子供の熱
薬草の茎が、指に絡んだ。
夕方の光の中で、ルイーゼは軒下の干し棚に束を並べていた。セイヨウカノコソウの穂先が乾き始めていた。一日目はまだ水気がある。もう一日置けば煎じに使えた。
「——ルイーゼ」とヘンリクの声がした。
振り返った。ヘンリクが小屋の前の道に立っていた。表情が急いていた。
「ラウルのところの子が熱を出した。昨日から下がらない」
ルイーゼは干しかけの束を棚に置いた。
「今すぐ行きます」
ミナの家は村の東寄りにあった。
扉を開けると、ミナが奥の部屋から出てきた。顔が疲れていた。
「来てくれて——」
「診させてください」とルイーゼは言った。
奥の部屋に布団が敷いてあった。その中に小さな子供が横になっていた。四歳か五歳。汗で前髪が額に張り付いていた。
ルイーゼは膝をついた。額に手を当てた。
熱かった。思ったより、ずっと熱かった。
「いつからですか」
「昨日の朝から。昨夜が一番きつくて」とミナは言った。「今日は少し落ち着いていますが……」
「水は飲めていますか」
「少しずつ」
コラは薄く目を開けた。ルイーゼを見た。
「だれ」と言った。声が掠れていた。
「薬を持ってきました」とルイーゼは言った。「大丈夫です」
コラはまた目を閉じた。
ルイーゼは子供の呼吸を確認した。速かった。しかし規則的だった。喉の腫れはなかった。発疹もなかった。
「季節の発熱です。重くはありません。ただ今夜が山です」
ミナは少し目を閉じた。
「名前は」
「コラです」とミナは言った。「四つです」
ルイーゼは頭の中で処方を組み立てた。七年間の疫病対策記録が動いた。
川沿いのヤナギの若葉——解熱に使えた。セイヨウカノコソウ——軒下の干し棚にある。二種を合わせて煎じれば、子供の体に入れられるものができる。
「ヤナギの葉が必要です。川の土手に生えていますか」
「あります」とミナは言った。「ただ、今夜は暗くなって——」
「私が取ってきます」とルイーゼは言った。
入口の近くで、ラウルが壁にもたれて腕を組んで立っていた。コラの父だった。
「俺も行く」と彼は言った。
川まで松明を持って歩いた。ラウルが先を行った。
土手に出た。ヤナギが水辺に沿って並んでいた。若葉を選んで摘んだ。指先が草の冷気に晒された。川の音が大きかった。腰を曲げて一枝ずつ確認しながら進む作業だった。
「コラは、大丈夫ですか」とラウルは言った。松明を持ったまま、前を見ていた。
「薬が効けば、朝には楽になります」
「確かですか」
ルイーゼは少し間を置いた。
「確かなことは言えません。ただ、この程度の熱であれば処置で下がります。七年間の記録で、そういうケースが多かった」
ラウルは黙った。松明の光が川面を照らした。水が低く音を立てた。
「記録というのは」と彼は少し間を置いてから言った。「信じていいものですか」
ルイーゼは摘んでいた手を止めた。
「今夜、確かめます」と言った。
ラウルは少し間を置いた。
「コラは去年も熱を出しました」と彼は言った。「そのときは三日かかった。薬はなかった。母親が額に水を当て続けていた」
「今夜の方が早く下がります」
「なぜそう言えるのですか」
「ヤナギの葉は解熱に使えます。七年分の記録で、試したケースが複数ある。代用薬草では品質が落ちますが——この季節の熱には足ります」
ラウルは川面を見た。松明の光が揺れた。
「……わかった」と彼は言った。それだけだった。
家に戻って、ミナの竈で薬草を煎じた。ヤナギの若葉を洗うと若草の匂いがした。セイヨウカノコソウの穂先を砕いて加えた。水から煮た。一緒に煮ると匂いが変わった。草の青みが抜けて、少し土っぽい匂いになった。七年間の記録で知っていた変化だった。変化を見ると、材料が正しかったとわかった。
煎じ汁の匂いが部屋に広がった。
蝋燭が一段細くなった頃、コラを起こして飲ませた。
「熱い」とコラは言った。
「少し待ってください」とルイーゼは言った。椀を床に置いて冷ました。「今度は飲めます」
コラは椀を見た。それから両手を出した。
もう一度飲ませた。小さな椀を両手で持って、少しずつ飲んだ。飲み干した。
「苦い」とコラは言った。
「よく飲めました」とルイーゼは言った。
コラはまた眠った。
ミナが「あなたも少し休んでください」と言った。
「いいえ」とルイーゼは言った。「もう少し様子を見ます」
「……なぜ、そこまで」
ルイーゼは少し間を置いた。
「七年間、熱の記録を書いていました。何人が出て、何人が助かったか。数字で知っていました。しかし——」
言葉が続かなかった。
ミナは何も聞かなかった。
沈黙の中に、コラの息遣いだけがあった。細くて速かった。しかし続いていた。
蝋燭がもう一段細くなった頃、ルイーゼはもう一度椀を作った。コラを静かに起こして、また飲ませた。今度は「苦い」と言わなかった。飲んで、すぐに眠った。
夜だった。煎じ汁の匂いがした。コラの呼吸が、続いていた。
ルイーゼは壁にもたれて、目を開けたまま座っていた。眠れなかった。眠る必要を感じなかった。
王都の夜は、いつも何かを書いていた。記録か、代筆か、次の日の準備か。夜に羽ペンを置いた手が、王都では異物だった。手が動いていないと、翌朝の書類が遅れる気がした。だから夜に眠ることが、王都ではできなかった。
今夜は何も書いていない。手は休んでいる。ただコラの様子を確認して、椀を作り、またここに座る。それだけだった。
それで、十分だった。
王都の夜に少し似ていた——何かを待っている夜の感触。しかし王都では、何かが「来るのを」待っていた。今夜は——コラの熱が引くのを待っていた。
待つことの種類が、違った。
窓の障子が白んできた頃、ルイーゼは立ち上がって額に手を当てた。
昨夜より、低かった。
もう一度確認した。確かに低かった。
コラが目を覚ましたのは、朝の光が床に届いた頃だった。
薄く目を開けた。ルイーゼを見た。
「……ルイーゼさん」とコラは言った。
ルイーゼは止まった。
名前だった。四歳の子供が、自分の名前を呼んだ。なぜそれが胸に止まるのかわからなかった。七年間、名前を呼ばれなかった。今、子供が呼んだ——それだけのことだった。
「大丈夫です」とルイーゼは言った。「熱が下がりました」
コラはしばらくルイーゼを見ていた。
「おなか、すいた」と言った。
ルイーゼは少し間を置いた。
「それは良かったです」
「ほんとに」
「本当に良かったことです」
コラは少し眉を上げた。それからまた目を閉じた。
ミナが「ルイーゼさん……」と言った。目に水気があった。それ以上は続かなかった。
外に出ると、ヘンリクが道の端に立っていた。
「どうだった」
「熱が下がりました。今日一日、水分を取らせて安静にすれば」
「そうか」とヘンリクは言った。「薬は」
「明日ももう一度煎じます。二日は続けた方が良いです」
「お前が作るのか」
「はい」
ヘンリクは少し間を置いた。「わかった」と言った。それだけだった。
朝の空気が冷たかった。夏の終わりの、秋に向かう朝の冷たさだった。
軒下に目が向いた。昨日干したセイヨウカノコソウの束が、風に少し揺れていた。乾いていた。今夜も使えた。
まだ必要になる夜が、あるかもしれなかった。




