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10/22

子供の熱

 薬草の茎が、指に絡んだ。


 夕方の光の中で、ルイーゼは軒下の干し棚に束を並べていた。セイヨウカノコソウの穂先が乾き始めていた。一日目はまだ水気がある。もう一日置けば煎じに使えた。


 「——ルイーゼ」とヘンリクの声がした。


 振り返った。ヘンリクが小屋の前の道に立っていた。表情が急いていた。


 「ラウルのところの子が熱を出した。昨日から下がらない」


 ルイーゼは干しかけの束を棚に置いた。


 「今すぐ行きます」




 ミナの家は村の東寄りにあった。


 扉を開けると、ミナが奥の部屋から出てきた。顔が疲れていた。


 「来てくれて——」


 「診させてください」とルイーゼは言った。


 奥の部屋に布団が敷いてあった。その中に小さな子供が横になっていた。四歳か五歳。汗で前髪が額に張り付いていた。


 ルイーゼは膝をついた。額に手を当てた。


 熱かった。思ったより、ずっと熱かった。


 「いつからですか」


 「昨日の朝から。昨夜が一番きつくて」とミナは言った。「今日は少し落ち着いていますが……」


 「水は飲めていますか」


 「少しずつ」


 コラは薄く目を開けた。ルイーゼを見た。


 「だれ」と言った。声が掠れていた。


 「薬を持ってきました」とルイーゼは言った。「大丈夫です」


 コラはまた目を閉じた。


 ルイーゼは子供の呼吸を確認した。速かった。しかし規則的だった。喉の腫れはなかった。発疹もなかった。


 「季節の発熱です。重くはありません。ただ今夜が山です」


 ミナは少し目を閉じた。


 「名前は」


 「コラです」とミナは言った。「四つです」




 ルイーゼは頭の中で処方を組み立てた。七年間の疫病対策記録が動いた。


 川沿いのヤナギの若葉——解熱に使えた。セイヨウカノコソウ——軒下の干し棚にある。二種を合わせて煎じれば、子供の体に入れられるものができる。


 「ヤナギの葉が必要です。川の土手に生えていますか」


 「あります」とミナは言った。「ただ、今夜は暗くなって——」


 「私が取ってきます」とルイーゼは言った。


 入口の近くで、ラウルが壁にもたれて腕を組んで立っていた。コラの父だった。


 「俺も行く」と彼は言った。




 川まで松明を持って歩いた。ラウルが先を行った。


 土手に出た。ヤナギが水辺に沿って並んでいた。若葉を選んで摘んだ。指先が草の冷気に晒された。川の音が大きかった。腰を曲げて一枝ずつ確認しながら進む作業だった。


 「コラは、大丈夫ですか」とラウルは言った。松明を持ったまま、前を見ていた。


 「薬が効けば、朝には楽になります」


 「確かですか」


 ルイーゼは少し間を置いた。


 「確かなことは言えません。ただ、この程度の熱であれば処置で下がります。七年間の記録で、そういうケースが多かった」


 ラウルは黙った。松明の光が川面を照らした。水が低く音を立てた。


 「記録というのは」と彼は少し間を置いてから言った。「信じていいものですか」


 ルイーゼは摘んでいた手を止めた。


 「今夜、確かめます」と言った。


 ラウルは少し間を置いた。


 「コラは去年も熱を出しました」と彼は言った。「そのときは三日かかった。薬はなかった。母親が額に水を当て続けていた」


 「今夜の方が早く下がります」


 「なぜそう言えるのですか」


 「ヤナギの葉は解熱に使えます。七年分の記録で、試したケースが複数ある。代用薬草では品質が落ちますが——この季節の熱には足ります」


 ラウルは川面を見た。松明の光が揺れた。


 「……わかった」と彼は言った。それだけだった。




 家に戻って、ミナの竈で薬草を煎じた。ヤナギの若葉を洗うと若草の匂いがした。セイヨウカノコソウの穂先を砕いて加えた。水から煮た。一緒に煮ると匂いが変わった。草の青みが抜けて、少し土っぽい匂いになった。七年間の記録で知っていた変化だった。変化を見ると、材料が正しかったとわかった。


 煎じ汁の匂いが部屋に広がった。


 蝋燭が一段細くなった頃、コラを起こして飲ませた。


 「熱い」とコラは言った。


 「少し待ってください」とルイーゼは言った。椀を床に置いて冷ました。「今度は飲めます」


 コラは椀を見た。それから両手を出した。


 もう一度飲ませた。小さな椀を両手で持って、少しずつ飲んだ。飲み干した。


 「苦い」とコラは言った。


 「よく飲めました」とルイーゼは言った。


 コラはまた眠った。


 ミナが「あなたも少し休んでください」と言った。


 「いいえ」とルイーゼは言った。「もう少し様子を見ます」


 「……なぜ、そこまで」


 ルイーゼは少し間を置いた。


 「七年間、熱の記録を書いていました。何人が出て、何人が助かったか。数字で知っていました。しかし——」


 言葉が続かなかった。


 ミナは何も聞かなかった。


 沈黙の中に、コラの息遣いだけがあった。細くて速かった。しかし続いていた。


 蝋燭がもう一段細くなった頃、ルイーゼはもう一度椀を作った。コラを静かに起こして、また飲ませた。今度は「苦い」と言わなかった。飲んで、すぐに眠った。




 夜だった。煎じ汁の匂いがした。コラの呼吸が、続いていた。


 ルイーゼは壁にもたれて、目を開けたまま座っていた。眠れなかった。眠る必要を感じなかった。


 王都の夜は、いつも何かを書いていた。記録か、代筆か、次の日の準備か。夜に羽ペンを置いた手が、王都では異物だった。手が動いていないと、翌朝の書類が遅れる気がした。だから夜に眠ることが、王都ではできなかった。


 今夜は何も書いていない。手は休んでいる。ただコラの様子を確認して、椀を作り、またここに座る。それだけだった。


 それで、十分だった。


 王都の夜に少し似ていた——何かを待っている夜の感触。しかし王都では、何かが「来るのを」待っていた。今夜は——コラの熱が引くのを待っていた。


 待つことの種類が、違った。


 窓の障子が白んできた頃、ルイーゼは立ち上がって額に手を当てた。


 昨夜より、低かった。


 もう一度確認した。確かに低かった。




 コラが目を覚ましたのは、朝の光が床に届いた頃だった。


 薄く目を開けた。ルイーゼを見た。


 「……ルイーゼさん」とコラは言った。


 ルイーゼは止まった。


 名前だった。四歳の子供が、自分の名前を呼んだ。なぜそれが胸に止まるのかわからなかった。七年間、名前を呼ばれなかった。今、子供が呼んだ——それだけのことだった。


 「大丈夫です」とルイーゼは言った。「熱が下がりました」


 コラはしばらくルイーゼを見ていた。


 「おなか、すいた」と言った。


 ルイーゼは少し間を置いた。


 「それは良かったです」


 「ほんとに」


 「本当に良かったことです」


 コラは少し眉を上げた。それからまた目を閉じた。


 ミナが「ルイーゼさん……」と言った。目に水気があった。それ以上は続かなかった。




 外に出ると、ヘンリクが道の端に立っていた。


 「どうだった」


 「熱が下がりました。今日一日、水分を取らせて安静にすれば」


 「そうか」とヘンリクは言った。「薬は」


 「明日ももう一度煎じます。二日は続けた方が良いです」


 「お前が作るのか」


 「はい」


 ヘンリクは少し間を置いた。「わかった」と言った。それだけだった。


 朝の空気が冷たかった。夏の終わりの、秋に向かう朝の冷たさだった。


 軒下に目が向いた。昨日干したセイヨウカノコソウの束が、風に少し揺れていた。乾いていた。今夜も使えた。


 まだ必要になる夜が、あるかもしれなかった。



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