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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
第22章 残暑ってお得な気がするよ。
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878 いつものは大事なこと。10/28

10月28日 木曜(旧暦初冬、今ひとつ冬を感じないから模様替え)

ちょっと早いけど雪に興味を持ってくれないと困るから、この機会に

いっぱいアピールするよ。

 こういうタイミングでするものではないけど、せっかくだからって季節を変えるのをイベントに組み込むことになった。これで冬に強い興味を持ってくれるかは微妙だけど、今シーズンは冬をたくさん楽しんで、知って欲しいな。

 そういう気持ちが伝わると良いんだけどね。

 いつもよりしっかり準備っていうのを服からしてて寒くても厚着しないで元気にお(そと)で動けるのをコンセプトにしてみた。

 保温や適度な保湿をして身体の熱で温める。いままでの服の機能をインナーで強化してる。毛長ヤギのは間に合わないけどウサギの方は順調に増えていて、この秋冬は見栄っ張りな西の人達に向けて作って、東ではナゾ繊維で薄いけど暖かくて動きやすく蒸れないって分けてみた。

 どちらもダルマ状態だったのがシュッとしてる。見た目も実際も動けるようにしたんだから運動しようって気分になるといいな。


 冬は空気がピリッとして暖かいを実感する。夏は当たり前にしていた雑な着方(きかた)が秋に幾重(いくえ)にも(かさ)ねて、冬はピッチリ閉じて寒いのが入らないようにしたり、布団みたいなのを着たりしてた。

 そんなんだから出かけるのが億劫(おっくう)になるし(こも)る理由にしてる。服を薄くて軽いにしてそれが今までの服と変わらないお値段でどうぞ。

 今まではサイズやデザインが自分にも合っていない誰かのお古を仕方なく着るしかなくて、じゃあ自作って手間暇(てまひま)かけて作るしかないけどそれではいくつも作れないし、みんながそんなに器用ではなかったから既成品ってしたの。

 あとね、手作りはステキなので大いに出来るように素材の店で応援もする。毎シーズンでは大変だから、パーツは選んでってイラッシャイマセするよ。


 もこもこすぎて動きづらいのが普通のことだったし、建物の中でだって暑いとこ寒いとこがある。それが普通のことだった。

 それが商会から借りている建物(会社街にあったトコは全部で、低地部分のほとんどは商会名義か僕の)では寒いのが当たり前だったホールや廊下やトイレ、キッチン、使ってない部屋まで暖かで、トイレが水洗になって給湯室という小部屋では熱いお湯も出る。建物はどれも高層だけど昇降の道具があって上下するのに苦労したりしないし、うっかり引っかけて転ぶとかっていう段差はないし、手すりは助かる。

 当然自宅もそういうのにしたいってなる。復興住宅のは規格っていうのにして早さを重視して大量に準備して備えていた。まあそれで村の奥をハゲ地にしたし色んなトコで木を切って育てさせもした。それで冬に家無しで越したって人はいないはずなんだけど、アレは素のままで掘っ立て小屋よりかなりマシ(耐震とか耐火もちょっとある)なだけ。それでイイヨしているのが多くてつまらなかったんだよ。

 僕らの居たトコでは壁にヌリヌリして厚くしたり、ペンキで塗ったり家具を置いたりっていう家を自分用にデコるのが普通だったからね。

 そのままで快適もあるんだけど、家の居心地(いごこち)はそれだけじゃあないの。

 僕からの提案のひとつが壁紙ってやつだし、木を薄く切ったのを張るとか薄く切った石材をモルタルで付けるとか、ただの置物とかをお店では用意した。

 最初はよく分かんなかったし派手なのが良いと思っていたんだけど、そういうのは売れなくて長持ちする接着材とかカミ自体を当然改良したから最初のは在庫整理で捨てられ村にあげたんだよね。


 冬は楽しいよってしてみたけど、人の気持ちはそんなにすぐには変わらない。

 山や海に来た人や街でもしているけど、それでお外に出る人が増えたっていうのが分からないから微増って事だろう。外に出る理由ではないみたい。

 街のちゃぽんするお風呂屋さんが山に来る(温泉に来る)理由になっていないように直接の影響はないようで、寒いからとか安い服があるよより山キレイだねやこんなイベントをするよってした方がハッキリ分かる。

 当初、尻尾の人達の地位向上というか居場所を作りたかったんだけど、僕のせいで平穏が壊れて目的だった村は離散。それぞれにしたかったことを見つけたってところはいいかもだけど、残っているのは子ども達だけでステキだった畑はこれから黄色の絨毯(じゅうたん)になっていく。(菜の花でいっぱいになる)

 油作りがこの村の生産物になっていて勉強の成果(現象への理解)で精霊石道具が使えるようになったのは良いんだけど他の人達(特に大人)を頼ろうとしない。

 春にはタケノコの収穫の最盛期があって多くを取り逃すし、その期間は街に来ないでずっと作業をしてた。だから大人達に手伝わせて歩み寄りの機会を与えることになった。(ただ(ひま)そうだから手伝ってだけだったんだけど)


 少しずつ信用を得ているようで交流が生まれてというのはよく分からない。

 良くない気持ちがあるのは気持ちの悪いことで無くしたいがあったってだけ。

 モヤモヤするくらいなら楽しい事を考えればいいだけだし、誰かとの交流は望んだってどうしようもない。

 サボリ〜はアリのような待機要員(の働きは期待できない)じゃないから働けして、ダメならそれでオワリ。あんまり転用を考えなくなった。

 忙しいは結構楽しいから、いつもじゃなければいいんだよね。アリガトって魔法の言葉を言うだけで気持ちよく誰もがお手伝いしてくれる。

 もう一歩進めてお仕事にならないかなとは思っているんだけど、いそがない。

 油もハチミツも高級品扱いのもので三ツ滝郷ばかりが高収益産物があってモヤるのはあるかもしれない。


 だからみねこの方には高原野菜と山菜にしてる。養殖の方は前の人達も今ひとつノってくれなかったから湖の方で漁を少しするくらい。ようやく育ってきて宿に出せるようにはなった。まだ増やす段階なので練習をしてる。

 ゴハンも育てていて、孵化(ふか)させて育成もして大きくなってから放流を何度か。最初はサカナもいなかった噴火で出来た湖。熱いのが流れ込めば遡上(そじょう)していたのも全部とかってところだろう。

 放流したのは全部食べられる(オイシイ)魚で食い合わないのにしてある。幼いのを食べられたら増えなくなるし、ワイルドなのは釣りで楽しいかもしれないけど鏡が浦の二の舞はイヤなんだよ。


 簡単な大葉の育成から始めて山菜も本格育成を開始。レタスも試験的に始めていて来年からはキャベツや白菜なんかも作り始める予定。

 スポーツを楽しめるとか湖を高級イメージにしたりとか色んな面をみせて上っ面ではない、ちゃんと生活をしているよってアラ探しが好きな人達対策ではなく、ここにいる意味を持たないで来た住民達に楽しい場所の印象づくりをしている。

 土いじりは落ち着くし、朝靄(あさもや)のステキな高原野菜畑はキレイでしょ。

 街から移住して来た人達は割といたんだけど、スポーツが好きとか山とか温泉とかの理由がみんな定型文ぽい。オトモダチが拒否していないんだから理由にウソはないんだろうけど、それだけでは村を町にすることはできないよ。

 思いを持たせるようにユックリこの人達に出来る事を見つけてもらうというやり方で決して忘れていたわけではないの、たぶん。


 僕がいっぱいがんばった時に作った仕組みが活きているのは確かだけど、関わりを少なくした方がうまくいくみたい。気持ちが分からないのがウロウロ立ち回っても悪くなるだけっていうのは何となくね。

 村にまとまりが出たのがお祭りでもイベントでもなくて、かっこいいって拡張した竹林でタケノコの掘り出しや処理が大変になって子ども達はオトナを受け入れたし、待ったなしの作業は緊張感とか使命感らしきものが出来た気がする。

 そういう事例を作っちゃったから変な(こだわ)りが意味をなさなくなった。

 それからは行き来が普通に出来て、管理部門も助けられるようになったし、増産計画も進むようになった。安全なハチ箱も工作して、元になる草木を仲良く育てたりって風景も遠くないと思う。


 雪を積もらせて壁にしてみたり、ハラハラやドッカリ降らせたり(しも)を観察してもらったりしたのは楽しいからってだけではないの。

 通路にはホンノリ発熱させて雪が積もらないようにしたり、屋根も安全重量より積もらないようにしてて、山では雪崩(なだれ)が起きないように寒暖や雨で滑らないように凍らないように温度管理していて、それが何度っていうのを調べていた。

 過剰な制御では逆に被害に繫がるからあくまでも(ゆる)やかにコントロールする。街では実際の住宅でテストだったんだけど、元々あんまり降らないところだし、それほど寒くもなくて降雪機で降らせることも出来ない。山でのデータが五輪拠点やエルクで役に立ったし、改修ってサンプルを()き替えたりしてる。

 そういう積み重ねが大使館村造りに活きて、快適な寒村宿(やど)にもなった。

 僕も加減というものを知ったから、囲った家とそうでないものには差を付けていて、そもそもアレは安いモノではないんだよ。

 売り物としてするには進みすぎな技術だし、精霊石の道具職人をみかけていないから、そっちの方でもよろしくない。


 降雪は精霊石道具の数を増やしてあって列車の線路から外側に向けて雪を吹き出している。以前のを改良してかなり高く吹き上げて散布。時間を掛けて良い感じに積もらせていく。最初は駅に着いて(駅前)からだったし、去年までは直前に少しある程度だったからウソくさかったよね。

 見映(みば)えのための雪なので見える部分だけ。雪で(おお)うほど寒いワケではないし始終(しじゅう)雪が乗っていたら逆に冷えすぎになる。駅舎は華奢(きゃしゃ)にみえるけど建物くらい積んでも平気にしてある。でもしこたま積み上げたらカッコ悪いでしょ。

 最初はいきなり積み上げたけど情緒がないからパラリンして積むの。

 道では滑るから積もらせないようにしているんだけど、ちょうど良いが難しくて暖かすぎると花咲いちゃうし低過ぎだと凍結したりする、難しい。

 足元の違和感は案外気が付かないもので、歩きやすければそれで良いみたい。


 去年までは紅葉が消えて葉がバサリの過程を素っ飛ばした季節変化だったけど、今秋はちゃんと葉を落として保温と次の栄養のために覆って、何も無い時間を初冬まではした。こういうの案外ステキだし風がよく通って地面に光が当たるのは大事なこと。

 公園とかはキレイに掃いちゃうけど栄養が減るばかりになるし冬の地面が寒くなる。木の所には小綺麗に木を粉砕したもので覆いつつ数年分の栄養分の補充をしといた。これはいつの間にか崩れてなくなった(吸収された)頃にまた補充をする目安にもなって雑草避けや見映(みば)えにもなる。葉っぱ掃除が面倒になるけど残っても目立たないし、ブオ〜って吹き飛ばすのを開発して楽しいしラクラク。

 満遍(まんべん)なく降るようにしたから「ところによって雪」状態ではなくなった。一夜でドッカリ乗っかってた三ツ滝郷の屋根雪もこれから時間を掛けて積んでいく。

 いつも丁寧(ていねい)な除雪って来た人達は思っているだろうけど、通り道の雪は分からないようなペースで溶かしているだけで水たまりになったりしない。夜はホンノリ光るし暖か。その辺の家よりもよっぽどハイテク。


 雪は見えるとこだけなので、ちょっと外れると全くなくて当然畑にもない。

 駅のトコに積んである雪とかは冬の間ずっとそこにある置物で触れるし汚れたりもしない。削ったりやもしかして口に入れる人もいるかもだから、品質(衛生)管理はしっかりで標準器(食品基準)に準拠してる。何が原因で悪いイメージが付いちゃうか分からないから過剰な心配は大事。

 季節変えイベントってほどのものはなくて行く先々で降雪装置がオンになるってだけだけど、手前側がハラハラって感じのが遠くでは大豪雪モードで見た目を白く変えていっている。

 駅前の浅い池がキンっと凍ってスポーツ店ではウェアやスケート靴の貸し出しをしてるし、そろそろマイ靴やウェアが欲しくない?って誘ってくる。

 マニュアル本でランク付けされているレベル認定っていうのもする。

 ステータスではレベル計算ができないままだけど認定されたらサーバの資格記録は更新されて反映するってことでこういうのスキかなって。

 オストヴァルドとしても選手の発掘は必要な事で、良さそうなのを見つけてスカウトするのも大事なお仕事だから忘れないでね。

 短期や長期の育成プログラムはもう作ってあるし、商会の人ならイベントまで育成中心で、他の会社なら期間レンタルやお仕事の調整をしてもらう交渉をする。

 街でウチが資本を入れていないところはほぼ無いからイヤとは言えない。見返りに資本注入って比率が上がるだけなんだけど、会社の構造とか管理の決まりとかがあんまり(くわ)しくないせいでスルー。

 新しい形態だからとはいっても、経営陣達はもっと貪欲に勉強してくれないと僕にとりこまれちゃっていることに気付けない。難しくない言い回しや図解にしていると書面のページ数が増えるからボケッとしている人達には分からなくて()きちゃうみたいだけど、絵無しで専門用語だけにしたら困るくせにね。


 それで今日からは9山全部を雪いっぱいにしてスキー出来るようにする。すでに隠れていたチェアリフトもニョッキリでてて、もうロープなリフトはないの。

 今回オープンした部分が初心者や特訓用のゲレンデになっていたりしてるし、クロスカントリー用のコースもオープンした。これは春になったらトレッキング(散策)のルートになって楽しさを広げたりもする。湖周回だけだったけど自然の中を散歩するのはとっても楽しいよ。

 太郞山はロングコースなだけだったけど、そっちを閉鎖にしてロープウェイに沿った急斜面コースをいくつか設定したし、次郎や三郎の方は凸凹にしたり、ジャンプ台を作ったり、滑り台なコース(台車に乗って滑る)のとか競技会準拠。

 コート状の建物なスケート場は街に作っていて、とりあえずこの冬から次の冬大会までは閑古鳥(かんこどり)しても運営するつもり。ガラガラってヤなんだけどムーブが起きるまで待ちっていうのは大事みたいだからガマンする。

 学校の選択授業にリストするし、商会のコミュニケーションだとか出資者の希望だからとかの理由を付けて「やってみなはれ」してて・・どうなるかな。


 山は楽しいし、おいしいのもあるよってカニや大きなエビ、その他のも用意して海にも動線を繋ぐ。来てくれたなら取りあえず先入観はなくなると思うし、お外に出る理由になってくれるかもしれない。

 ちゃんと基礎からするのは上達の早道だから無償のコーチングはする。成長することは楽しいって思ってくれないと次に繫がらないし、そういう自信みたいなモノは全てに必要なことのはず。子どもは風の子でオトナは〜って逃げないで一緒に遊んだ方が楽しくて毎日がキラキラする。制限を付けるなんてもったいない。

 ずっと楽しい冬にしていこうね。

結局は宣伝みたいなものだってことは隠さない。

来てお金を落としてくれないと困るんだから、かっこつけたりはしない。

それで気分がすっきりしたり、オイシイしたり、大好きな人達と笑ったり

になるから働いている人達だって幸せ。それでいいんだよ。


次は金曜でもう7月。海に行く計画を始めないとだよね。

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