メッセージ
「・・・・そう、なんだ。どんな人?」
「あれ?そんなに驚いてない?」
「いや、驚いてはいるわよ。でも言葉が出ないというか」
「私も現実感ないんだけどね。えっと、奥野くんって人なんだけど」
「・・・・・・・だれ?有名なの?」
「同じクラスなのよ。クラスの中ではそれなりにカッコいい、と思う、わ?」
「なんで疑問形なのよ」
「私たちまだ中2よ?彼氏できるなんて思わないじゃない」
「どっちから告白したの?」
「一応私・・・・なのかしら」
「一応って」
「えっと、この間のバレンタインでチョコあげたのよ。それで呼び出されて付き合ってほしいって」
「それは、あっちからなんじゃないの?」
「そうなのかな?」
「まぁ・・・・いい人なの?」
「多分、優しい人よ」
「なんで断言しないの・・・・」
「だってまだよく分かんないし」
そんな会話をしたのが中2の3月。付き合うことにはなったけど、まだデートとかもしてないのだとか。
この時、私がどんな思いだったのか、誰も知りはしないだろう。
表面上は祝福と困惑をし、心の奥底では絶望を抱いた。
りこと同じクラスの奥野。
ある意味強烈に脳裏に焼き付いた。
それから進級して暫く。私とりこはクラスが分かれてしまったが、一緒に帰ったり休日に遊びに行くなど、変わりなく過ごしていた。たまに、
「今日は奥野くんと帰るね」
「さちも一緒に帰ろう」
と言われることもあった。私たちの中にあいつが少しずつ侵食してきてるような、そんな気分を味わった。
中学3年という受験を控えたタイミングだ。勉強を一緒にすることもあった。学校の中では3人でいることもあったが、私とりこの家では2人でいたため少し安心もしていた。
一方で、私からりこが離れていく姿も少しずつ感じていた。親友と呼べるくらいではあったが、彼氏の方がやはり大事なんだろう、と当時は不貞腐れたものだ。
私もりこも高校は同じところを志望していた。特に特筆もない。近くにある公立の普通科学校だ。りこはもっと上を目指すことも出来たらしいが、私と同じところにする、と意気込んでいた。
そんな中だ。
「進路についえ先生から話があるらしいから、行ってくる。時間かかるかもしれないから、先に帰ってて。後で進捗確認するからね」
とメッセージを受けて、1人で家に帰った。勉強は嫌だが、りこを怒らせるわけにもいかない、とノートに向かっていると電話がなった。




