↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
第22章 残暑ってお得な気がするよ。
PR
890/909

879 ユールを楽しくしよう。11/1

11月1日 日曜(旧暦冬、何をしたら楽しんでくれるのかな)

簡単に冬っていっても永く意識していないというか、ただ行き過ぎるのを

じっと耐えていたような季節。

なので冬も秋も楽しみ方というのがなくて秋は収穫なだけって感じだから

とってももったいないって思ったのが最初。

オトモダチの苦労を開放してあげたいっていうのは2の次だったんだよね。


ブックマ〜クありがと。これからもよろしくね。

 去年からしてるユール(冬至)はその日にターゲットしていなくて冬の期間全部で楽しもうっていうもの。宗教の策謀で教祖の誕生日や何かした記念日とかの物語にされないように先手を打ってキャンペーンをした。

 季節でも重要な意味を持つ日に(から)めてこなければ、こんなに焦ったりしないんだけど、ヤツらはそういうものを乗っ取ろうとしてくる。せっかくの季節は地域とか家族とか大切な人とのため”だけ”のものであって欲しい。

 僕らのは全ての地域でして外(行商の人)からも聞くしニュースにもするから、これはローカルなことではないと錯覚させることになる。

 人は自分の意見(主観)よりも人の言葉(客観・・ううん他人の目)の方が大事だと思い込むようだから、個々に言う(お花きれいでしょうする)よりも周りから(大好きな人にアピールする日だよ)情報が入るように途中から転換した。


 少し前までは一年は10個の月だけ。その切れ目(始まり)は地方によって違っていて聖国にはそういう考えもなくて人によって暖かくなった、暑い(臭い)、寒いで季節の(めぐ)りを感じるだけでカウントする人はまれだった。

 記録をお仕事にする人達だけが1年をカミ(実際は羊皮紙)に記していて、何月って概念がないから1年でだいたいこんな事があったよって記録してる。

 他のところでは税を(しぼ)り取る都合上で(こよみ)みたいなものがあって分かりやすいお月様の満ち欠けでカウントしていた。それで何とかの月っていうの。

 でもそれをしていると季節がズレるから、あるところではお日様の高低、あるところでは星に答えを見つけて、あるいは両方で1年を調整する。

 ズレが大きくなるとお月様がもう一回になる。だいたいが月極めの給金体制だから単純に出費が(かさ)むんだけど国が決めた事を(くつがえ)せることはできないし、自身も増えるのは嬉しいから分かっていても変えたいとは思わない。

 農民は季節を肌で感じてするだけだから必要ないにしているけど、良い収穫やオイシイを得るために、それぞれのデータを取って分析をしてチャレンジしていかないと良く変わってはいかない。

 それで研究者達は個々(あるいはグループ)で季節に名前を付けたり数字を与えたりしていた・・というのを書庫ではみてる。

 残念なことに共有はされないから、いつ始まりでコレが何月にあたるのかっていうのを最初に推理しないといけないんだけどね。


 ちょっと前まで10月だった1年は古い文献では12になっている。記述を見つけたのがそうだからで冬の季節の記録は大昔から少ない。他の国から来た古い文献では10までのカウント(名付け)はあっても冬のふた月には名前が付けられていなかった。そのくらい忌避(きひ)されてきたようで記録がスッカスカ。記録大事なあの国は経理上では春始まりで徴税をしなくなって月の変化に気を留めなくなった。

 1年の感覚はあっても大きく変化のない(すごく暑くもすごく寒くもない)気候は自身の歳も数えない。記念日を祝うという習慣がなければ数えるということをしなくなるようで数字の意識が強い聖国でもそうだから、生きることが目的な人達では年がどうのというのにこだわったりはしない。

 僕視点だと農家とか季節を意識するものだと思っていたけど、好きだから農業をしているという人達ではなく、親がしていたからしているだけ。そんな意識では変化を感じることはないし良くなっていったりはしない。

 こういうのは漁師とかもで育てるという意識はなく、あるものをただ獲るだけ。

 何もしていないから良し悪しをオカルトのせいにする。良い時はちょっとだけ良い顔をして悪いときには口汚く(ののし)る。栄養を加えないから段々と土地は痩せていくものだし連作問題だってある。そういう身勝手を妖精さんは聞いていて、がんばらないで文句ばかりだと少しずつ去っていくことになるんだよ。


 季節を意識してココロを揺らしていくと変化に気付きやすくなるし、良くしようと考えたり協力しようよって握手もする。もう少し仲良くなって少しだけ信用して優しくなれば、学びしたりしていい方に変わっていくものだけど、研究者はあくまでも自分の興味や欲求でしているだけ。そんな自分勝手達を集めて思いっきり研究させたからアノ国は大きなアドバンテージを得ることになっていた。

 重要な国だって気が付いたから活かすために拡散した研究者や技術者を再び集めようとしていたり、ごっちゃんを止めて働かせて活力で満たすようにした。

 研究にも目標のようなものを付けたり、目新しいのをチラチラさせて技術者を誘ったりね。楽しいは必要な(うるお)いだし、美味しいは幸せ。

 季節をみんなが忘れても季節お菓子は一応残っていて、いつの間にか過ぎている冬を口で感じていた。ぎっしりドライフルーツが入ったシュトーレン、丸太ケーキのブッシュドノエル、大きなパネトーネ、大きなメレンゲのパブロバとかがどこにもあって何のためだけを忘れている。


 忘れられていた季節は秋もで収穫だけのお祝いを内輪だけだからやらないよってところも割とある。それはちょっとでも還元したくないとか食うだけのやつらとは()れ合いたくないということじゃないみたい。

 農民や職人には管理するモノが政府だけじゃなく元締め組織がいて、買値を叩いて売値を高め誘導させていて、必要な時に融通するという役目をしないで新規参入を排除したり横暴なことをしていたりして、まるで貴族みたいな事をしてる。

 ケモノの芸をみせたり旅芸人が演劇ものをしたり歌ったりっていうのはあることだけど、歌唱はしっかりした劇場でやるものだし、近くでやるんなら観てやる程度のものだろうから、近い街からは長距離かけっこくらいあって丸一日掛かるし、泊まりになるようなところには、お鼻が高い人達は来ないだろうなって。

 だからそういう人達は来ないつもりでいて、そういう人達にお見せできないものも見せたり売ったりしてた。

 僕らにとっては自慢のアクター達で、すごいだろって言いたい農作物や工芸品のセールスイベントだから、安価(お泊まりパック)で来られるよってニュース誌とかチラシで宣伝したら、たくさんの人が来てくれた。

 そこで冬の競技の一端(いったん)を見てもらって、記事とクチコミで大いに(あお)っている。

 たぶんほとんどがブッチ(行かないに)するつもりだっただろうけど、エライ人達って知らないことは(はじ)みたいだし、行ったって自慢される。きっと軽く考えて選手選抜を丸投げしたんじゃないかな。


 僕らは街とかアチコチのSCM(ノラネコ商会総合店)で秋に超豊作になったものや日用品や服をいらっしゃいませしてる。

 街売りで抵抗があったような市民のちょっと上の層とか避けていた人達とか、楽しい収穫祭をニュース記事だけじゃなく、行った人達の生の声やウワサで免罪符を得たり、安さの理由を知って、実際に買って調理したり手に取って実感する。

 街売りの子がストリートチルドレンや孤児院の子達だからって勝手にレッテルを貼っていて、そういうのがすごくイヤだった。

 清潔になってキレイな服を着て言葉遣いを直して行動で示しても、べったり付いたレッテルがジャマをしてた。

 外に出たのは無理って思ったからだし、ちょっと怒っていたんだと思う。

 もうアレコレ「良くしよう」って配慮はヤ〜メタってね。

 徒弟で不満溜めてるのとか、組合とかに干されている人達って優秀だし頑張り屋さんというのをみていたノラだった子どもちゃんがスカウトしてくれてる。


 便利に使っていた優秀な下っ端がいなくなってタイコ持ちだけ残る。イジメ対象だった裏通りの商店とか(優秀で)(ねた)まれていた職人とかに光を当てても、反転したり(つぶ)そうとしてきたりでうっとうしい。なので彼らの土俵でするのは止めた。

 追い出してせいせいしてお仕事に(はげ)めばいいし、(くすぶ)っていた人達も活躍出来るようになるからイイコトになるんだよ。

 すぐにそうしなかったのは人は変わると妄想していたせいだし、気持ちが土地や過去に(しば)られている人達に何を言ってもきっと来てくれなかっただろう。

 そういう風に動けるように仕向けるというのは時間が掛かるものでタイミングというのもある。これでも早くできた方なので急がなくてイイヨにしてる。

 出張しながら新しい建築している建築工房とかや工芸工房とかは街を行き来しているけど、そのうちウチに来てくれるかもしれないね。


 ユールキャンペーンはさらに拡大・充実した展開になってる。去年は指をくわえていた商人達も加わってマダラだったものが同じテーマで揃って良い雰囲気。

 僕ら関係はメインストリートにはないから街の印象は変わらないし、暗くなったらお店が閉まっていた。裏の方にポツポツある店が暗くなってからも楽しいをしてて人が集まることになって、そういう流れができてくると安い物件だからパッと集まって商店街っぽくなるの。

 ウチにはあらゆる売り物があるから店がしたいだけの人達に(おろ)すことができる。

 大きめの商店街の全商品を(まかな)っているんだから裏通り分くらい余裕だよ。

 まあそれもワンシーズンだけでSCMに集結した。賃料を爆上げするって通知していたけど「そういうことなら」って交渉することもなくあっさり。やむを得ない閉店には同情も加わって新しい店の宣伝効果は抜群になった。

 残ったのはメインストリート並みの賃料になるのが広まってポツポツあった店が全てなくなった空き商店街。一人の欲が波及してこの地区は家賃が高い場所ってことに足並みを揃えたらしい。


 冬に用意したプロモーションというか、仕掛けを仕込んである。

 夜が一番長い日というだけでは弱いみたいで物語を用意してみた。そういうのが効果的って統計で出てるし、宗教がそういうことをするのを真似(まね)てみるよ。

 ニコラっていう男女ともありそうな名前の人物がヒツジの村の南方にいて、今そこは戦いに明け暮れている国々によって滅ぼされている場所。

 かつて栄えたそこでは貧富の差があって親の借金で子どもが売られるというのを聞いて金貨を投げ入れた。それが干してあったクツに入ったといった話を作った。

 その人は成功者で人を助けることに生きがいを得てるような聖人。正しく立ち直れる人に(ほどこ)しを陰ながらして、その者がさらに善行をするとか、義賊が不正をしている金持ちから奪って貧しい人に配ったとかの「ただし」が付く。

 誰にでも与えられるものではないし求めてはいけない。条件も確約もないものだけど、それに(なら)って親しい人にはプレゼントを贈りましょうってことだけハッキリある。

 そんな怪しいお話だけど王様や英雄や誰か知らない人の記念日なんかより確実に拡散をして、プレゼントを選ぶ人達が毎日ウロウロするようになったらしい。

 みんなニコラはウソだって分かっているんだけど、そういうのなら信じても良いよってことなのかもしれない。

 贈り物を持ってやってくる聖なる運び人はもちろん誰かは知っているんだけど、分かっても嬉しいことには変わりない。セント(聖なる)ニコラに何を願おうかってしてるココロの中を探って悩むのは楽しいよ。

 僕にはリアルではそういう人はもういないんだけど、お店に来てくれる人達にぴったりの何かをいっぱい想像して作った。

 それをお店がう〜んって考えてセレクトする。


 設定した発祥地はかなり危ないし、ミステリアスな話に合う場所に北の聖国圏の国をあてたんだけど離脱しちゃったんだよね。ステキな森や湖があって何かがいそうな雰囲気があるところだったんだけど・・

 ここの森にそういう人達が住んでいてって設定にして、そういうウワサ的なのをあらかじめ流していて「何かいそうな場所」というイメージを作っていた。当の人達はそういうの知らないから急に増えた観光客に自信を持って増長したのかもしれないし、どこかで聞いたかもしれない。

 隣の国とかも似た風景なのに行かないのは共通の通貨が便利だからで商人の行き来が盛んであれば定期馬車があって渡る船便も数が多くなる。

 鉱物資源人気は中央部分で通せんぼしていた国があったからでそれが今はないから、北に行く理由は人の流れがあったからだろう。訪れる人がいれば持ち込む荷を満載して、帰りに鉱物を載せた方が空荷にならないから商人も都合が良かった。

 極北の方まで行く人がいるんなら途中の国や村がにぎやかになるからって、ワザワザ設定したのに脱退しちゃった。通貨の交換って面倒だから最小限にするし、国が進んでするとは思えないから私設交換所でになるだろうね。それって交換のレートが不利になりやすいから行くのヤ〜メタになっちゃうし、その手前だってステキなところはあるんだもの。当然、観光地開発ということをしてる。


 ずっとディスカバー聖国圏ってしてて、アチコチに行ってた人達のオススメのメモを思い出して行ってみたりしたら、ステキでみんなにも観て欲しいなって。

 でも国や地域の有力者(貴族とかナントカ組合とか)が協力してくれないから、村を造ったり雰囲気な改造したりしてオススメをかなり加工してる。

 鬼さんこちらってお願いして道を造ってもらっているんだよ。

 建物や設備は街で(くすぶ)っていた建築とか工芸の人達に出張してもらっているんだけど、街では個人では仕事がないし古い組合が(うるさ)くて居づらいって、そっちの方に住処を変える人達がポツポツいる。

 いちいち(エライ人達に)ヘコヘコして受注するときにチカラ関係っていうのが面倒だろうし、付け届けとか折々のご機嫌伺いとかばっかりで下っ端が全部出来る日にはいいお歳になって、そんなんだともう熱意がどっかいっているだろうね。


 僕らのは理論からの構築だしマーケティングリサーチをしっかりして、その時にぴったりのモノを作っている。それを支えているのが標準器ってことで規格やいつでも同じモノが手に入る見本帳というものがあるの。その時の気分で色や形が変わってしまうし職人の一点ものはステキだけど、庶民にお届けするためには均一で強度があって安全で使いまわしも出来る良いモノで安いにしたい。

 伝統芸能な人達とは方向性が違うんだから合うわけがないのは分かってる。

 秋の収穫祭は向こうに決別を言わせるってことになった。僕らの誘いに乗らなかったんだからそれぞれでやりましょうってね。

 でもマスのパワ〜はすごいよってことで、今さらチマチマ何かやっているみたいだけど高品質で揃っていて安いものをこれからは毎年買ってコレクションする。

 1点モノは高価だけど何年も残るからステキ。でもそれだけっていうのじゃツマラナイ。才能を発想だけにしてブツは別にクオリティを上げる。

 そうして出来たモノを少しずつ買いそろえていっぱいにするし、それをセントニコラからってプレゼントをし合うの。

 大好きな人となら黙っていても分かるだろうけど、はっきり態度(もの)で(しめ)して「これからも仲良し」を確かめ合った方が絶対にいい。

 暖かくして美味しくして冬全部がユール。少しずつ浸透して、なくてはならないものにしていきたいって思うんだよ。

ユールのプロモーションを去年は冷めた目で見ていたところも

嫌がらせをスルッと抜けて、それを逆手に取ったりする。

権力で何でも思い通りになってきたというのも、もう終わり。

策謀で忍者な人達に(かな)うことはないし、僕らは物量でジャ〜って

しちゃう。もうお相手はしないかな。


暖かいのにお話しは寒くなってる。

涼しいになったら良いんだけど火曜にまたね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。