているフリをしているだけね。

 最善だと思ってした事の結果が違うっていっぱいあったし、どうしてそうするというのもあった。僕が前面に出ると反発するみたいだし、陰に(ひそ)んでするには手数が足りないって悩む時もあった。少しはノウハウ的なのもあるし、慎重過ぎても変化を読み取ることは出来ないんだから、やってダメなら仕方ないってこと。

 どうやっても嫌われるなら気にする必要はないってアキラメ。どうせ僕に残るのは人ではないものだけだけど、とても大事。


 南の大陸の、黒いおじさんの村では「協力しているのは益が互いにあるから」というスタンスにしている。圧倒的な文化差を気にさせないためにやってもらって感謝しているってみせて仲良しっていうのを強調して負い目っていう余計なものが入り込まないように気を付けている・・くらいで(あと)は好き勝手してる。

 元々は探検のための中継地だったのにちょこっと進んだところで止まっていることに誰もハテナしてない。ちょうどあっつい場所が作りたいものの生産地にぴったりで黒いおじさんをカッコよく太らせて(ムキムキにして)みたいって思っちゃったんだよね。村の在り方(考え方)も近かったというのもある。

 こんなに気を付けていたから急激な変化に村人は何とも思っていないというよりも、あの事件に対応するために人員がたくさん必要だったから地域で協力するしかないというのがあって、仕方ないで参加したのを適当にグループにして混ぜたら仲良くなっていたってわけ。

 普通なら同じ村同士にするんだろうけど、僕にそんな配慮を期待しても効率を優先するんだからムリ。


 大きいビジョンで考えているようにみえるかもだけど都合のいい人材ってだけだから、たぶん考えているだろうこととは違って強制っぽくてドレイと変わらないって思うのもいるかもしれない。今までとはガラッと変わるしね。

 緊急対応要員ではないナマケモノは要らないよって切り捨てというか村人の数に入れない。元からある場所と変えることで所有っていう権利を剥がすのがやり方でエライ人達が統治(私物化)するためにしたのと同じことをする。

 あの人達は「護る」の意味を変質させて、みんなが気がつかないうちに所有とかにしてたけど、元からそうだったって思い込ませるのはしない。

 家を造ってくれたわけでもなく、開墾(かいこん)してくれて段取りしてくれたってこともなく権利だけ盗んでお金をせびるっていうのはドロボウっていうんだよ。

 正当ってフリで誤解させたままで、なんちゃって統治をする。それが全部人任せして成果物をいただきますしちゃうの。

偶然を綿密な場当たりにしたらいい結果がコロンとした。

都合がいいから乗っただけで、緑地化とかもただの都合でしかないの。

運搬をいつまでしなきゃっていうのをするつもりはないんだからと

いうだけで、そこに優しさないのに勝手に良いものにしてくれてる。

いつかハシゴを(はず)すって、いつも通りをされるのかな。


あっついとこの後で寒いとこってサウナみたい。金曜の夜にまたね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。