結果万歳
衣替えが済んだ頃、すみれのコンクールの発表があった。結果は佳作。大人も参加している中での結果だったので、とすみれは言っていたが落ち込んではいるようだった。
「すみれ、コンクールお疲れ様」
「さちちゃん、ありがとう」
屋上でたたずむすみれにリンゴジュースを渡しながら声をかけた。
「あの絵で佳作なのね。私はすみれの絵しか見てないけど、あんなに心に残ってるのに」
「もっと細かい技術とか、表現力が必要だったみたい〜」
「次はどうするの?」
「ん〜・・・・立体もやりたいし、デザインとかもやりたいし、また小物も作りたいし、やりたいことはいっぱいあるよ」
「なら、ジュース飲んだら次の構想かしら?」
「そうだね〜」
いつになくダラ〜とした態度であるが、それだけ今回の結果に思うところがあったのだろう。声には挫折などのマイナスの思いは含まれていないようだ。
「さちちゃん、今日のごはんなに〜?」
「ドライカレーの予定よ。玉子も乗せて、少し豪華にしましょう」
「そっか〜・・・・よし、がんばるね!」
ジュースを飲み終えたすみれは屋上から去っていった。おそらく美術室へ向かうのだろう。
私はおばに連絡をしてドライカレーの材料を買っていくことにした。にんじんや玉ねぎ、ひき肉に香辛料。あとは卵も。
手首の捻挫は完治し、アザも残っていない。重たいものも持てるようになった。だからおばも買い物などをまた任せてくれている。
夏が近付いてきた。
空は高く、空気は熱く、景色も変わっている。
今回のことは一部の生徒に大きな影響を出した。菊池くんや奥野くんは内申点などにもマイナスになっただろう。私はケガをしたことについて様々な方面から色んなことを言われた。
でも、今回はそれでいいと思えた。確かに煩わしいものもあった。だが、つかみ取ったものもあった。
奥野康太との関係の解消。
私にとってはある意味最高の形となった。屋上で1人ほくそ笑む。思うところはあっても、結果万歳というやつだ。
ひゅるり、とぬるい風が体に当たる。
璃子との思い出は色あせることなく、心に残っている。




