ダッチベイビー
「ダッチベイビーっていうのは初めて食べました。パンケーキとかとも違って美味しいですね」
こめっこカフェで食事をして、店内でまったりとしている。夜はバーにもなるらしいので、少し大人のお客さんが増えてきたようだ。中には学生らしき人もいるので、場違いではなさそうだ。
「バニラアイスにはちみつにクリームと甘いもん全部のせだしな。米粉で作るから香ばしくなるんだって」
小さなフライパンの形をした器 (スキレットというらしい)に乗ったそれはカリカリと香ばしく、上に乗ったバニラアイスが溶けて鉄板にふれるとジュワーと音がして甘い匂いが漂った。
「ダッチベイビーってさ、ドイツのパンケーキなんだって。アメリカで訛って変化したのがダッチ、小さいサイズで提供するからベイビーらしいよ」
スマホで調べたのだろう、先輩が教えてくれた。メニューを見れば、トッピングが沢山あるらしい。おかず系もあるし、もちろん甘いものも沢山あった。
ドイツ発祥で、アメリカに伝わって、今は日本で食べている。なんとも旅をしてきたスイーツである。
「なんとなくクレープに似てますね」
「生地の厚さで考えるならピザっぽくないか?」
「どっちにしても、美味いからいいじゃん」
寮の夕ごはんで希望を聞いてみたところ、クレープとなった。女子だけだしいいか、とおばも了承した。生地は砂糖を控えて米粉で作ったので腹持ちもいいだろう。生地を私が焼いて、おばがトッピングを考えて、あとは各自で包んでもらった。
「はー・・・・チョコバナナの安定感、いいわー」
「チョコとカスタードクリームも美味しいです」
「私はレタスとハムにしようかしら」
「みんなー、お茶は紅茶でいいかしらぁ?」
ほんの少し、ゆったりとした時間が流れた。




