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私の前で命を馬鹿にするな  作者: 黄野ポピー
3章

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岸田 璃子

まどろみの中で夢を見る。

璃子の笑顔が見える。


「さちー、この動画のねこ見てよ!すっごい可愛いんだよ!」


「こっちの仔犬だって可愛いいわよ?」


「うわぁ〜!これはどっちか決められないね!どっちも可愛すぎる!」


スマホの動画で可愛い動物がいたら互いに教え合った。たまに


「さちってねこっぽいから、似てるの見つけた」


って言われることもあったけど。


「このクレープ美味しい〜!さちのも一口ちょうだい?こっちと交換ね」


「いいわよ。はい、あーん」


「あむっ。ん〜、このベリージャム美味しいね。こっちもはい、あーん」


「あむ。うん、チョコが濃厚で美味しいわね」


クレープは2人でよく食べに行った。フードコートの片隅で賑やかに食べたものだ。カフェではパフェやパンケーキを頼んで交換もした。


「それで、ここのxがこの値になるでしょ。たからこっちの式を使って」


「あ、わかったわ。なるほど、さすが璃子。頼りになるわ」


「璃子って数学得意よね。不思議なことに」


「なんか失礼じゃない!?」


「そろそろおやつでももってくるわね」


「さちは料理が得意だよね。意外・・・でもないけど」


「今日はトライフルよ。冷やしてあるから、アイスも乗せてくるわね」


「トライフルってどういうの?」


「スポンジケーキをカットして、器に入れて。クリームや果物を重ねたものね。ケーキを分解してプリンとかの形をしてると思えばいいわ」


「さちは将来そういう料理の道に進むのかな?」


「なによ、急に」


「そしたらさ?さちの美味しい手作りが食べやすくなるのか、チャンスが減っちゃうのか、微妙だなーって」


「もし料理の道に進んだら、間違いなく試作品を食べさせるわよ。安心して?璃子のお腹は私が守るわ」


「私太るの?痩せるの?ねぇ、どっち?」


他愛のない、笑顔に満ちた日常。それは唐突に終わりを迎えるのだ。

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